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現場探訪 優れた工事成績評定の現場、話題の新技術、人材確保に役立つ情報をレポート

表彰工事

優良工事受賞理由は、
出来映えの良さと住民との関係づくり。

2013/01/21

れた工事として国土交通省 関東地方整備局局長表彰を受けた「平成22年の桐生管内法面補修工事」。なぜ、この工事が優良工事として選出されたのか、発注者である渡良瀬川河川事務所の藤井副所長、施工者である田中建設 株式会社の現場代理人 遠藤勝巳さん他にお話しを聞きました。

工事概要
工事名 平成22年桐生管内法面補修工事
工期 平成23年2月15日~平成24年3月21日
発注者 国土交通省関東地方整備局渡良瀬川河川事務所
請負者 田中建設 株式会社
施工場所 群馬県桐生市東町地先外
請負金額(税込) 69,604,500円
現場代理人 遠藤 勝巳

施工前の堤防法面

施工後の堤防法面

新工法にも経験ノウハウを活かし、良質な仕上がりを確保。

渡良瀬川河川事務所 藤井副所長

ず、今回の工事が表彰対象となった理由について、渡良瀬川河川事務所の藤井副所長にお伺いしました。

『この地区は、イノシシによる堤防法面の掘削が度々発生していました。これまでは、その都度、穴の開いた部分に土のうを埋めて修復していましたが、イノシシは、その土のうもまた掘り返されてしまいました。これはもう、何か対策を講じないと、ラチがあかないと。それが工事発注のきっかけでした。とは言え、イノシシ被害による法面補修は初めてのケースでしたので、工法についても検討しました。結果として、NETIS(新技術情報提供システム)にも登録されているソルコマット工法を採用することにしました。

そうした新しい試みの中で、今回の工事が表彰された理由のひとつが、仕上がりの良さです。勾配を持つ法面部分にマットを正しく布設するという作業は、想像よりずっと難しいと思います。重機を使っての作業となりますが、ズレ落ちやすいし、川沿いの風の強い中での作業ですからなおさらです』。


着工前、イノシシに掘削された堤防法面

社内の経験をフル活用して、難しい施工に挑戦。
住民から信頼されていることを実感できた工事。

ブロックマットの設置の難しさを
説明する遠藤さん

は、実際に工事を行った側では、どんな工夫をしたのか、またどんな苦労があったのか。施工を担当した田中建設 株式会社の宮澤隆治さん、田中克宗さん、遠藤勝巳さんにお話しを伺いました。

今回の表彰理由のひとつだった住民との関係作りについて

『まず、工事を行うにあたり、周辺住民の方とのコミュニケーションを大事にしようと思いました。具体的には、工事中毎日行う朝礼の場で、現場に入る作業員全員に、今日の工事の内容と、今後の流れについて理解させました。自分の担当作業以外のことを住民の方に聞かれても、正確に対応できるようにしたいと考えたからです。住民の方にとっては、工事関係者はみんな同じですから、聞いたことに対して「それはわからない」とか「あっちに聞いて」といった対応をしたのでは、工事全体に不信感をもたれてしまいますから。また、できる限り作業工程ごとに終了時期を説明しました。作業期間中は、今までのような河川利用ができなくなるので、いつまで我慢すれば良いのかわかってもらうことは大事です』。

その他に今回の工事の中で、周辺住民との関係づくりが上手く図れた事例はありますか?

『現場に、作業員用の仮設トイレを設置していましたが、その近くでゲートボールをしている方々がいました。トイレを設置していた場所での作業は工期の途中で終了したので、トイレも撤去しようと思いましたが、ゲートボール場にはトイレが見当たらなかったので、工事が全て終了するまで残して使ってもらうことにしました。私たちも定期的に確認していましたが、とても綺麗に使っていただいており良かったと思っています』。

今回の工事で、技術的に苦労された点はありますか?

『この工事は、3.11の震災で工事が全中止となり、再開は出水期が終わった11月からでしたので、工期が長くなったことは想定外でした。しかし、一番の苦労は、やっぱりブロックマットを堤防法面に設置する際の微妙な調整でした。斜面にブロックマットを一帯ずつ設置していくのですが、設置面は正確に「点と点」で合わせる必要があります。重機を使って、わずかなズレも発生しないように調整することがとても大変でした』。

ズレを調整するために、どんな工夫をされたんですか?

ひとつひとつ仮止めしながら
布設されるブロックマット

『アームの長いクレーンでは、ブロックマットの揺れが大きくなってしまうため、ブロックマットとアームの支点がなるべく短くなるような重機を選択しました。実際の作業では、とにかくひとつひとつ丁寧に設置していくことを実践しました。少しずつ、接地させては仮止め、接地させては仮止めを繰り返し、といった作業を行いました。一見、時間がかかるようなイメージですが、ズレた状態で設置してしまえば、結局、やり直し・手戻りの作業が必要になりますし、結果としてこの丁寧なやり方の方が一番で、事実、時間も短縮できたと思います。幸い、社内に同様の工事を経験した者がいて、その時に苦労した点とか、反省点を活かせたことが大きかったと思います』。

施工技術に関するノウハウを社内で共有する仕組みはどのようなものですか?

『月一回のペースで「安全パトロール」を実施しています。これは、自分の担当している現場以外の現場についてチェックし合うというものです。しかし、やはり日ごろの雑談のような会話の中での情報交換が、ノウハウの共有化の大きなポイントだと思います』。

その他、今回の工事で特に注意した点はありますか?

『当たり前ですけど、安全面は特に注意しました。今回の工事は、堤防天端の舗装工事も行いましたが、幅が狭く、ローラー等の重機を転回させることなく往復させなければなりませんでした。そういう状況で、万一、法面から転落することになれば、住居に与える被害は甚大です。ですから、工事の際は、路肩を示すカラーコーンを設置するとともに、専任の作業員を付けて対応しました』。

藤井副所長からは、こんなお話しもありました。

『表彰の大きな理由のひとつは、周辺住民との良好な関係づくりですね。堤防法面補修約940mを含む延長約1,500メートルの工事となると、周辺の住民も多く、今回の対象地域には7つの自治体がありました。その上、人家が堤防に近接している中で、住民のみな様とのトラブルが皆無だったことは、施工前、施工中、施工後に相当きめ細かく周辺住民と良好な関係作りをされた結果、周辺住民のみな様とのトラブルが皆無でした。
今回、維持修繕の工事が表彰対象となったということは、規模の大小にかかわらず出来映え良く施工して、住民との関係づくりもきめ細やかに対応することが、評価の対象になりうるということです。これが工事に携わる多くの人の励みになれば私たちにとっても嬉しいことです』。

労を惜しまず、丁寧な仕事をすることが、いかに大事かということを強く感じました。

取材協力

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