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現場監理の達人 現場監理に役立つチェック項目を、工程ごとにご紹介

住宅編
第21回
「住宅のクレーム、トラブル対応と判断」

2014/09/29

宅建設における監理行程を全22回にわたり紹介する「現場監理の達人」。現場監理に役立つチェック項目を進行状況に合わせて工程別に分類し、現場監理に必要なチェック事項を具体的・実践的なポイントを写真を使い、実例を掲載してきました。

高品質な住宅を完成させる事だけが責務と思われがちですが、現場監理を進める上では、施主、施工業者、周辺住民と、様々な人と関わる場面も多くトラブルも発生しやすいのが現状です。こうしたトラブルを最小限にし、円滑な工事を進められるノウハウをご紹介します。

監理者として、クレームは未然に防ぐ

宅産業は、クレーム産業とも言われます。クレームはお客様にとってもあまり気持ちの良いものではありません。また、企業にとっても損失を招きかねない非常にデリケートな問題です。そこで、今回「現場監理の達人」第21回では、この企画の執筆者である清水先生と対談させていただき、住宅業者にとっては切っても切れないクレーム問題についてお話を伺いました。

これまで清水先生には、20回にわたって監理のポイントを解説していただきましたが、これらをすべておさえることで、施工面でのクレームはなくなるのでしょうか?

チェックポイントを完全に理解していただければ、原因の改善にはなるはずです。しかし、クレームを完全に無くすことは難しいでしょうね。人間ですから、いつでも完全な作業を行えるわけではありませんし、すべてにおいて細かくチェックすることはできないでしょう。また、同じ仕上がりや現象でも、クレームを付ける人とそうでない人がいますからね。

ただ、そういう問題以前に、チェックの重要性をあまり理解していない人や、経験上、適当で大丈夫という考え方の施工業者もいます。この考え方がクレームの元になるんだと思います。本来、施工の段階できちんと気を付けていれば、クレームは最小限に抑えることができるんですよ。

施工の段階で気を付ける、という点をもう少し具体的に教えていただけますか?

そもそもクレームが発生する前に、施工の段階で未然に防ぐことが大切なんです。入居後のクレームは本当に様々ですから。雨漏れ、給排水関係、建具調整、クラック、床の傾きや床鳴り、何かが取れたり、壊れたり。

このうち、雨漏れに関しては以前私が解説した監理を行うことで、ほぼ間違いなく防げます。私の事務所が監理をした建物で、スタートしてからこの14年間、雨漏れしたことはありません。給水関係も、接続後に圧力テストを行えば問題は防げます。あるとすると、排水関係のトラブルです。何かが詰まってあふれるという場合には、いずれも基本的な施工に原因がありますので、未然に防ぐことはできるでしょう。建具調整は、防ぎようがないというか、一定の割合で発生すると考えて対応するしかありません。ここまではご理解いただけたと思いますので、今回お伝えしたいのはクラックの問題です。

クラックといいますと、ひびですよね。基礎や外壁、内部のクロスなど、いろいろありますが、どれを指すのでしょうか?

全部です。一歩間違うと大クレームになります。住まい手、すなわちユーザーが不安になり、対応が納得いかないと第三者検査に依頼して、問題がどんどん大きくなる。とんでもないことになりかねません。ですから、まずはそれ以前に施工者として、どうクラックを防ぐかを考えるべきです。

クラックを未然に防ぐことはできるのですか?

はい。まず基礎のクラックは、一般の方を最も不安にさせます。「その程度のヒビは問題ありませんよ」では解決しません。ですから、クラックが入らない施工をすること、あとで第三者検査が入っても大きなトラブルにならないような施工をすることが大切です。それには、かぶり厚と正しい配筋、コンクリートの配合などを間違わないことももちろん大事ですが、それだけでは不十分です。

といいますと?

①コンクリートの養生コンクリート打設後は、養生をして、24時間は作業しないでおくことコンクリート打設後は、養生をして、24時間は作業しないでおくこと

大事なのは、まずコンクリートの養生期間です。コンクリートを打設してから24時間は作業しないでほしいのです。多くの現場では耐圧版を打設して、次の日の朝から墨だし作業を行っています。しかし、前日のコンクリート作業終了時間から24時間置くためにも、翌朝から作業することは止めた方がいい。衝撃や荷重を与えてはいけません。午後からにするとか、完全に1日置くということですね。

コンクリートのクラックにつながるということでしょうか?

②耐圧版のスペーサーブロック7センチのものを使用し、その寸法を測っている写真を残しておくことが大切7センチのものを使用し、その寸法を測っている写真を残しておくことが大切

はい。原因のひとつに成りえます。外壁モルタルのクラックも、この養生期間が短いことが原因になっています。室内壁のクロス仕上げの場合は、別の原因です。

  • ③基礎のクラック③基礎のクラック
  • ④外壁のクラック④外壁のクラック
  • ⑤室内壁のクロスのクラック⑤室内壁のクロスのクラック

この写真は、クラック幅が大きいが、ヘヤークラックと呼ばれる0.2ミリ程度のクラックでも住まい手は、気になる。その場合、どのように説明するか、対応するかでトラブルがとんでもなく大きくなることもある

他にも何かありますか?

同じ養生期間でも、型枠の解体までの期間です。コンクリートの打設から、型枠をはずすまでの期間には、気温に関係なく中5日欲しいところですね。夏場や気温の高い日には、一般的には中3日でも良いとされていますが、私は気温に関係なく中5日以上と決めています。建売ではこんなに養生期間を取っていないようですね。立ち上がりのコンクリートはクラックがすぐに出ますので、型枠を簡単にはずさないで欲しいのです。

工期に影響しませんか?

影響するでしょうね。トラブルが起こっても、納期を早めて利益を上げる考え方もあるでしょう。トラブル対応は必要経費と見込んで、そのほうが良いという考え方ですね。ですが、裁判では次第に業者が負けて賠償額も大きくなってきているので、その考え方は通用しなくなっていくはずです。

この指摘は両方とも、養生期間に該当する内容ですね。

コンクリートが到着して、打設完了までの時間も問題です。これも気温によって変わるのですが、それで変えるとわかりにくいので、私は90分以内と決めています。

もう少し詳しく教えてください。

⑥コンクリート伝票納入時刻の発が、8時9分。気温によって変わるが、夏は90分以内に打設を完了すること。完了できない場合は、その生コンは使用しない納入時刻の発が、8時9分。気温によって変わるが、夏は90分以内に打設を完了すること。完了できない場合は、その生コンは使用しない

ミキサー車が現場に着くまでの間、道がひどく渋滞していたり、現場へ付いても作業できずに待っている時間が長かったりすると、コンクリートが硬化を始めてしまいます。ミキサー車にはコンクリート伝票に、配合だけでなく出荷時間も書いていますから、それを参考にして時間の制限を設けるのです。

それと、打設完了までの時間ですが、木造住宅の場合は打設時間が早いですし、打設前に時間を決めないといけないので、わかりやすいように一律で決めています。伝票の出荷時間から90分を超えたら、そのミキサー車からのコンクリートを使用しません。そのように、わかりやすく事前に取り決めると良いですよ。

もし、到着したときに90分以上経っていたら?

そのまま帰ってもらいます。

それで、問題になりませんか?

問題になったことはありません。そうならないように、近くの生コン業者に頼むことが必要ですし、渋滞が激しいことが予測されるなら、その時間帯を避けてコンクリート打設時間を設定した上で手配すべきですね。

そんなコントロールが、実際に可能なのですか?

木造の場合は、それほどコンクリート打設に時間がかからないので可能です。鉄筋コンクリート造の場合は、さらにこのコンクリート監理をもっとしっかり行わなければなりません。

第5回のチェックリストには、それら以外にも「冬は午前、夏は午後にコンクリートを打設」とも書いてあります。なるほど、その理由も書いていただいていますね。夏場の散水養生についても書かれていますが、本当に必要なんでしょうか?

コンクリートが到着して、打設完了までの時間も問題です。これも気温によって変わるのですが、それで変えるとわかりにくいので、私は90分以内と決めています。

この指摘は両方とも、養生期間に該当する内容ですね。

必要です。夏には、実際にスタッフに散水養生に行かせています。夕方が良いですね。コンクリート打設後の養生も、必ずしてもらいます。急激に乾燥したせいで、コンクリートの表面にクラックが生じている建物を見たことがありますし、暑さや凍結でコンクリートが硬化不良を起こしてしまった例も経験しています。

    ⑦散水養生
  • ⑦散水養生
  • ⑦散水養生
  • ⑦散水養生
  • ⑦散水養生

夏の気温が高いときは、コンクリートの水分が蒸発して不足することがある。コンクリートの硬化には水分が必要。そのために、夏季は養生をして散水することが、望ましい。冬季は、逆に凍結しないように養生しておく

基礎部分に関連したチェックリストはかなり多いと感じましたが、それだけ重要だということですね。どうしてそこまでこだわるべきか、もう少し納得できるように理由や実例を教えていただけると工事する側も監理する側も、やっておこうと思うはずです。

はい、そのつもりです。かぶり厚も軽視している現場が多いですが、トラブルになった場合、一番損害賠償が多くなるのが基礎がらみです。多くは外壁、内壁、基礎などのヒビから住まい手の不安やクレーム、となります。その対応方法が悪いと紛争になって、基礎部分の瑕疵をつかれます。結果、大きな問題になって負けることとなります。そのようなことにならないためにも、これまでご紹介してきた内容をぜひ活かしてもらいたいですね。

※掲載されている写真の無断転載、複製及び頒布は禁止します。

取材協力

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