ConCom 会員ログイン

ConCom 掲示板

こんなときはどうしよう? 今さら聞けないこんなこと これって正しいの?

建設現場で直面する課題、日ごろの作業の疑問、資格試験の相談など。みなさんで盛り上げてください。

掲示板を見る

建設産業図書館の優待利用方法 ConCom会員限定での優待利用です

お役立ちリンク集 日々の作業で使える情報へ一発リンク

ご意見・お問い合わせ ConComへの要望・ご質問はコチラから

コスト管理の達人 現場管理にすぐに役立つ10のポイント

ポイント5
監督さんと事務員さん(経理担当)の
チーム力を見直す工程資金繰り術

2015/1/29

チーム力からなる資金繰り術

設業では、「入金」も「支払」も工事の契約形態で変わります。資金繰りは通常経営者やその補佐として経理担当の事務員が行ないますが、建設企業の利益の源泉となる工事を担当する監督さんも、請求書の査定など支払に係るある一定の権限と責任を持っています。その情報を経理担当の事務員さんと監督さんの間で共有することによって、つまり監督さんが支払・入金計画を理解し必要な情報を伝えることで、立替金の支払を最小限にすることができ、また資金調達をより事前に準備することができ、企業の生命線ともいえる資金面で一層安全な経営に繋げることができます。この資金繰りに関係する管理は、これまでに紹介した「実行予算」「工程表」「コスト管理」とも密接に繋がっているものです。実際に工事の支払を担当する事務員さんと、どのような観点で情報を共有するべきかを本号では紹介します。

押さえておきたい3つの視点

視点1. 入金条件を確認し、工事代金の請求日や入金予定日を計画する。

建設業界では工事の入金の形態は、発注機関や契約により変わります。当たり前ですが、資金繰りをする経理担当者は、「いつ」「いくら」入金されるのかの情報が必要です。① 工事が完成してから一括で入金されるもの ② 公共工事のように前払金→中間前払金→完成払い金で入金されるもの ③ 出来高(進捗率)によって入金されるもの に分類されます。

1)工事完成後一括入金の場合のポイント

  • ① 請求遅れをなくす

    請求後すぐに入金される工事については、工事が完成したことをいち早く経理担当者へ伝えましょう。当たり前のことですが、徹底されていない企業を見かけることがあります。

  • ② 発注者の締め日、支払日を確認する

    最短の入金が可能となるように、工程計画を立てることを意識しましょう。
    発注者が月末締め、翌月支払の場合は、月末に完成工事代金を請求できるか、それとも、月を数日跨いでの工事完成になるかによって、入金日が丸1ヶ月変わってしまいます。数日間のことであれば、会社内の人員計画を調整するなどして、月末に請求できるように工事を完成できないか検討しましょう。この1ヶ月の違いは、金融機関からの運転資金(借入金額)調達額にも大きく影響します。

2)公共工事で中間前払金を利用する場合のポイント

国土交通省、農林水産省をはじめとする国の機関や地方公共団体等は、当初の前払金(約4割)に加えて、工事代金の2割を追加前払いする制度が整備されています。

<中間前払金の請求要件>
  • 工期の2分の1を経過していること
  • 工期の2分の1を経過するまでに概ね実施すべき作業が行われていること
  • 既に行われた当該工事に係る作業に要する経費が、請負金額の2分の1以上の額に相当するものであること

※建設企業がこれら要件を満たしていることを発注機関に認めてもらうことを認定請求と言い、発注機関が認めた証明として「認定調書」(呼称は発注機関により異なる場合あり)が交付されます。認定請求には、「認定請求書」「工事履行報告書」が必要ですが(その他の書類が必要な発注機関もあり)、原則として書類確認により認定されます。

その請求要件を踏まえて、工事の計画を確認しましょう。

  • 工期の1/2を経過する日はいつか?
  • 工程表により工期の1/2を経過する日までに予定されている作業は何があるのか?
  • 工事の進捗出来高が請負金額の1/2を達成できるように計画されているか?

工事の進捗出来高は、毎月提出している「工事履行報告書」等により発注機関が確認します。なお、従前よりは書類が簡素化されてきていますが、この他に、現場写真や実施工程表等を求める発注機関もありますので注意しましょう。いずれ最短の日程で、中間前払金を請求できるように現場と事務サイドの意思共有が必要となります。

* なお、公共工事の発注機関の一部(国の機関や地方公共団体等)では、出来高が5割に達した場合、出来高に応じて融資を受けることが出来る「地域建設業経営強化融資制度」が導入されています。この制度を利用することで、当初の前払金や中間前払金等を受けた後の資金調達を円滑に行うことができます。利用するときは、監督さんが現場の出来高を正確に経理担当者へ伝える必要があります。なお、利用にあたっては、一定の要件がありますので、発注機関の制度導入状況や利用要件を確認してください。

<参考> http://www.kks-21.com/financial/finance/about.html

視点2. 協力会社への支払条件を確認し、支払予定を計画する。

支払が計画通り行われることは資金繰りの大事な要素です。まずは、担当する工事の支払条件(支払方法や支払サイト)を確認しましょう。材料費、労務費、外注費、機械費、経費などの費目によって支払条件が変わる場合があります。現金・振込支払・手形支払の条件やその比率なども知っておくとよいでしょう。資金繰りには、現金・振込の支払が当月にいくら発生するのかが重要であり、工期内の支払先ごとの計画を経理担当者に伝え、できるだけ計画に沿った支払ができるように日々のコスト管理を行なう必要があります。

例:支払確定月別予定表

例:支払確定月別予定表

視点3. 現場の計画書類から分かる情報とは?

実行予算書

工事完成までに必要な予定コストを計算された実行予算書には、「原価要素 × 単価 × 数量 = 金額」が表示されます。この金額を取引先ごとに集計することで、完成までの支払予定額がわかります。この金額を、経理担当者が知ることができると、支払方法などを分類し、現金の支払金額がいくらになるかを正確に計画することができます。

+工程表

実行予算書に工程表の情報をプラスすると、取引先ごとに算出された支払予定時期が加わり、さらに詳細な情報として分かります。「いつ」「どの企業に」「いくら」の支払が発生するかは、資金繰りをする上で最も重要な情報であるといえます。

現場管理をしない事務員さん(経理担当)は、進捗率予想と利益目標から大まかな支払予定をたてることしかできません。しかし、監督さんが作成している予算書や工程表を活用するだけで、資金繰り計画が正確なものとなります。それぞれの業務の範囲で書類を作成するのではなく、情報を共有し、より有効な活用を目指していくことが非常に大事です。

次号では、これまでの路線から少し離れて、『最大の経営危機に陥った地方建設業の経営者が、その企業の使命を全役職員で再認識し、飛躍的に改善させた会社の事例』を紹介します。

掲載記事一覧
原稿協力

PDFファイルをご覧になるには、Adobe® Reader®がインストールされている必要があります。インストールされていない場合は左のアイコンからダウンロードが可能です。