ConCom 会員ログイン

ConCom 掲示板

こんなときはどうしよう? 今さら聞けないこんなこと これって正しいの?

建設現場で直面する課題、日ごろの作業の疑問、資格試験の相談など。みなさんで盛り上げてください。

掲示板を見る

建設産業図書館の優待利用方法 ConCom会員限定での優待利用です

お役立ちリンク集 日々の作業で使える情報へ一発リンク

ご意見・お問い合わせ ConComへの要望・ご質問はコチラから

現場探訪 優れた工事成績評定の現場、話題の新技術、人材確保に役立つ情報をレポート

表彰工事

幹線道路の約70km、17箇所(地区)に
点在する補修現場において、
徹底した安全管理で無事故を実現

2015/02/05

成26年度国土交通省九州地方整備局の局長表彰を受けた「名貫橋側道橋外補修工事」。今回は「補修工事」による表彰で、かつ表彰理由についても、特筆した「安全管理」が挙げられるなど、これまでの現場探訪で紹介してきた工事とは違った観点で注目した工事です。今回、この工事について、発注者である九州地方整備局宮崎河川国道事務所・徳田浩一郎副所長、中島洋一道路管理第二課長、受注者である株式会社岡崎組・黒木誠吾建設事業部次長、中迫誠二建設事業部工事主任に工事の概要と安全管理面で工夫された点等を伺いました。

【工事概要】
工事名 名貫橋側道橋外補修工事
工期 平成25年8月28日~平成26年3月28日
発注者 国土交通省九州地方整備局宮崎河川国道事務所
受注者 株式会社岡崎組
施工場所 宮崎維持出張所管内
請負金額(税込) 153,667,500円
現場代理人 中迫誠二
監理技術者 津曲教仁

まず、今回の工事の概要と表彰のポイントについて、九州地方整備局宮崎河川国道事務所・徳田浩一郎副所長、中島洋一道路管理第二課長にお伺いしました。

この工事が局長表彰の対象となった理由はどのような点が挙げられますか?

本工事は、宮崎維持出張所管内の国道10号と国道220号の延長約70kmの中に点在する12橋の橋梁補修(橋面防水工、伸縮継手交換、塗り替え塗装、ひび割れ充填、断面修復、表面含浸、剥落防止等)及び5地区の切削オーバーレイを施工するというものです。

図1)工事施工箇所

図1)工事施工箇所

現場は交通量の多い現道及び民家が密集する地域でしたので、交通規制時の安全管理に最大限の配慮が求められました。

これに対して受注者は、箇所毎に綿密な安全管理計画を作成し、交通規制時(片側交互通行)に一般車両が工事を早めに認知できるよう、予告看板に回転灯を追加、徐行員に蛍光旗を使用するなど、注意喚起に努めました。また、工事現場での急停止を防ぐため、停止看板を遠くから目視できるように、LEDライトで照らす対策も行いました。

写真1) [左]回転灯が追加された予告看板、[右]徐行員の蛍光旗

写真1) [左]回転灯が追加された予告看板、[右]徐行員の蛍光旗

写真2)LEDライトで照らされた停止看板

写真2)LEDライトで照らされた停止看板

本工事は交通量の多い幹線道路での工事であり、しかも70kmに17箇所(地区)の工事箇所が点在している中で、工程管理、安全管理を適切に行い、かつ無事故で工期内に完成したことが表彰の主な理由だと思います。箇所毎の現場条件に合わせ、昼・夜間作業で工程的に厳しい現場状況でしたが、河川・交通等の管理者、下請協力会社との綿密な工程の調整の実施や会社のバックアップ体制、出張所職員との十分な意思疎通が図られ、質の高い工事を完成させたと思っています。

  • 写真3)徳田浩一郎副所長写真3)徳田浩一郎副所長
  • 写真4)中島洋一道路管理第二課長写真4)中島洋一道路管理第二課長
その他、評価された点はありますか?

夜間作業での橋面上の構造物撤去時に発生する騒音及び飛散による二次災害を防ぐため、仮囲いに防音シートを設置し、苦情・公衆災害対策を行いました。これによって、通行車両や地域住民からの苦情もありませんでした。また、橋梁の吊り足場設置時の墜落事故防止対策として、橋梁点検車を使用するなど、安全対策にも積極的に取り組んで頂いたと思います。

  • 写真5)騒音シート内での既設伸縮継手の撤去作業写真5)騒音シート内での既設伸縮継手の撤去作業
  • 写真6)橋梁点検車を用いた仮設足場の設置作業写真6)橋梁点検車を用いた仮設足場の設置作業

写真7)黒木誠吾建設事業部次長

写真7)黒木誠吾建設事業部次長

では、実際の施工者は工程管理や安全管理等について、どのような工夫、注意をされたのか、工事を施工した株式会社岡崎組・黒木誠吾建設事業部次長、現場代理人の中迫誠二建設事業部工事主任にお話を伺いました。

工事箇所が長距離にわたり点在していること、また交通量の多い現道上での作業等、
困難な作業条件下で工夫、注意されたことをお聞かせください。

写真7)黒木誠吾建設事業部次長

資料1)実際に使用した計画工程表

下請協力会社との災害防止協議会での工程・施工内容・安全対策の打合せ、各資機材業者や警備会社との打合せを綿密に徹底したことにより、計画工程どおりに現場の進捗を図ることができました。下請け業者との工程調整は、少なくても毎週1回は行い、また資機材および交通誘導員については工程・安全管理に大きく影響されるため、月間の工程表に人員・資機材の数を翌月分まで明記し、各業者と調整を行いました。これにより、雨天等で日程がずれて交通誘導員が不足した場合でも、複数現場の段取りを調整することで進捗を確保しました。

また、毎月、下請協力会社に集まってもらい、「安全教育訓練」を徹底したことで、完成まで無事故で工事を完了することができました。当初発注は10橋の橋梁補修・橋面と前後取付け部の切削オーバーレイでしたが、工期中にさらに2橋の橋梁補修と現道5地区の切削オーバーレイが協議され追加となりました。これについても、工程を再検討するなど会社を挙げて体制強化を図り、工期内に事故もなく完成させることができました。

写真8)下請協力業者との安全教育訓練の実施

写真8)下請協力業者との安全教育訓練の実施

現場が同時に最大5箇所(昼間:4橋梁、夜間:切削オーバレイ1地区)が稼働していたため、上司に相談し、社内の技術者を調整して増員を図りました。社内パトロールは夜間も実施し、社長または建設部長が行いました。

作業員には、通行車両からの認知、工事車両との接触事故防止のため、全員にLED安全チョッキを着用させました。

  • 写真9)安全パトロール写真9)安全パトロール
  • 写真10)LED安全チョッキ写真10)LED安全チョッキ
地元及び関係機関との調整はいかがでしたか?

資料2)平田地区で配布した案内チラシ

資料2)平田地区で配布した案内チラシ

本現場は、施工箇所が多く、また民家との近接した中で作業時に音を伴う夜間工事箇所も多々あったことから、警察署・役場と何度も交通規制や騒音防止対策等についての協議を行いました。その結果を基に各箇所(地区)に合わせた案内チラシを配布し、特に現場周辺は1軒毎に直接説明を行いました。こうした積み重ねで、工事期間中の苦情もなく、地域の住民の皆さんとも良好な関係を持つことができたんだと思います。

その他、今回の工事で工夫や苦労した点をお伺いします。

写真11)中迫誠二建設事業部工事主任(現場代理人)写真11)中迫誠二建設事業部工事主任(現場代理人)

今回の現場は、工程管理と工事車両の不足については頭を悩ませました。当時は、他に多数の工事が稼働中であったため、10tダンプトラックと路面切削機の不足が顕著で、特にダンプはアスファルト合材を運搬することができない状況でしたが、会社のネットワークを駆使して、路面切削機も含め、何とか手配することができました。こうした会社挙げてのサポートは非常に有り難たかったです。

また、交通誘導員は、事前調整で何とか確保したものの、規制区間内に交差点がある場合には警備会社の職長と十分に調整した綿密な配置計画を作成し、作業前KYで徹底を図りました。

今回の工事が評価された理由について伺います。

今回の現場は、やはり国道10号から220号までの約70km区間の12橋と5地区の工事を無事故で完成させたこと、道路利用者や周辺住民の方々からの苦情等がなかったこと、現場条件の差違や対処方針について監督職員と細かく打合せを行い、発注者・監督職員と一体となって現場を切り盛りして、工事品質を確保したことだと思います。また最大5箇所の現場が同時稼働した際に、即座に会社が担当技術者の増援をするなど、会社全体のサポート体制も一因だとも思っています。

最後に、日ごろ中迫さんが現場監理者として心がけていること、
大切にしていることを教えてください。

やはり『経験に勝るものはない!』ということです。一人で勉強して知識を身につけるのも素晴らしいことですが、長年現場で働いてきた技術者の知識・経験は、まだ若い私達にとって「掛け替えのない宝」だということです。この「知識・経験の師」は、自社だけでなく、下請協力会社や他の元請業者、発注者など、身近に存在しています。その師に感謝の念を持って、謙虚に耳を傾けることが、自分を成長させる一歩だと思っています。

土木の世界は広く、また新しい技術が次々と開発されています。やはり日々、一歩一歩の積み重ねが大事だと思っています。現場では毎日、様々なことが起きて対応を行っていますが、その積み重ねが「知識・経験」になるのだと思います。正に「継続は力なり」だと思います。

取材協力

関連記事

2017/09/28

話題の現場話題のマンホールカードの発行にも参画
「マンホール蓋」製造メーカー 長島鋳物株式会社

今年8月、東京ビックサイトにて開催された「下水道展'17東京」において、注目を集めているブースがありました。色とりどりのマンホールが展示され...

2017/08/30

表彰工事山中湖畔沿い木製デッキのサイクリングロード整備、観光客に対する安全配慮、地元ボート業者との工事調整に万全を期して完成

今回の現場探訪は、平成28年度国土交通省関東地方整備局の局長表彰を受けた「山中湖自転車歩行者道設置その5工事」。この工事を受注されたタカムラ建設株式会社にて...

2017/07/31

話題の現場JECA FAIR 2017製品コンクール
中小企業庁長官賞受賞
充電式特殊LED投光器「X-teraso(エックステラソー)」

夜間工事やトンネル工事、地下工事など建設現場のさまざまなシーンで使用される投光器。これまでは発電機を電源とした水銀灯の...