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表彰工事

的確に現場状況を把握し、
工事着手時期の遅れをフォローアップ!
創意工夫により品質向上を図った
岸壁船尾部建設工事

2014/09/01

ケーソンの据え付けケーソンの据え付け

成26年度国土交通省北海道開発局の局長表彰を受けた「平成24年度 函館港北ふ頭地区―6.5m岸壁船尾部建設工事」。その工事について、発注者である北海道開発局函館開発建設部函館港湾事務所・鈴木勝晴副所長、伊藤徹也第1工務課長、家田喜浩第1工務課工務係長、受注者である株式会社高木組の執行役員・土木部長林茂樹さん、当工事の監理技術者である土木部工事長の三好秀明さんにお話を伺いました。

【工事概要】
工事名 平成24年度函館港北ふ頭地区―6.5m岸壁船尾部建設工事
工期 平成25年3月26日~平成25年11月18日
発注者 国土交通省北海道開発局函館開発建設部
受注者 株式会社高木組
施工場所 北海道函館市浅野町
請負金額(税込) 200,602,500円
監理技術者 三好秀明

まず、今回の工事の概要について、北海道開発局函館開発建設部函館港湾事務所・鈴木勝晴副所長、伊藤徹也第1工務課長、家田喜浩第1工務課工務係長にお伺いしました。

本事業は函館港北ふ頭地区において、水深6.5mの岸壁を建設するものです。函館港と青森港を結ぶフェリー航路は、本州方面への生鮮食料供給をはじめ、北海道の産業経済発展に欠かせない大動脈となっています。近年、本航路の需要は増加傾向にあり、船舶大型化と併せ、安全で効率的な荷役作業の確保といったニーズに対応し、海上貨物輸送の効率化を目指したものです。また、東日本大震災などを教訓に大規模地震災害に対応する道南地域初の耐震強化岸壁として、緊急時には支援物資等の荷役を可能とし7千トン級のフェリー及び3千トン級の貨物船の利用を可能としています。

水深6.5m岸壁は、既存の護岸から沖合に延長190m(主部160m、船尾部30m)をL字型に新設するもので、平成25年度末をもって暫定供用しました。平成26年度以降も引き続き拡張工事を進めています。

図!)函館港北ふ頭地区―6.5m岸壁船尾部建設工事平面図

図1)函館港北ふ頭地区―6.5m岸壁船尾部建設工事平面図

本工事は、岸壁の船尾部にあたる重力式(ケーソン及び水中コンクリート)岸壁を既存護岸に接続する形で築造するものです。平成24年度に岸壁堤体下の海上地盤改良工事に着工したばかりでしたが、平成25年度末の暫定供用が既に決定しており、本工事の発注時点では実質的に工期が1年ほどしかありませんでした。本工事の工程の遅れは、後続の岸壁の主部の工事、可動橋の工事、陸上地盤改良工事の工程に影響を及ぼすため、工程管理が非常に重要な工事でした。さらに、本工事に先行した地盤改良工事が海底地盤への石材混入などの不測の現場条件によって工程に遅れを生じ、本工事も現地着手が遅れることとなりました。このような状況にもかかわらず、施工手順や工法等の見直しにより、工期短縮を図り予定工期内に工事を終えました。

岸壁船尾部には、車両がフェリー乗下船の際に必要とする可動橋が設置されるため、岸壁の本体工であるケーソンの据え付けに高い精度が要求されました。この施工にあたっては、据付箇所近傍に事前に別ケーソンを注水仮置きし、これを定規とすることにより、据え付け誤差を最小限にとどめることとする施工管理を行い、出来映え及び品質向上に努めていました。

バックホウ台船による床掘バックホウ台船による床掘

また、岸壁付属設備(車止め)の施工にあたり、海水にさらされることで発錆しやすいアンカーボルトに種々の防錆対策を施す工夫があったことも評価の一因になりました。

一方、既設護岸は建設から40年以上が経過した鋼製の円形セル式構造であり、鋼製部材がかなり腐食・老朽化していました。このため、施設際の床掘作業においては、施工機械による既設セルの損傷に伴う中詰土砂の流出に対して細心の注意を払う必要がありました。また、床掘土砂は地盤改良に伴って一部固結しているような状況も見受けられました。

鈴木勝晴副所長鈴木勝晴副所長

作業現場付近はフェリーや石材運搬船などが頻繁に離接岸するため、これらの利用に影響を与えないよう、狭隘な範囲で作業を行う必要がありました。このような厳しい作業条件のなか、安全かつ確実に施工すべく、小型の作業船等をあえて選定するなど、的確な施工管理により工事を進めていました。

  • 伊藤徹也第1工務課長伊藤徹也第1工務課長
  • 家田喜浩第1工務課工務係長家田喜浩第1工務課工務係長

では、実際の施工者は工程管理や品質管理等について、どのような対応をされたのか、執行役員・土木部長林茂樹さん、監理技術者の土木部工事長の三好秀明さんに話をうかがいました。

  • 林茂樹執行役員林茂樹執行役員
  • 三好秀明工事長三好秀明工事長
工程管理等で工夫をしたことをお聞かせください

本工事は、本体工を9月中旬までに次工事に引き渡さなければならないので、工程管理に非常に苦労しました。特に、先行する地盤改良工事の遅れにより、本体工の工期を35日ほど当初予定より短縮する必要が生じたので、水中コンクリート部分の基礎工を人力均しからモンケン均しで行うように変更したり、ケーソン据付と水中コンクリートの同時施工が可能となるように、同時期に施工していた海上地盤改良工事との工程調整や作業人員配置の工夫を行い水中コンクリート施工を10日ほど短縮しました。また吸い出し防止材及び裏込め材の投入均しの施工をこまめに行い、施工期間の短縮をおこないました。

その他創意工夫されたことをお聞かせください

今回の工事では、主に次の3つの工夫を行いました。

1.基礎工 基礎捨石均し モンケン均し時の工夫

通常のモンケン均し施工では、重錘の位置が起重機船オペレータの感覚に頼るなど不確定要素があるため、仕上がりにむらが生じるなど出来形精度が低下するおそれがありました。また、仕上がり部分の重複施工をしてしまうことで作業効率が低下する恐れがありました。

そこで、自動追尾システム(NETIS登録)を導入することにしました。自動追尾システムを導入した施工により、重錘の位置や施工基面高さが正確に特定でき、連続的に記録されることにより、仕上げの重複施工やむらを防止し、作業効率アップにより工期短縮につながりました。

  • モンケン均し状況モンケン均し状況
  • 自動追尾システム施工 操作状況自動追尾システム施工 操作状況

2.本体工(ケーソン式)据え付け時の工夫

③ケーソン上には可動橋が設置されるため、据付精度が要求されました(図2参照)。このため通常は②①③④と順次据付をするのですが、今回は仮置きと据付の2つのステップを組み込みました。据付手順として①ケーソン、②ケーソンを事前に注水仮置き状態で設置し、この2つのケーソンをガイドにして、最も精度を必要とする③ケーソンの設置を行いました。

具体的には、以下のとおりです。

まず、岸壁法線及び所定の位置に①ケーソン、②ケーソンを仮置きします。

①及び②ケーソンの岸壁法線を据え付けガイドにして③ケーソンを設置しました。

①及び②ケーソンより引き込みワイヤーなどを配置し、③ケーソンの据え付けを行いました。

③ケーソンを据付完了後、①及び②ケーソンの法線など設置位置にずれが生じていないかを確認し、ずれが生じていた場合は、そのケーソンを浮函させ再設置を行うこととし作業を進めました。

その後、①,②,③ケーソンの中詰め投入を行いました。
中詰め投入の際、ケーソンの動向を確認しながら中詰作業を行いました。

  • 図2)ケーソンの設置(俯瞰図)図2)ケーソンの設置(俯瞰図)
  • ケーソンの設置風景ケーソンの設置風景
  • 引き込みワイヤー等の設置風景引き込みワイヤー等の設置風景

3.海上地盤改良 床掘工 掘削時の工夫

既設セル岸壁(鋼矢板)前面部は円形になっているため、通常のクラムシェル掘削では狭い部分の掘削は出来ず、無理に施工を行うと老朽化した矢板を損傷させる恐れがありました。そのため、スパッド式のバックホウ台船を使用し、台船の揺動を抑制して鋼矢板の損傷防止を行いながら、掘削しづらい円形部の施工を行いました。

また、それ以外の箇所はグラブ床掘としましたが、汚濁防止フェンスを広範囲に設置すると、起重機船自積による土砂運搬時にフェンスの一部を開閉しなければならないので効率が悪く、汚濁水が拡散する恐れがありました。そのため、汚濁防止枠を製作使用し作業効率を向上させました。現場付近はフェリー、その他の船舶の往来が多いので、特に土砂運搬の時間調整にも気を遣っています。

  • 床掘状況床掘状況
  • 汚濁防止枠汚濁防止枠
今回の工事が評価された理由について、受注者としてはどのように考えていますか?

本工事は、当初の予定工期内に工事を終了させないと、後発工事の工程に影響し北ふ頭ターミナル整備事業が平成25年度末に暫定供用できないという要の工事でした。先行工事の遅れにもかかわらず、工期短縮のための創意工夫を行い、無事予定工期内に工事を終わらせたことや、本体工(ケーソン)の据え付け誤差を最小限に留めるなど出来映えや品質向上が評価されたのだと思います。

また、日ごろから発注者を含めた関係者と連絡を密にすること、さらに発注者の要求事項を、それが言葉にならないものであっても、それを理解し、行動に移したことだと思います。

最後に、監理技術者として日ごろから心がけていること、
若い監理技術者に対してメッセージをお願いします。

常にエンドユーザーのことを考えて、安心して使えるものを造ることを考えて仕事をしています。また、使いやすくするには、あるいは機能を高めるにはどうすればよいかをいつも考えています。

インフラは生活する上でなくてはならないものです。それを造る建設の仕事はやりがいのあるものです。難しい仕事ほど、やり終えた後の達成感は格別なものがあります。

取材協力

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