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コスト管理の達人 現場管理にすぐに役立つ10のポイント

コスト管理の達人
~事務員編~ 第3回

2016/12/26

コミュニケーション力向上によるボスマネジメントの成功事例

設会社に求められる“コミュニケーション力“とはどのようなことを想像しますか?お客様との接客や社内での連携は言うまでもありませんが、普段の事務作業の中で得られる「会社経営や現場管理に必要な情報」を収集し、これらを加工して担当者にフィードバックできる能力がとても重要です。前回の「できる事務員さんの資料づくり」の中でも話したように事務員さんのノウハウを活かして現場に役立つ資料を作ることはもちろんですが、「事務の仕事はここまで」と境界線を設けずに、現場部門と積極的に関わり有用な情報提供ができるように、会社のボス(経営者)や現場のボス(現場代理人)との“コミュニケーション力“を身につけましょう。

コミュニケーション力アップのための3つの視点

コミュニケーション力アップのための3つの視点

(1)建設会社のボスたちが欲しいコスト管理の数字を知る。

経営者が欲しい数字と現場代理人が欲しい数字を明確に認識しましょう。

①経営者は会社全体の売上や原価、利益を知ることを望んでいます。一方、現場代理人は、当然自分の担当する現場にかかる数字を知りたがっていますが、さらに言えばその工事原価の集計結果を誰かが代わりに経営者に知らせてくれることを願っています。

②経営者は、直営作業員が多いため、毎日何人の作業員がどこの現場で作業し、何台の自社機械が稼働したのかを把握したいと思っています。一方、現場代理人は、毎週の工程会議で予定報告する番割りの中で、既にホワイトボードに変更を記載しているので、誰かが代わりにその集計をしてくれることを望んでいます。

このように必要とされるコスト管理の視点は、経営者と現場代理人それぞれの立場で異なります。事務員さんはそれぞれのボスが「必要とするコスト管理の数字」を積極的に理解することがコミュニケーションを図るうえで非常に重要です。

(2)事務員さんが自分だけで把握できる数字や役割を切り分ける。

事務員さんが事務所の中で誰にも聞かずに得られる数字はないでしょうか? これは(1)にも示したように、各現場単位の集計結果が最も必要とされる数字であり、これを事務員さんが作成することができれば、大きなコミュニケーション力のアップにつながります。納品書や出面が提出される仕組みが既にあるならば、事務員さんでも工事原価の集計が可能ですから、現場代理人と作業分担を協議してみましょう。現場の数値が集計できるようになると、自ずと経営者の知りたい数字は見えてきます。現場の数値を理解したうえで、経営者や現場代理人と緊密なコミュニケーションを取ることは、事務員さんの目線で新たな提案が生まれることもあり、社内におけるコスト管理の向上に役立ちます。

(3)質問に即答してもらえるように工夫する。

事務員さんが必要な数字を知りたいと思ったときに、何も考えずに自分の知りたい「時間」に「知りたいこと」を質問してはいないでしょうか?コミュニケーションをうまく図る“コツ”は、回答者に負担をかけない「時間」「場所」「聞き方」を意識することです。例えば、現場代理人に現場施工中の時間帯に電話を入れ、「今日の●●の結果をいますぐに知りたい!」という質問をしていませんか?コスト管理の観点では、できるだけ効率的に作業することが大切です。「自分が知りたいことが分かれば助かる」と思っても施工の邪魔をしてしまっては会社全体としてコスト管理ができているとは言えません。相手の時間に割り込むのであれば、「○○と××はどちらを使用しましたか?」など即座に回答できる聞き方や、「集計では△△△と出ましたが、他に私ができる必要な集計はありますか?」など事前の下調べや相手の立場にたった質問がコミュニケーションをより円滑にします。

コミュニケーション力の高い事務員さんの採用でコスト管理の質を向上させた事例

企業規模:年間完成工事高 1.5億 事務員数:2名 現場代理人数:3名

この会社は直営施工型の建設会社で、作業班は3班で通常の現場を運営しています。現場監督さんは施工現場から帰っても書類作成に忙しいことが悩みの一つでした。社長は直接利益に影響する直営施工なので、毎日現場の状況が気になり、現場監督さんに色々と質問しますが、現場が忙しい時期になると状況が見えなくなっていました。このような状況を解決するために新たに事務員さんを採用し、現場サポートをしてもらうことにしました。事務員さんの1名増員にも拘わらずコスト管理の質的向上により人件費増を吸収し、利益率を改善したケースです。

ポイント1)事務員さんのモチベーションアップ

以前より勤務している事務員さんは現場に係る仕事はほとんど行っていませんでしたし、現場監督さんの仕事は全く分からない状態でした。そこで、新しい事務員さんを採用し、毎日のコミュニケーション(電話による定時連絡)をすることになりました。その結果、新しい事務員さんは、現場特有の用語もだんだんと理解できるようになり、監督さんや社長さんからも褒められることで、現場に対する関心も次第に高くなり、次は写真管理や積算もやってみようと思うようになったといいます。

ポイント2)現場代理人との毎日のコミュニケーション

事務員さんは毎日決まった時間(16:00)に現場代理人さんに電話をし、今日の現場で使用した原価要素や数量を確認しています。作業内容も聞き取り、日報を途中まで入力してから帰ります。現場代理人さんは、毎日決まった時間に電話がかかってくることで、その時間までに聞かれることをあらかじめ準備するようになりますし、その数字を伝えることで自分が帰社後の書類作業が軽減されるというメリットも感じています。社長は、毎日コスト管理の数字を確認でき、日々の工事の進捗状況を把握するとともに次なる経営戦略の策定に役立てています。

事務員さんの仕事は補助的な役割ばかりではありません。現場と積極的にコミュニケーションを取ることによって、現場運営を理解し、コスト管理に役立つ取り組みも求められます。

まとめ:コミュニケーション力をもった事務員さん一人で、会社のコスト管理力は格段に向上します。

建設業界では、事務員さんに対してスキルアップや人材教育を行う時間や予算が少ないといいます。コミュニケーション力は個人の資質や経験も大事ですが、事例のように事務員さんが建設会社のしくみやコスト管理などの知識を得ることで、経営者と現場をつなぐ役割を担うことも可能です。経営者や現場代理人というボスたちをマネジメントし、つなげる役目は全ての現場の情報を収集できる事務員さんが最適です。ぜひ実践してみてください。

次回は、事務員さんの情報発信力について紹介します。

原稿協力

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