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コスト管理の達人 現場管理にすぐに役立つ10のポイント

事例紹介④
実行予算の作成で
ここまで利益改善できる!(企業事例)

2015/9/29

実行予算の作成でここまで利益改善できる!(企業事例)

スト管理は、施工した数量から現れる「出来高」や「コスト」を金額ベースで監督さんが把握する仕組みを整えることが必要です。本号では、実行予算の作成で利益改善に取り組んだ企業の事例を紹介します。

企業:熊本県 M建設 (完成工事高:1.5億円 元請:下請=50:50)

取り組みまでの背景

10年程前、公共投資額が大幅に圧縮する中、M建設も受注競争の影響を受け、工事高の確保に苦戦していました。加えて、それまでは工事が受注できれば利益がついてくると考えていましたが、工事完成後に集計したコストが請負金額を上回り、赤字工事となるケースが年々増えてきました。「このままでは生き残っていけない!」「工事の受注営業だけではダメだ!徹底的にコスト管理を見直さなければ」と実感したことから「実行予算の作成」と「コスト集計タイムサイクルの見直し」の徹底を決意しました。

「実行予算の作成」と「コスト集計タイムサイクルの見直し」を徹底した結果、見えてきたものとは?

徹底すべきこと
  • ① 実行予算を着工前に作成する。
  • ② 工事進捗や段階ごとに、「出来高」と「原価」を把握する。
  • ③ 1件1件の工事でコストを抑え、利益率アップをめざす。

実行予算作成の段階で見えてきたこととは?

ルール化

取り組み当初は、全ての工事において実行予算を作成することをめざしました。遅くとも準備工が終わるまでに、標準歩掛・原価要素・取引先を見直し、少しでも安く・効率良くと考えて取り組みました。そして、いざ取り組んでみると、小規模工事(工期2週間以内が基準)は比較的工事内容が把握しやすく、段取り良く資機材を手配しさえすれば利益を確保できるということが分かりました。このため工期が2週間を超える工事に限定して実行予算を作成することにしました。

見えてきたもの

実行予算の作成で原価要素ごとに単価や数量を詰めていくと、材料費や機械のリース料などは予定コストを容易に把握できるようになりました。それらを固定コストとして定めることで、変動コストの中から労務作業員にかける工数について考えられるようになりました。例えば、1日の作業グループは3人工で妥当か?2人工にすることはできないか?そのためにはどうしたらいいだろうか?と具体的な対策を考える癖がつき、品質・安全を維持しつつ、コストを減らす策を見出す能力が現場監督に見られるようになりました。

効果

実行予算とは予定コストの積み上げですが、施工段取りを頭のなかで具体的に描くことでもあります。これができるようになると、頭の中の作業イメージが数値(金額)に変換できるようになるという効果を実感しています。また、着工前に実行予算を作成するようになったことで、直接工事にかかる実際のコスト予測や予算での見落としが瞬時にわかるようになってきました。それを実際に施工しながら、軌道修正することができるようにもなっています。日々の日報から出来高とコストを集計できることで、現場の施工における指示も自信をもってできるようになりました。

利益改善例
利益改善例
次に見えた課題

コストには直接工事費と間接工事費があります。いくら日々の歩掛が向上し、実行予算どおりの利益を確保できたとしても、段取り変えや手待ちなど無駄なコストで間接工事費が増加すると施工努力の効果が半減することを感じるようになりました。現在の課題は、日々のコストを「直接工事費」と「間接工事費」に分類することです。

当社の完成工事高の約50%は下請工事であるため、発注条件に現場管理がどこまで含まれるかによっても間接工事費が異なります。写真管理や段階ごとの立会等も間接工事費に含まれます。間接工事費を減らすには、元請会社と自社の施工に影響が少ない日程を組む協議を行ったり、自社の監督や作業員に負担がかかりすぎないような方法を元請会社に提案することが必要です。

予算管理・コスト管理を行うようになると、原価要素の単価推移などにも敏感になり、取引先ごとにどこの製品が安いのか?など、価格だけではなく取引条件なども含めて総合的に見えるようになります。

現場を金額ベースで把握するのは最初のうちは手間がかかりますが、慣れてくると現場施工が生み出す利益を体感することができ、やる気が大幅にアップします。当然、自社の体質強化も図られ、ひいては自身の処遇改善にもつながってきます。

事例を参考に、積極的に仕組みづくりに取り組んでください。

次号では、施工部門だけではなく全社的に見える化に取り組んだ企業の成功事例について紹介します。

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