ConCom 会員ログイン

ConCom 掲示板

こんなときはどうしよう? 今さら聞けないこんなこと これって正しいの?

建設現場で直面する課題、日ごろの作業の疑問、資格試験の相談など。みなさんで盛り上げてください。

掲示板を見る

建設産業図書館の優待利用方法 ConCom会員限定での優待利用です

お役立ちリンク集 日々の作業で使える情報へ一発リンク

ご意見・お問い合わせ ConComへの要望・ご質問はコチラから

コスト管理の達人 現場管理にすぐに役立つ10のポイント

ポイント6
リアルタイムなコスト集計から見える
現場管理

2015/3/30

リアルタイムなコスト集計から見える現場管理

設業界ではコスト集計のサイクルが長く、人・機械・材料・外注費・経費と多くの原価要素があるため、毎日リアルタイムにコストを集計することは事務作業が煩雑となり、これが課題のひとつとなっています。実際に現場管理を夕方まで行い、翌日の作業段取りをした後に写真管理や出来形管理などの書類を作るだけでも時間がかかり、加えて日報入力(記入)の際にコストを集計することに拒否反応を示す監督さんも多いでしょう。

しかし、リアルタイムにコストを集計することは、現場管理において大きな効果があります。本号では、より短いタイムサイクルでコストを集計する「価値」として、どのような点があるのかを紹介します。

4つの効果

効果1:短いタイムサイクルでコストを集計すると、残工事の工程での余裕を予測できる。

近年の労務単価の見直しなどによりコスト環境は改善されていますが、作業効率を見直すことが利益確保の近道であることは変わりません。また、コストを集計しなければ、請負金額や利益を確保した予算合計金額から逆算した時に「どれだけ使えるお金が残っているのか?」がわかりません。

では、残りの使える予算がわかるとどのように現場管理に役立つのでしょうか?

  • ① 実行予算や請負金額から原価(実行金額)を差し引き、残工程で使える余裕金額がわかる。
  • ② ① で計算された余裕金額からある程度固定的なコスト(材料費や外注費等)を差し引いた金額が、今後使える変動コストとして把握できる。
  • ③ 一日あたりの労務・機械費を集計し、②より算出した金額を割り、何日で仕上げる(なければならない)かを予測できる

実行予算を積み上げ方式で計算していない場合でも、コストをなるべく短いタイムサイクルで集計し工程の余裕日数を日々予測できる能力を身につけると、現場管理がずいぶん楽になります。

実行予算の作成には、これまでの経験値や積算スキルが必要なため、作成に時間も掛かり取り組みが難しいという問題点があります。しかし、コストを集計すること自体は、①原価要素の単価を確認する ②本日使用した(仕入れた)数量を確認することだけですので、社内のルールとして決めるだけで行えます。

完工までに使える残金を把握すると、予想以上に効果が出ます。ぜひ、短いタイムサイクルでコスト集計する仕組みを確立してください。

*工種集計表

工種集計表
  • ① 当初数量:実行予算で計上している原価要素の予定数
  • ② 数量:これまで使用した原価要素の実績数
  • ③ 実行単価:原価要素の仕入れ単価
  • ④ 当初金額:①当初数量 × ③実行単価 ― 実行予算で計上している予定コスト
  • ⑤ 実行金額:②数量 × ③実行単価 ― これまでに使った実績コスト
  • ⑥ 残金額:④当初金額 - ⑤実行金額 ― 実行予算と比較して今後使えるコストの残金額

※ 実行予算が作成されていない場合は、⑤の実行金額の合計と請負金額と比較して今後の使用できるコストを参照すればよい。

*総集計表

総集計表
効果2:実行予算との乖離を「見える化」すると、施工計画の不備がわかる。
  • ① 費目別にコストを集計するメリットとして、固定費的・変動費的コストを大まかに把握できる
    材料費や外注費は、損益分岐点を計算する上では変動費として捉えられるが、現場管理の視点から見ると固定費的なコスト要素が強く、削減することは難しい。一方で労務費・経費・車両機械費などは生産性の向上に伴いコストは下がるため、施工を見直しフォローアップすることで、早期の立て直しを図ることができる。
  • ② 工程進捗の進んでいない状況で、当初金額(実行予算の予定)を実行金額が上回った場合、予定コストの計上漏れや施工の問題(生産性が低い)が考えられる。
効果3:支払先ごとのコストがリアルタイムにわかると、部門間の重複入力をなくせる

コストを集計するには、原価要素と数量・単価が必要になります。その原価要素に支払先(仕入先)情報を付加し、コスト集計を支払先ごとにも計算される仕組みを作ることが重要です。通常、経理担当者は請求書が届いた後にしかわからず支払予定が立ちませんが、監督さんのコスト集計により経理担当者も「いつでも」支払予定を確認でき、「請求書の確認不足により余分に支払ってしまう」、「請求書の間違いに気付かなかった」などの問題が発生しなくなります。

日々の集計を確実に行っていると、請求書の査定は他部署で行えるようになります。これによって日報との相違点だけを確認すれば良いことになり、これまでの請求書が届いてから確認するという流れを変え、監督さんの事務作業効率も格段に上がります。

コスト集計の順序を変えることで、締日あるいは締日以降に慌てることなく、また部門間での重複作業が減ることを考えると会社全体では大きな効果が生まれます。是非、見直してください。監督さんの仕事を本社の経理担当者とシェアするのです。

効果4:現場の設計変更への意識が変わる?

現場の設計には変更が付きものです。しかし、設計変更が行われた後に現場で施工するのではなく、施工は常に進行し、同時に変更数量などの把握が必要になってきます。ここで意識すべきことは、今日集計したコストのうち「設計内作業」と「設計外作業」のコストの内訳です。設計変更を確認する際に、これまでにかかったコストがわかって変更工種を考えることと、何の指標もなく発注者から提示された工種や数量を確認することでは、視点も意識も違います。またコストが集計できていると、発注者に対する発言力も高まります。特に設計外の作業を行う際には念入りにコストを集計しておくことをお勧めします。

「監督さんは、コスト集計や把握をしなくても良い」という会社がこれまで多かったというのが、建設業界の実情でもありました。しかしコストを把握しなければ、利益確保の面でも生産性向上の面でもかえって遠回りとなります。現場管理を行なう上でコスト集計は不可欠です。どの部門がコスト集計を行うかは、各社で体制や方法を検討すべきですが、リアルタイムでより正確な金額集計を目指していくことが非常に大事です。このためには、現場からの情報発信が大事であり、監督さんの責任=苦労を少なくすることにもつながるのです。

次号では、コスト集計から一歩進んだコスト管理とはどのようなことか、どんな効果があるか…など紹介します。

掲載記事一覧
原稿協力

PDFファイルをご覧になるには、Adobe® Reader®がインストールされている必要があります。インストールされていない場合は左のアイコンからダウンロードが可能です。