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表彰工事

地域の特殊性を考慮した品質管理と工夫。
関連工事との緊密な調整で工程管理も万全。

2013/10/30

成24年度の内閣府 沖縄総合事務局の部長表彰を受けた「新石垣航空基地電気設備工事」。その工事について、発注者である沖縄総合事務局開発建設部営繕監督保全室の瀬谷福之室長と同開発建設部営繕課の知花司計画係長、当工事の監理技術者である三協電気工事株式会社の金城成志さん、現場代理人の粟國貴和さんにお話しを伺いました。

  • 写真①/新石垣航空基地完成写真写真①/新石垣航空基地完成写真
  • 写真②/格納庫写真②/格納庫
 【工事概要】
工事名 新石垣航空基地電気設備工事
工期 平成23年12月23日~平成24年12月28日
発注者 沖縄総合事務局開発建設部
受注者 三協電気工事 株式会社
施工場所 沖縄県石垣市(新石垣空港内)
監理技術者 金城成志

時代に適応した施設設備を導入し、
海難救助等に24時間体制にて対応

瀬谷室長瀬谷室長

ず、今回の工事について、沖縄総合事務局開発建設部営繕監督保全室の瀬谷福之室長と同開発建設部営繕課の知花司計画係長にお伺いしました。

本工事は、第十一管区海上保安本部石垣航空基地を旧石垣空港から新石垣空港(愛称:南ぬ島石垣空港)への新築移転(RC造 庁舎3階、格納庫1階、延べ面積3,400㎡)に伴う電気設備工事です。この基地では、南西諸島周辺海域等の警備・海難救助や離島住民の救急患者搬送等の多様な業務に即応できるよう24時間体制で航空機の運用および整備を行っています。

知花計画係長知花計画係長

本工事の特徴としては、徹底した「省エネルギー化」と「有事の際の業務継続への対応」が挙げられます。前者の「省エネルギー化」として、屋上に40kWの太陽光発電設備を設置し施設内で消費し余剰分は電気供給事業者へ売電しております。さらに各事務室には高効率照明器具(Hf型)を、廊下・トイレ部分にはLED照明器具を採用し、センサーによる照度調整や自動点滅等も出来るような整備を行っています。また、後者の「有事対応」としては、非常用発電機により万一電力供給がストップしても業務に支障が出ないよう168時間(7日間)以上の運転が可能となるようにしました。

  • 写真③/庁舎屋上の太陽光発電パネル写真③/庁舎屋上の太陽光発電パネル
  • 写真④/格納庫屋上の太陽光発電パネル写真④/格納庫屋上の太陽光発電パネル
この工事が部長表彰の対象となった理由はどのような点が挙げられますか?

設備工事は、建築工事と比べて特に機能性が重要視されますので、施設を使用する人にとっては例えば、照明でも点灯して当たり前、動いて当たり前という感覚が一般的です。また、今回は施設の特性上、特に信頼性も重要なポイントでした。そこで問題無く使用できるよう品質を確保するにあたり施工段階における機能試験を徹底かつ重点的に行っており、その結果に関する報告書の内容についても優れたものとなっていました。

沖縄という地域の特殊性を考慮した強風対策、防錆対策を自ら提案し施工するなど、品質管理に力を入れて取り組んでいる姿勢も評価されたと思います。

施工管理においては、日々の現場からの電話による状況報告は当然ですが、発注者、受注者(建築・機械設備・土木等計5社)、石垣航空基地職員等の関係者を集めた定例会議を毎週火曜日に行っていました。この会議を含め三協電気工事さんは、工程管理の打合せや工事を進めるにあたっての課題を洗い出すなど、地元企業として業者間の調整的な役割も果たしていたと聞いており、気苦労も多かったと思います。

また昨年は、石垣島に影響を及ぼす台風が5回襲ってきました。工程調整には大変な苦労があったようですが、関係機関、関連業者との日々の連絡を密にした工程管理を行うことで工期内に工事が完成できたことについても評価の一因になっていると思います。

工事全体の流れ、台風の影響も見据えた
先手管理と創意工夫で工事を完遂

は、実際の施工者は、どのような創意工夫で工事を施工していったのか、当工事の監理技術者、三協電気工事株式会社の金城成志さんと現場代理人の粟國貴和さんにお話しを伺いました。

  • 三協電気工事・金城成志さん三協電気工事・金城成志さん
  • 同・粟國貴和さん同・粟國貴和さん
石垣島という沿岸地区の厳しい環境において、その地域の特殊性を考慮し、施工上で創意工夫した点をお聞かせ下さい。

写真⑤/押え金具によるパネル補強写真⑤/押え金具によるパネル補強

まず、外構工事である引込管路の地中埋設配管(延長100m)ですが、一般的には竣工間際に施工することが多いのですが、この工事では他業者工事の作業と重なる可能性があることや台風の影響による工程の遅延を想定して、建築工事を着手する時期に先行して施工するよう提案し採用してもらいました。

建築工事の全面足場作業時に、照明器具の露出配管作業が出来ると後々の作業が楽になるので、事前に図面を書いて配管の寸法切りや部分加工を準備しておき、建築工事と併行作業をしました。これも工期短縮に効果があったと思います。

強風対策として、屋上にある太陽光発電パネルを設計上は耐風速46[m/s]となっているところを、空港という場所で『万一パネルが飛んだ場合に大惨事になる。』との社内意見もあり、想定外の事態を考慮し、風速60m以上でも耐えられるよう、押え金具を別途取付けて補強しました。

また、空調動力盤の扉開放対策としてワイヤーを巻いて固定し、機器の取付けに対しては、ナット類を全てダブルナットで施工し補強しました。

格納庫は設計上、防錆対策は必要ありませんでしたが、社内で意見交換をしている際に、『扉を開放している時は雨風が入るのでは?』との意見が出され、配管の支持材にはステンレス製を採用しました。

  • 写真⑥/ワイヤーでの扉開放対策写真⑥/ワイヤーでの扉開放対策
  • 写真⑦/格納庫内の写真写真⑦/格納庫内の写真
他業者や関係機関との連絡調整で苦労されたことはありますか?

本工事は、土木、建築、機械、管、電気の5業者で施工していましたが、他業者さんが外構工事を行う時は、我々が先行して施工していた地中埋設配管の布設場所を、前もってメールで送り、さらに現場において写真で位置を明確に指示するなどの注意を払いました。

また、現場内部で使用する総合図の作成や総合試運転の調整計画は、電気業者がメインとなることから、当社中心で進めて来ましたので苦労も多かったです。

関係機関との調整としては、同様な施設である那覇航空基地を事前に視察し、設計の打合せを行うとともに、毎週の定例会議において注意事項や要望事項等に対し細かく調整してきましたが、工事内容を変更する際には、地元(石垣)協力の業者さんの理解を得るのに苦労しました。

最後に、今回の工事が評価された理由について、受注者としてはどのように考えていますか?

発注者の担当者とは、毎日のように夜遅くまで提案や調整事項についてキャッチボールを行いました。また、本社とも連絡を密にしており、問題や課題に直面しても本社が迅速にバックアップしてくれたことも非常に心強かったです。こうしたことすべてがお互いの信頼関係を築き上げ、工事の評価につながったのではないでしょうか。

最後に金城さんから、「一日一日を大切に、毎日の積み重ねが大事ですネ!」と重みのある一言を頂きました。

取材協力

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