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表彰工事

構造物は出来が外観に出る。
作業員任せにしないマネジメントが
良いコンクリートを打つ秘訣。

2015/07/30

成26年度国土交通省近畿地方整備局の局長表彰を受けた「丹波綾部道路須知川橋下部その他工事」。この工事を受注された株式会社仁木総合建設の高橋龍さんにお話を伺いました。

【工事概要】
工事名 丹波綾部道路須知川橋下部その他工事
場所打ち杭 37本(全旋回ケーシング圧入工法)
逆T式橋台 1基
柱式橋脚  2基   他
工期 平成24年10月26日 ~ 平成25年12月27日
発注者 国土交通省 近畿地方整備局 福知山河川国道事務所
受注者 株式会社 仁木総合建設
施工場所 京都府船井郡京丹波町須知地先
請負金額(税込) 334,530,000円
監理技術者・現場代理人 高橋 龍
今回の工事は、コンクリートの品質が優れていたことが表彰理由になっています。
コンクリート構造物を施工される際に、普段から心がけていることはありますか。

写真1) 高橋 龍さん

写真1) 高橋 龍さん

常に見栄えのよいコンクリートを打つことを第一に考えています。見栄えのよいコンクリート構造物は品質もよく耐久性にも優れていますから。

それと、常に自分で主導権をもって仕事を進めることと段取りを目で確認できるようにすることをいつも心がけています。

具体的にはどのようにされているのですか。

まず「自分で主導権をもって」ということですが、順を追ってお話しすると、今回は府北部の工事で当社としては実績の少ないエリアでした。このため生コンプラントの業者選定にあたっては、まずプラントの施設状況を見せて頂きました。骨材のストックヤードには屋根があって、夏場でも骨材の温度が高くならないことや地下水を使って練り上げておられることを事前に確認しています。

施工計画を作る際も、打ち継ぎ目対策として「ジョイントエース」という製品を、鉄筋量の少ない橋台パラペット部の拘束ひび割れ対策として「ハイパーネット」を使っています。これらはいずれも入札段階での提案ですが、契約後も「誘発目地」の提案を行っています。いずれも社内で毎月実施している『工事検討委員会』で議論して積極的に提案しました。

打設にあたっても、下請け任せにせず、前日に『打設計画周知会』を開催して打設順序や締め固め方法、役割分担を作業員全員に周知、当日も現地で再確認を行っています。

このように資材の確認、発注図書に関する提案、作業員への指示などを主体的に行うことを心がけています。下請け任せ、発注者の図面通りに作るだけという姿勢ではだめだと思います。

「段取りを目で確認できる」を実現するためにどのようなことをされていますか。

写真2) 打ち込み厚管理のために着色した段取り棒

写真2) 打ち込み厚管理のために着色した段取り棒

これも全社的に行っていることですが、コンクリートの打ち込み厚さをしっかりと管理するため、着色した段取り筋を50cmごとにセットしました。また、バイブレータの先端から60cmのところに目印のテープを貼り付けて、コンクリートの打ち込み層より10cm下まで確実に締め固めをするようにしました。締め固め位置の確認も作業員が具体的にわかるように当社の職員が指示しています。作業員が「目でわかる」作業環境にすることが大事だと思います。

誘発目地を設けるということも提案されたということですが、
どういうお考えでされたのですか。

橋台を構築するに際して、先に打設したフーチングと縦壁の間で拘束クラックが発生することが懸念されたので、「誘発目地(スパンシール誘発目地材)」を提案しました。これは防水処理も同時にできる製品です。

拘束クラックは施工の上手下手に関係なくコンクリートの物性に起因して発生するもので、避けることのできないクラックであり、なおかつ構造物の耐久性に決定的な影響を与えます。構造物の形状などにもよりますが、設計段階から「誘発目地」を取り入れていただけると、いいものを段取り良く造ることができると思います。コンクリート構造物の品質を向上させるためには設計者、発注者、受注者それぞれが気をつけることが重要だと思います。

その他にどのような工夫をされましたか。

写真3) 養生マットと梱包用の気泡シートの二層構造による養生

写真3) 養生マットと梱包用の気泡シートの二層構造による養生

今回の工事は現道切り替えのスケジュールが決まっていたため、コンクリートを夏期に打設せざるを得ませんでした。このため打設を早朝から開始して出来る限り午前中の涼しい時間に終わるようにしました。

また、乾燥が急に進まないよう塗布型収縮低減剤を塗布したうえで躯体をビニールシートで覆ったり、天端部の養生では梱包用の気泡シートを敷いてからその上に養生マットを敷くこともしました。

お話の中にいろいろな新製品が出てきます。
それらの技術情報はどのように入手されているのですか。

主に「NETIS情報」や社内の情報共有活動で入手しています。工事が始まる前に社員全員で工事内容に関して検討会を開きます。また着手後も毎月開催している『工事検討委員会』で新技術の情報交換をします。こういう中で新技術や施工経験を共有し、社内で水平展開するわけです。

今回の橋脚の中に梁の張り出しの大きい橋脚が1基あって、PC緊張を必要としました。PC緊張は会社としては2回目で、最初の事例は現社長が責任者として施工したものです。シース内にグラウトをしっかり充填させることが大事だから、という社長のアドバイスで湿気硬化型プレグラウトPC鋼材を採用することになりました。そうするとプレグラウトの製品にはどんなものがあるかということを「NETIS」で調べることになりますね。

NETIS(新技術情報提供システム)
最後に、現場を預かる技術者として日頃から心がけていることをお聞かせください。

現場には多くの関係者が出入りします。特に現道内での道路工事は地元住民も含めて関係者が多いです。元請けの土木技術者としては関係者間の橋渡しをするマネジメント能力が重要だと思います。

また、工事担当としては、設計図書をしっかり分析すること、そして現場状況を踏まえて必要と思うことを写真等で発注者にしっかりと提案、説明して理解してもらうプレゼン力も重要です。その結果は必ず成績評定に反映されると思います。

⽂責:森田悦三

コンコム事務局より

コンコムでは、社会インフラの維持更新時代を迎えるにあたりコンクリートの品質確保が特に重要な課題であると考え、セミナーを企画し、また関連する取り組みを紹介する記事を配信しています。

今回の仁木総合建設の高橋さんのお話も、より多くの読者の参考になることを期待するものです。また、コンクリートの品質を向上させるためには、受注者側の努力だけに期待するのではなく、発注者や学会も巻き込んで総合的に取り組むことが重要であると考えます。ひきつづきコンコムの活動にご期待ください。

取材協力

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