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コスト管理の達人 現場管理にすぐに役立つ10のポイント

コスト管理の達人
~事務員編~ 第5回

2017/02/27

コストを徹底的に「見える化」する仕組みづくり

設業のコスト管理は、各工事の関係書類を毎回照らし合わせて必要な数字を算出する「都度処理」を行うと大変煩雑です。複雑に絡み合う「取引先情報」や「出来高と原価の金額計算」、「工種ごとの取極め金額」など、算出が必要な時にいざ計算しようとすると時間ばかりかかってしまう経験をした事務員さんも多いでしょう。

日々のコストは監督さんの日報からリアルタイムに集計されることが望ましいのですが、その情報をいかに活用するかが事務員さんのテーマになります。情報を迅速に活用するためには、自社にとって必要な「見える化」すべきコストは何かを考え、そのための仕組みを整えることが必要です。今号では事務員さんの「見える化」すべきコストについて事例と具体的な方法や効果について紹介します。

コストを「見える化」する3つのポイント

コストを「見える化」する3つのポイント

(1)ひとつの情報から得られるものを多方面に利用する。

監督さんが日報を毎日正確に提出するようになると、現場に費やした労務費の管理が「仕組み」として整います。自社の労務人数、常用で支払うべき取引先の人数、下請契約を締結した外注先の工数なども日報の提出に伴って、自動的に集計しておくことが望まれます。では、この労務管理の観点から、何を「見える化」し、どのように利用するのが良いのでしょうか?

●給料計算に使うデータの整理 ⇒ 会社全体の出面をチェックする
労務管理では、出勤日数や時間外労働等の時間数の把握が必須の情報になります。現場ごと、各人ごとの集計はもちろん、会社全体としても出面を整えるようにしましょう。建設現場では一人の人が、複数の現場を移動することもよくあります。それぞれの現場監督が、個々人の勤務時間数を明記せずに日報を作成すると情報に矛盾が生じます。何日も経過した後に現場監督に確認することになると、記憶やメモを辿らなければならず余分な作業が必要になります。給料計算に使うデータは会社全体を集計する必要があり、そのデータの間違いはすぐにわかるように集計し、監督さんにフィードバックできる体制をとりましょう。

●建設業退職金共済(建退共)の証紙を出勤ごとに貼付する ⇒ 現場ごとの出面をチェックする
上記の会社全体の出面を集計するには、まず現場ごとの出面集計が必要です。現場の出面(出勤簿)は現場経費で計上される建退共の証紙の計算などに利用します。建設業の経営事項審査では、建退共の加入が加点ポイントとなるため、近年の建設会社は当制度の利用を促進しています。

公共工事を受注した際、工事金額と工種から購入すべき証紙枚数の概算が割り出せますが、貼るべき証紙の数は建退共に加入している人には出勤ごとに貼付するのが基本的なルールとなっています。購入の際は工事原価として証紙代を認識していても、毎日の出面から貼付していくと証紙が不足することもあります。出面が毎日わかるのですから、証紙の残枚数も把握できます。不足しそうであれば速やかに現場監督にその旨を事前に知らせると、予算化していないコストをどこで取り戻すのかを考えさせることができます。どのような数字でも、終わってからの「結果」ではなく、「進捗状況や予定」といった観点から、いつでも確認できるようにすることが重要です。

通信誌・チラシを作成する。。

(2)着工時の実行予算書を活用して対比をとる。

建設会社にとって実行予算書をできるだけ工事着工前に作成することの重要性は、これまでも繰り返し説明してきました。事務員さんが日々運用する仕組みづくりに、この実行予算書を取り入れてみましょう。監督さんは日々のコスト集計を行いますが、支払時に予算対比まで行う時間的余裕がない場合もあります。その為、数字をよく確認しないまま請求書通りに支払いを起こすと、取極め金額以上の支払となってしまう場合も見受けられます。実行予算書作成の際に取引先との契約が確定した場合は、事務員さんもしっかりとその情報を掴んでおきましょう。

●支払に関する事務員さんと監督さんの情報の共有。
過払いが発生しないようにコストを「見える化」しましょう。支払い合計金額だけでも常に実行予算書と比較できるようにしておくことが大切です。設計外の作業などは発生するのが常ですが、取極めを行った範囲の支払いなのか、変更に伴い監督の裁量で出来高を認めた支払いなのかは、支払調書へ工種ごとに単月支払額・累計支払額・発注金額等を明記することで簡単に把握することができます。変更に伴う契約が未締結の場合は、どのように処理を行うのかまで事務員さんも情報を共有することを心がけましょう。

請求書の中には、監督と協議をしていないにもかかわらず、設計外なので常用で請求したという協力会社の一方的な判断によるものもあります。支払ったあとに協議を行うことは極めて困難です。できるだけ早い段階で事務員さんも変更状況を確認し、監督さんが忙しい場合には、積極的に補佐しましょう。

●材料など発注した単価・数量は必ず確認する。
現場が忙しくなると請求書の数は膨大になり、監督さんも査定作業に時間がかかるようになります。その時に、発注単価と請求単価に差異がないか?日報から算出された数量と相違ないか?などを事前に事務員さんが確認する仕組みが整っていたら、支払いを担当する事務員さんも監督さんも安心です。材料などは発注ボリュームにより見積単価も異なります。材料仕入れの際に契約書を交わすことは稀なので、注文書等の書類は監督さんだけが保存している会社も多いようです。全社的に発注単価や全体の金額を「見える化」し、月次等の支払いのタイミングで対比を必ず行うようにしましょう。

(3)期限管理は、現場と事務の双方から行うことが重要。

受注の際に前払金を利用するかどうか、中間金の請求を予定した月に実行できるかどうかは、受注金額の大きい建設会社の資金繰りを左右します。

【 参照 】 コスト管理の達人 ポイント5
「監督さんと事務員さん(経理担当)のチーム力を見直す工程資金繰り術」2015.01.29掲載  http://concom.jp/contents/learn/manage_cost/vol5.html

また、毎月の請求書の必着日や、査定期間を経て支払い日までに事務員さんの行うことと監督さんにしか出来ないことは明確に分け、期日を確実に守ることが大切です。事務処理が期限間際になるほど、確認が疎かになりがちです。作業の進捗がどこまで進んでいるのか?予定通りに終わっているのか?などを一目で見えるようにしておきましょう。

まとめ:事務員さんにできるコスト管理に必要な情報整理がコストを「見える化」し、事務作業の簡素化を促進します。

建設業では、現場のコストに関する日々の運用は現場監督さんに一任されることが多いと思います。事務員さんには、最終的に情報が集まることを前号でも紹介しましたが、月次の支払いのタイミングで定期的に現場のコスト管理が正しいかどうかを確認することができます。すべての情報を網羅して確認することは時間も労力もかかり現実的ではありません。

最も効率的なのは事務員さんの業務内で必ず必要とされる帳票類の集計作業を活用することです。この作業の中でポイントを絞り数字を確認し、現場の全体像を推測、把握することはできます。事務員さんと現場監督さんの情報整理が定期的に行われることが、コストを「見える化」し、結果として監督さんの事務作業の簡素化を促進することは間違いありません。ぜひ実践してみてください。

次回は、これまでの記事をまとめ、インドアから現場や建設業経営を支える事務活用術ついて紹介します。

原稿協力

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