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コスト管理の達人 現場管理にすぐに役立つ10のポイント

ポイント7
集計からコスト管理への
前進がやる気をあげる

2015/4/23

集計からコスト管理への前進がやる気をあげる

設業界でコスト管理と聞くと、一般的にはコスト集計がイメージされます。その場合、前号で説明したように建設業ではコスト集計のサイクルが長いことが課題となり、集計に忙殺され本来の意義を見失い、定着しない企業が多いというのが現状です。そもそも、コスト集計することが=(イコール)コスト管理ではありません。コスト管理をきちんと行い、それが継続できるように「やる気」につなげていく必要があります。本号では、現場管理を左右するコスト管理の捉え方、方法について紹介します。

3つの視点

視点1:コスト集計とコスト管理の違いとは。

コストを集計するとは、日々使った機械や材料などを原価要素別に「単価×数量」により計算し支払いを行なうべき金額を算定することです。この集計のタイムサイクルを少しでも短くすることで現状をリアルタイムで把握し、支払管理(資金繰り管理)に役立てることができます。

一方で、コスト管理とは、単に使ったお金を計算するだけではなく、出来高(売上)も金額ベースに換算し、① 出来高 ② コスト ③ 損益の3つを常に把握し管理することです。

工種集計表
  • ●出来高について
    出来高の把握には、ポイント2、3で説明した実行予算の作成が必要です。実行予算とは、予定コストを積み上げて施工単位数量ごとに実行予算単価を計算するものです。その実行予算単価は実際に施工された数量と掛け合わせ、出来高金額となります。

    (※出来高数量の算出方法は、ポイント2「グループ化の考え方」を参照)

  • ●コストについて
    コストは前回のポイント6で紹介したように、本来毎日使用した原価要素の単価を確認し集計したものです。
    ① 社内で一般的に使用する原価要素の単価を一覧表にまとめておく
    ② 納品書を必ず受け取る
    ③ ソフトウェアや表計算を使用し効率を上げる
    などの工夫によりきちんとコストを集計する仕組みを作ることが重要です。
  • ●損益について
    進捗中工事の利益は、現状の(出来高-コスト)より算出できます。
    コスト管理とはこれら「出来高」「コスト」「損益」を常に把握できる状況を作ることを言います。こうすることで、単にコストを集計するだけに比べて「損益」が「見える化」されるようになります。
    損益とは言い替えれば、「予定コスト」と「実際コスト」の「差」で、予定コストの範囲内で収まっていれば「利益」となり、反対に実際のコストが多くかかれば「赤字」となります。
視点2:損益がわかることの効果とは。

コスト集計とコスト管理の大きな違いは「損益」が「見える化」されることですが、では損益がわかるとどのような効果があるのでしょうか?

  • ① 損益がわかることで実際の作業効率を見直し、改善につなげ、コストダウンを意識することができる。
  • ② 予定より大きくコストが増える場合は、未完了の作業でその増加コストをカバーできるのかどうかを考えるきっかけとなります。損益がわからなければ未来のコストや作業効率を見直すことにはつながりません。
  • ③ 「損益」が工事を施工する監督さんや作業員さんにわかるような仕組みができれば、それが「やる気」につながります。毎日「利益」がでていることがわかれば、利益を少しでも増やすためにはどうしたらいいのかを考えます。逆に「赤字」の場合は、その赤字を解消するためにはどうしたらいいのかを考えます。

何れにしても、「損益」がわからない場合よりもわかったほうが具体的な改善策が立てやすく、漠然と施工するのに比べ、監督さんや作業員のモチベーションのアップにつながります。

視点3:結果ではなく明日の段取りを考える。

「損益」を把握しコスト管理に対応できると、更に利益を出すための段取りを考えることができるようになります。このときにポイントとしては、コスト管理を結果で管理する「後追い」ではなく、明日のコスト管理を行なう「先行管理」と捉えることです。

具体的には、翌日の「予定日報」を書くことで管理できます。

通常は、当日の日報によって「出来高」と「コスト」を計算し「損益」を把握しますが、予定日報では、次の手順により段取りを考えます。

  • ① 翌日予定している作業を洗い出し、その作業の実行予算単価を確認する。
  • ② 夕方の段取りで翌日使用予定の原価要素と数量を計算し、コスト集計を行う。
  • ③ 翌日使うコストを賄い利益を確保するには、翌日予定している作業をどれだけ行えばいいのかを逆算する。
工事予定日報

必ず結果を変えることができるとは限りませんが、明日の段取りを考え工夫することでやりがいが生まれ、仕事が楽しくなることは間違いないのです。

この「コスト管理」の技術は、仕組みを作り毎日の取り組みとして継続することが重要です。

建設業界にいま最も求められている人材育成にも寄与し、利益アップ、ひいては処遇改善につながります。

次号では、コスト管理を実際に取り入れた企業の事例をご紹介します。

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