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表彰工事

施設使用者の業務に配慮しながら、
厳格な工程管理が要求される工事。

2013/07/19

写真①/佐賀第2合同庁舎外観写真①/佐賀第2合同庁舎外観

成23年度の国土交通省 九州地方整備局の局長表彰を受けた「佐賀第2合同庁舎(23)建築改修その他工事」について、発注者である九州地方整備局の営繕部 保全指導・監督室 石橋清治室長、当工事の監理技術者である唐津土建工業 株式会社の小野美都成さんに伺いました。

【工事概要】
工事名 佐賀第2合同庁舎(23)建築改修その他工事
工期 平成23年7月16日~平成24年2月29日
発注者 国土交通省九州地方整備局
請負者 唐津土建工業 株式会社
施工場所 佐賀市駅前中央3丁目3番20号
請負金額(税込) 80,220,000円
監理技術者 小野美都成

制約の多い工事を、綿密な工程計画と管理で完遂。

図1)佐賀第2合同庁舎改修(使用調整)前および改修(使用調整)後の配置図1)佐賀第2合同庁舎改修(使用調整)前および
改修(使用調整)後の配置

ず、今回の工事の概要について、九州地方整備局 営繕部の石橋清治室長にお伺いしました。

『佐賀市内には、佐賀合同庁舎と佐賀第2合同庁舎がありますが、佐賀合同庁舎については、入居官署の移転などにより、空きスペースが発生している状況でした。一方、佐賀第2合同庁舎は、事務スペースが狭くて困っている官署、民間ビルを借用し借り受け料を支払っている官署がありました。また、法務局は2つの合同庁舎に分散して入居している状況でした。このような現状を踏まえ、使用調整つまり官署の移転・再配置を行うことで、狭溢・借受・分散の課題を解消し、より効率的な使用を図るための工事でした』。

『具体的には、図1のように、分散解消のため佐賀合同庁舎に移転した法務局分室の空きスペースを活用し、狭溢・借受の解消を図るため、新たに入居する2官署を含む5官署の移転・再配置に伴う模様替えを行いました』。

この工事が局長表彰の対象となった理由はどのような点が挙げられますか?

写真②/石橋清治室長写真②/石橋清治室長

『まず一番は、施設を使用しながらの工事でしたので、作業時の騒音・粉じん対策、来客者や入居職員の安全対策が特に重要でした。また、工区を3工区に分け、各入居官署が予定している引っ越し時期に合わせて、順次部分完成させていく必要がありましたので、非常に厳格な工程管理が求められる工事でした』。

『そのような条件の中で、施工者は、作業時の騒音や粉じんを低減するための提案を積極的に行い、実際の施工に反映させました。また、階段や廊下などで来客者・入居官署職員と作業員の動線が交錯する箇所については、資材の搬入時間を調整し動線が交錯しないようにするなど、的確な安全対策を行い、無事故、無災害で工事を完成させました。さらに、作業範囲や作業時間についても各入居官署と積極的に事前調整を行いながら、官署の業務に支障とならないよう、綿密な工程計画、作業計画を作成するなど、工程管理の面でも手本となる工事だったと思います』。

常に提案型の報告を心がけ、
スムーズな工事の進行と関係官署の信頼を獲得。

音・粉じん、入居官署との作業導線や工程調整など、制約の多い工事で、実際の施工者は、どんな現場監理を行ったのか、当工事の監理技術者、唐津土建工業株式会社の小野美都成さんにお話しを伺いました。

  • 写真③/改修前:A官署が入居していた室写真③/改修前:A官署が入居していた室
  • 写真④/改修後:B官署が入居写真④/改修後:B官署が入居
利用者がいる中で、いろいろと制約の多い工事だったようですが、具体的にどのような工夫や管理をされたのですか?

図2)小野さんが実際に使用した工事週報図2)小野さんが実際に使用した工事週報

『この工事を請負うにあたって、技術資料で工区が3工区に分かれていることがわかっていましたので、まず具体的なスケジュールを作成する必要があるなと思いました。そのためにまず、各官署の担当者ひとりひとりと、資材の種類から搬入のタイミング、作業時間、音・振動の出る時間といった施工の細かい点まで説明しながら、官署ごとのスケジュールを計画しました。当然、作業を進めていく上で、細かな変更が必要となるケースもありますので、毎週金曜日の16:00ごろ、工程表を持って関係官署を周り、再確認するようにしました。また、対象となる官署でなくても、上階での工事による振動や音の影響はありますので、時間外の勤務や休日出勤の予定なども随時確認し、業務に支障をきたさないよう配慮しました』。

振動や音といった作業上の影響について、何か特別に配慮した点はありますか?

写真⑤/小野美都成さん写真⑤/小野美都成さん

『佐賀第2庁舎には、「佐賀地方気象台」が入居なさっています。ここに地震計が設置してあり、この地震計に影響を与える振動が発生すると、誤報を引き起こしてしまう可能性がありますから、特に振動には留意しました。地震計の周辺での作業を行わないことはもちろんですが、クレーンを入れる際にも、本来なら経費や効率を考えて25tのクレーンを使用する予定でしたが、能力より影響を優先し、10~12tのクレーンを使用しました。これによって工期が伸びることのないよう、人員を増やすことで対応しました。人件費は増えますが、万一のリスクに備えて、安全を優先しました』。

その他、今回の工事でご苦労された点はありましたか?

『苦労というわけではないのですが、天井に「スライディングウォール」を設置する際に、天井内床スラブにアンカー打ちをしなければならないのですが、埋設管の位置がよくわからなかったんです。万一、埋設管に傷をつけてしまっては一大事ですから、これには頭を悩ませました。いろいろ考えた結果、以前、X線で天井や壁の中を検査する機械について聞いたことがあったので、これを使ってみたらどうかと思い、発注者に提案したところ、了解が得られたので、「X線透過検査機」を使って埋設管の位置を撮影確認し、それに合わせて設計変更することで対応しました。

また、今回の工事は官署の移転スケジュールが決まっており、工期については非常にシビアでしたので、少しでも工期のロスを減らすことを心がけました。例えば、天井内床スラブにクラックを発見した時には、すぐに写真を撮って発注者に見てもらうと同時に、修繕にはどんな工法があるのか、費用はどれぐらいかかるのか、工期はどうなるかといった提案も一緒にもっていくことで、判断していただく時間を減らせたと思います』。

写真⑥/X線透過検査機による埋設電線の確認写真⑥/X線透過検査機による埋設電線の確認

最後に、今回の工事が評価された理由について、受注者としてはどのように考えていますか?

『第一は、施設を利用しながらの工事でしたので、関係官署に大きなストレスを与えなかったことだと思います。工期やスケジュールの確認など、各担当者にキチンと理解していただくことで、官署の職員の皆さまにも理解と協力を得られたのではないでしょうか。あとは、発注者への早い報告と相談ですね。何か想定外のことが発生したらまず事象を報告、その後に対応策をより具体的にイメージできるように提示するように心がけました。どんな工事でも発注者側の担当者は、常に現場にいるわけではありませんので、現場で何が起こっているのかをいち早く知らせることが大事だと思います』。

取材協力

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