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コスト管理の達人 現場管理にすぐに役立つ10のポイント

ポイント2
絵に描いた餅にしないためのコツ
〜実行予算・生産管理〜

2014/10/27

実行予算 会社のノウハウを集結させよう

行予算書とは、現場の利益目標を達成するために予定コストを積み上げ、実際の施工中に予定通りに進捗しているかを確認するベース指標となります。この確認行動をより短いタイムサイクルで実施することで、現場完成までにかかるコストを予想し、目標とする利益を確保するための方向性を修正することが出来ます。ここでは実行予算をやみくもに作成することではなく、現場運営に役立てるためのポイントについて説明します。自社の施工体制にあった「実行予算作成のルール」を確立することを意識して読んでいただければ幸いです。

実行予算を作るときに押さえておきたい3つの視点

視点1. 実行予算の作成はいつまでに行えば問題ないのでしょうか?

実行予算書に計上された数字は単なる目標値であっては意味がありません。絵に描いた餅ではなく実際の現場で活かしていくことが最大の目的です。実行予算書は、本来であれば受注前に作成し応札の検討材料とすることが理想ですが、遅くとも現場着工前までに作成することが目標です。なぜならば、見切り発車してしまうと削減できるはずのコストや生産目標がわからず、利益を損なう可能性が高くなるからです。事前にきちんと作成することで、コスト面において現場の目的地(目標数値)がはっきりし、毎日の作業の頑張り具合を日々検証することができ、目先の工程をこなすだけの空回り状態からは抜け出すことが出来ます。

視点2. 実行予算書作成の準備として必要なこと!

1)現場施工に必要な作業を考える
公共・民間にかかわらず完工までに必要な作業を、順序を考えながら洗い出すことが最初に行うことです。直接工事費、間接工事費に拘らず「順を追って」作業を考えるとわかりやすいでしょう。

例)

  • ① 施工計画書を作る 1日
  • ② 実行予算書、工程表を作る 2日
  • ③ 土場を探す 1日
  • ④ 着工前測量を行う 3日
  • ⑤ 掘削を開始する ◯◯m3
  • ⑥ 基面整正を行う ◯◯m2
  • ⑦ 掘削した土を運搬する ◯◯m3
  • ⑧ 残土処理を行う ◯◯m3

・・・というように一つひとつ確認しながら、現場施工を想像しながら行いましょう。公共工事であれば、設計書という形でこれらの作業の直接工事費にかかる部分は記載されています。同じように間接工事費についても、共通仮設費や安全費、現場管理費に必要な項目に何があるかを具体的に洗い出すことが必要です。

2)作業に必要な原価要素を考える

資料1)原価一覧表

一つひとつの作業に必要な原価要素について、「単価」「単位」「取引先」を調査します。どの現場にも使われるような原価要素については、会社に単価一覧表を準備するとよいでしょう。(職員単価、自社機械単価など)単価の変動が激しい燃料費や材料費などについては、何を見れば現在の単価がわかるのか?を社内ルールの中で決めておきましょう。

視点3. 実行予算書を管理上、使い勝手の良いものにするために!

1)作業グループを考える

実行予算書作成の準備として考えた作業の中で、同時に進行するものを作業グループとして一覧にまとめましょう。作業グループとは、「作業」に「時間」という要素を加えたものといえます。つまり、工程表の1ライン上に進行するものです。先の例でいうと①〜④までは準備工グループ⑤〜⑧までは掘削・基面整正・残土処理グループと考えられます。これらの作業グループに目測または歩測などわかりやすい数量や単価を割り当てることがポイントとなります。

図1)グループ化のイメージ

図1)グループ化のイメージ

設計書では作業ごとに歩掛(生産性)が記されているものが多いのですが、実際の現場では作業は単独で進むのではなく、複数の作業がグループ化されて進行します。これが「現場の段取り」です。作業グループが標準的な基準とならないのは、現場状況や監督さんの段取り、施工体制などでグループが変わることがひとつの要因であると考えられます。

2)作業グループとして生産性を捉え、管理する
  生産性は、作業グループごとに捉えていきます。

  • ・掘削・運搬・残土処理の作業グループは何日かかるのか?
  • ・1日当たり(または単位数量)ごとにどれだけの人や機械、材料が必要なのか?

を割り当て、利益額(利益率)をシミュレーションしながら実行予算を作成します。利益を増やすためには、「生産できる施工単位数量を増やす(生産性をあげる)」か「原価要素の単価を下げる」しかありません。その両面から目標とする利益を創出するための予定表が実行予算書です。作業グループでの実行予算を作成することで日々の施工と比較することができ、最終利益を予測することが可能となります。

図2)管理しやすい単位への置き換え

図2)管理しやすい単位への置き換え

ここでは、グループ作業を管理する基準として、①運搬土量と②掘削面積を例示していますが、企業にとって一番管理しやすい(分かりやすい)基準が良いでしょう。その基準が決まったならば、役職員の誰もが社内の統一基準として、当該現場については活用していきます。
例えば、基準①運搬土量で管理する場合の管理イメージは次のようになります。

工事部長:『今日の出来高は?』
監督さん:『本日は10tダンプトラックが62台走りました。総量の約16%、約25万円の出来高(金額)です』

  • ・10tダンプトラック1台あたりの積載量を5m3で計算している
    (5m3×62台=310m3。310m3/2,000m3=15.5%)
  • ・基準①の出来高の管理基準が明確であり、m3あたり単価を把握している
    (310m3×825円/m3=255,750円)

という前提条件を双方が理解していることが必要です。

1. 作業グループの単位の考え方

作業グループの単位は、目測・歩測でわかりやすいものにすることが重要です。

  • ・ダンプトラックの運搬台数で計測できるような土量についてはm3
  • ・状況によっては、体積(m3)よりも面積(m2)もっといえば延長(m)
  • ・側溝などの本数で出来高がわかるものについては、本数(本)や延長(m)

などで各作業グループの単位を割りつけましょう。
作業グループの単位を何にするか?が日々の現場を把握するカギを握っています。

2. 作業グループの役割

作業グループとは、現場監督の段取りを表すものです。
出来高をより短いタイムサイクルでおおまかに計算することが大きな役割です。
上記の例でも掘削深さが大きく変動する区間がある、土質が砂質土で水が出て出来高があがらない、岩などで掘削がすすまないなどの場合には、作業グループを分けたほうが良い場合もありますが、土木工事の場合、「掘ってみなければわからない」ということも多々有ります。細かくコストや歩掛を管理しようとすると、その事務作業や数量把握に時間がかかりすぎて毎日の確認が煩雑となります。
一番重要なことは、毎日「出来高」と「コスト」を見える化することのほうに視点をおいて、作業単位ではなく大きく現場を捉えることを意識してください。

今号では、実行予算書を現場施工の管理に活かすための考え方について取り上げました。取引先と単価をきちんと把握していれば、取引先ごとの支払予定額も計算でき、現場サイドだけでなく、経営上の資金繰りにも有用な情報となります。

現場のための実行予算作成ではなく、会社全体として必要な「原価要素一覧」や「取引先一覧」などを日頃から準備し、実行予算作成の際のルールを決めておくことを是非この機会に行ってみてください。

次号では、実行予算書の内容について、別の角度からポイントを紹介します。

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