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建設現場の安全管理とマネジメント 現場で事故を起こさないための現場管理とマネジメントを学ぶ

第9回
建設業の形だけにならない
安全管理について(9)
事故・災害等の対応①

2014/08/28

はじめに

事故・災害等の対応について

回は「熱中症」について述べたが、今回は、建設業者が労働災害を防ぐべく日々一生懸命に取り組んでいる中で、不幸にして労働災害が発生したときの対応について、二回に分けて述べる。

1.日頃から行っておくこと

害が発生すると、あわててしまって適切な対応ができない場合が多々ある。
その為に日頃から、連絡体制、緊急時対応要領、避難等の訓練及び書類の整備等を行っておく必要がある。

1) 連絡体制の整備
連絡体制の整備

連絡先系統図の作成
災害発生時は、火災時や被災者の救出のための連絡先である消防署や、災害の拡大を防ぐべく連絡する電気・ガス等の埋設物等管理企業者等への連絡の他、関係者への連絡等がある。

連絡順序の明確化

連絡の際の役割分担
誰がどこに連絡するか等を明確にしておく。

連絡先系統図や連絡先一覧表(電話番号記載)の携帯
連絡先等を手帳にして関係者に配布する。

埋設物等の各管理者との打合せ
埋設物損傷等の事故発生時の対応等を打ち合わせ、その対応方法等を関係者に周知徹底 する。

2) 災害発生時の対応等の訓練

消防署と相談
訓練内容は消防署とも相談し、その指導および協力をあおぐ。

連絡等の訓練
災害が発生してから連絡順序の確認や連絡が遅くならないようにするためにも、この連絡訓練をぜひ行っておきたい。

避難等の訓練
爆発火災、土石流、土砂崩壊、有毒ガス等の漏洩、酸欠、異常出水、津波対策等、災害の拡大を防ぐため、避難経路、避難場所の選定等も必要となる。
下水道管渠内作業のように、管渠内での避難方向がカギを握るような場合もあるので、しっかりと検討して、関係者に周知徹底を図る。

被災者の救出訓練
・深い立坑内での被災者の救出等、現場の状況により被災者の救出に機械等も使用しなければならない場合もある。現場の特殊性を踏まえた、いざという時の使用機械・機材・備品等を決め、必要なものは緊急資機材として保存しておく。
・救急車での搬送が基本だが、重症者は別として、高速道路内での作業等、現場の環境によっては、現場の車のほうが搬送時間が短縮される場合もある。消防署とも相談しながら現場の対応方法を決めておく。

3) 救急用具の整備

包帯、止血帯、ピンセット、消毒薬、火傷薬、副木、スポーツドリンク、保冷材等。

保管場所の明示と関係者への周知徹底をはかる。

4) 避難用器具の整備

避難用はしご、避難用ロープ、担架、呼吸用保護具、携帯用照明器具等。

保管場所の明示と関係者への周知徹底をはかる。

5) 書類の整備

設計図、安全衛生管理基本計画書、施工計画書、作業手順書、作業計画書、工程表、 作業打合せ書、安全日誌、作業員管理表、新規入場者記録、機械設備等の点検簿、下請契約台帳等を協力会社と共に常に整備しておく。
災害発生時、これ等の書類は警察・労働基準監督署等が確認するので不備だと管理責任を問われることもある。

2. 事故・災害発生時の対応

建設業関係者は、事故・災害を起こさないために多大な努力をしているが、不幸にして事故・災害が発生した場合には、あわてずに適切に対応すること。
(資料1「法令で定められている災害発生時における主な措置」参照)

1) 災害発生の現場での連絡等

災害が発生したら、大声で周囲に緊急事態発生を知らせる。

付近にいる同僚等と協力し、職長、元請職員に緊急事態発生を連絡する。

二次災害や災害の拡大等、周囲の確認を行い、緊急避難等、自らの安全も確保する。

架空線、埋設物等が関係しているときは、職長・元請職員等へ連絡し、各管理者への連絡要請を行う。

一般道に関係する場合は、警察・道路管理者等への連絡を行う。

2) 被災者の救出

被災者救出にあたっての注意事項
災害が発生したらまず被災者の救出を最優先する。しかし、救出しようとしている人も被災し、二次災害が発生してしまうこともある。周囲と自らの安全を確認しながら救出しなければならない。被災者救出の際は、以下のような注意が必要である。
・感電の場合は、電源を切るか、直接被災者に触れずに絶縁物で被災者を充電部から離す。
・ガス漏れ等は配管の栓を止めて換気し、周囲の火気を無くすとともに、動力等を停止し、可燃物を撤去する。ガス管からのガス噴出時は、濡れたウエス等で塞ぐ等、管理企業者と非常時の対処方法を打ち合わせておく。
・酸欠空気は、一呼吸しただけでも瞬間的に被災する。自ら被災者を助けようとせずに救援を要請する。
・火災の場合は、消火活動とともに消防署への連絡を最優先する。

緊急事態の連絡
職長・元請職員・事務所等へ緊急事態の連絡を行う。その際、連絡者の氏名、どこで何が起きたか、被災者の有無、応援の必要性等を連絡する。

機械・機械設備の停止
機械・設備等により被災した被災者の救出に当たっては、直接関係する機械・機械設備等を直ちに停止する。

救急車等の要請
被災者の応急手当及び救急車等要請や搬送時等には以下の点に注意する。
・救急車が来るまで被災者に応急手当てが必要な場合は、119番への連絡時に指示を仰ぐとよい。
・救急車を呼ぶ場合は、現場の出入り口が多くある場合や駅等の場合は、救急車の来る場所等を明確に伝える。
・被災者が鋼材等に挟まれていて救出できない等、被災の状況によってはレスキュー隊を呼ぶ必要がある。また必要の無い場合でも消防署の判断で現場に駆けつけてくれることもある。レスキュー隊の必要の有無も連絡する。

3) 二次災害防止の措置
資料1) 法令で定められている災害発生時における主な措置資料1) 法令で定められている災害発生時における主な措置

災害拡大の防止
被災者救出の際の二次災害の防止を図るとともに、被災者救出後も土砂の崩壊拡大の防止、ガス管損傷による火災の防止、残火薬の除去等、災害拡大の防止措置をおこなう。

立入禁止措置及び避難誘導
状況によって土砂崩壊等、災害のさらなる拡大が予見される場合は、立ち入り禁止措置、避難誘導等を適切に行う。

第三者の誘導
一般道等、第三者が関係する場合は、警察へ通報するとともに誘導員等により、第三者を安全に誘導し、必要に応じて交通規制を行う。警察到着後はその指示に従う。

他作業の中止と応援
災害が発生した場合、現場管理者は、災害発生場所以外の作業も中止し、全員で協力して被災者の救助や二次災害の拡大等の防止のための措置を行う。

4) 関係箇所(施主、社内、警察、労働基準監督署等)への第一報の報告

情報の集約
元請事務所で災害の情報を集約する部署を設けて正確な情報を把握する。

関係個所への連絡
警察、労働基準監督署、消防署、発注者、道路管理者、埋設物等管理者、社内等の連絡先が多々ある。
いざ災害が発生すると混乱してしまう。連絡が遅れないように正確に伝えなければならない。情報集約部署が事前に行った訓練に基づいて冷静に対応しよう。そして、いつどこへ誰が連絡したかを時系列で記録しておく。

第一報
第一報ではまだ明確になっていないことが多々ある。
第一報で不明なことは、想定で話さず、判明していることのみを明確に伝え、「判明していない件につきましては、調査し、第二報として報告します。」と伝えよう。
各連絡先への対応は、できるだけ同一の職員で行うとよい。

5) 被災者救出・二次災害防止措置等終了後の対応

現状保存
災害現場の現状保存を行う。
警察や労働基準監督署が現場検証に来るが、翌日になることもある。原因の追究のためにも現場の現状が保存されていなければならない。立入禁止措置を行うとともに、現場をそのまま残すようにする。

関係作業員・目撃者の確保
災害発生当時の関係作業員や目撃者等を確保する。
その際、動揺している場合もあるので落ち着かせるようにする。

事実の確認
関係作業員、目撃者に話を聞く時間があったら、災害発生時の話を聞き取るが、その際、憶測でものを言わずに、知っている事実をありのまま話すように指導する。
今後、予想される警察、及び労働基準監督署での事情聴取でも同様であることも伝える。

6) 再発防止策の検討と周知徹底

全員の協力で災害防止対策
災害発生現場関係者全員と元請業者関係者、協力会社関係者全員が協力し、再発防止策の検討を行う。

原因の追究
原因の追究には、人(現場作業者、協力会社職長、元請職員それぞれの立場で)、設備、機械、環境等それぞれについて検討する。

対策の絞り込み
原因から対策を考える。対策は、上記それぞれについて、これを守っていれば絶対に災害が起きないと思われる一つか二つに絞る。(対策が多すぎると焦点がぼけてしまい、現場でうまく反映されない。)

安全対策の周知徹底
安全対策が決定したら、関係者への周知徹底を図るが、災害発生作業に直接いた作業員は別として、集合教育として会議室で開催するのでは、「災害事例教育」でも述べたが、作業員は、その会議室を出たとたんに頭の中はリセットされて、現場に出たらいつもと同じ行動しかしない場合が多々ある。
そこで現場で災害を再現して、もう一度、作業員とともに原因と対策を考えよう。
作業員自らが考えた対策は、現場に反映されやすい。

次回は、法令に基づく事故発生時の報告について述べる。報告違反は重大な過失となるため、しっかりと理解していただきたい。

寄稿
協力

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