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コラム:編集委員の独り言…

「現場の失敗と対策」編集委員が現場や研究の中で感じた思いや、
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最近のコンクリートは「白っぽく」て
「つや」が無い? 編集委員 W

2018/06/28

道路橋脚の施工において、発注者より「コンクリート仕上がり面が白っぽくてつやが無い。昔はもっと黒っぽくてつやがあり綺麗だった。黒光りする鏡のような仕上がりもあった。何故なのか?」との指摘があった。

一般に、コンクリート仕上がり面の綺麗・美しいイメージは、色むらが少ない、つやがある、表面気泡が少ない、段差や凹凸が無いなどであるが、当該橋脚では白っぽく、つやが無いことが指摘された。実際のコンクリート仕上がり面は写真-1のように、色むら、表面気泡、段差および凹凸などは認められなかったが白っぽく、つやが無いような状況であった。

写真-1 アルミニウム型枠による仕上がり面(白っぽくてつやが無い)写真-1 アルミニウム型枠による仕上がり面
(白っぽくてつやが無い)

コンクリートの「色」に対する支配的な要因は、セメントや混和材などの粉体の色であることが知られており、特に酸化第二鉄が多いほど黒っぽい仕上がりになる。セメントを色差計で明度(L値)を測定した例を図-1に示す。明度が大きいほど明るい色調を示し、一般的に白っぽくなることを示している。図より、高炉セメントB種は、低熱ポルトランドセメントや普通ポルトランドセメントより明度が大きいため、白っぽくなることが分かる。近年、公共土木工事では、グリーン購入法の制定(2000年)により高炉セメントB種が特定調達品目に指定されたことから、普通ポルトランドセメントよりも使用量が多くなってきている。このような背景から、昔の工事で圧倒的に多かった普通ポルトランドセメントを用いたコンクリート構造物に比較して仕上がり面が白っぽくなってきているものと考えられる。

図-1 セメントの種類による明度(L値)の違い図-1 セメントの種類による明度(L値)の違い

一方、コンクリートの「つや」は、正式には光沢(鏡面光沢度)と称され、物体表面の鏡面反射光の度合いを表すものである。つやがあるほど反射光が強くなり光沢値は高くなる。このつやに対する支配的な要因は、コンクリート仕上がり面の平滑度であるとされており、仕上がり面が緻密で平滑な場合は黒っぽくてつやがあり、多孔質で粗面な場合には白っぽくてつやが無いとされている。一般に、コンクリートの仕上がり面を綺麗にするには、化粧合板と称されている表面加工コンクリート型枠用合板(JAS規格)の使用が良いとされている。当該工事では、アルミニウム製の型枠(せき板)を使用しており、コンクリートと接する面をよく観察してみると、化粧合板よりも粗面な状況であった。写真-2には橋脚梁部底面の仕上がり状況を示す。この箇所にはせき板として化粧合板を使用しており、アルミニウム型枠を使用した一般部に比べて、型枠からのセメントペーストの漏れによる白い汚れがあるものの、やや黒っぽくてつやがあるように見受けられた。このように、仕上がり面のつやについては、使用している型枠(せき板)の平滑度が影響しているものと考えられた。

写真-2 化粧合板型枠による仕上がり面(汚れはあるもののつやがある)写真-2 化粧合板型枠による仕上がり面
(汚れはあるもののつやがある)

以上のように、コンクリートの仕上がり面の色やつやに対する支配的な要因は、使用するセメントの種類や型枠(せき板)表面の微細な凹凸などである。当該工事では高炉セメントB種を使用したこと、および型枠材(せき板)としてアルミニウム製のものを使用したことが、コンクリート仕上がり面が白っぽくつやが無いようになった原因と考えられた。仕上がり面を黒っぽくつやがあるように仕上げるには、セメントとして普通ポルトランドセメントを、型枠(せき板)として化粧合板を使用するのがよいといえる。ただし、化粧合板を転用して使用すると表面に微細な傷がつくため、徐々につやがなくなるので注意が必要である。
なお、仕上がり面の色やつやはコンクリートの品質には関係が無いので、初期の湿潤養生をしっかり行えば、表層の品質に影響を及ぼさないことは当然である。

参考文献

・中田善久、大塚秀三著:美しいコンクリート、コンクリートテクノ臨時増刊号、セメント新聞社、平成18年

・コンクリート技術の要点’17(講習会テキスト)、公益社団法人日本コンクリート工学会

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