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表彰工事

突然の湧水発生に迅速かつ的確に対応。
隣接する同種工事の模範となった工事。

2013/12/20

写真①/奥ノ院砂防堰堤完成写真写真①/大和橋下部第4工事完成写真
(一番手前)

成24年度の国土交通省 四国地方整備局の局長表彰を受けた「平成22-23年度 大和橋下部第4工事」。その工事について、発注者である四国地方整備局 大洲河川国道事務所の野本粋浩副所長、受注者である株式会社ブリッジカンパニーの森本琢巳管理課長、当工事の監理技術者である城戸守さんに話を伺いました。

【工事概要】
工事名 平成22-23年度 大和橋下部第4工事
工期 平成22年10月5日~平成24年8月10日
発注者 国土交通省 四国地方整備局 大洲河川国道事務所
受注者 株式会社 ブリッジカンパニー
施工場所 愛媛県大洲市長浜町下須戒地先
監理技術者 城戸 守

発注者への積極的な提案や環境に配慮した対応が好印象に。

ず、今回の工事の概要について、四国地方整備局 大洲河川国道事務所の野本粋浩副所長にお伺いしました。

愛媛県西部を流れる肱川の下流部左岸上老松地区では、築堤に代わって、宅地嵩上げによって浸水災害を防ぐ「土地利用一体型水防災事業」を、国・県・大洲市との連携により平成19年度から進めています。

当該工事は、前述した「土地利用一体型水防災事業」に伴い、肱川を渡る県道長浜保内線の旧大和橋を架け替え、新大和橋(延長203m、幅員9m)を新設する為の橋脚4基(P1~P4)を施工するうちの1基(P3)です。

  • 野本副所長野本副所長
  • 図1)大和橋 全体一般図(平面図)図1)大和橋 全体一般図(平面図)

この工事が局長表彰の対象となった理由にはどのような点が挙げられますか?

橋脚4基は、それぞれ別企業が受注し施工管理しています。工程的には、仮橋・仮桟橋工の設置から始まり、鋼管矢板基礎工の鋼管矢板打込み、底盤の掘削へと、工事は順調に進んでいくかに思えましたが、底盤の掘削中に3基(P1~P3)から突然の湧水が発生し、各企業とも止水対策が喫緊の課題となりました。

肱川は、梅雨の時期から台風の時期(6月~10月)にかけて出水期間となるため、仮橋・仮桟橋工を撤去しなければならず、出水期間前に工事を完成させる必要があり、工期的に大変厳しかったです。

このうち、工事が先行していたP2橋脚は、真空ポンプで揚水する「スーパーウェルポイント工法」を採用し止水対策を行いました。

ブリッジカンパニーさんは、如何にして短期間で止水対策が出来るか、最初の湧水発生から迅速かつ積極的に情報収集を行い対応策を検討されていました。

ブリッジカンパニーさんからいち早く提案されたのが、薬剤注入による地盤改良工法で、この工法によれば施工が短期間ですみ施工単価も安価であるとのことでした。

当初、この提案に対して、P2橋脚でとった工法と全く違うので、湧水が本当に止められるか不安もありましたが、説得力のある資料と前向きな取組み姿勢から信頼性があると判断しました。結果は良好で、止水対策に大きな効果を発揮したのです。

P1橋脚の参考になるとともに、工期内に工事が完成したことは、評価に繋がっています。

また、この河川は青海苔が採れる場所なので、地元企業としてそのことを熟知しており、汚濁防止フェンスを一重から三重にすることを提案したことも評価の一因になりました。

厳しい条件を克服し、工程管理に反映

は、実際の施工者は、突然の湧水発生に対し、具体的にどのような対応策を検討・提案したのか、株式会社ブリッジカンパニーの森本琢巳管理課長と当工事の監理技術者である城戸守さんに話を伺いました。

  • 森本管理課長森本管理課長
  • 城戸守さん城戸守さん

先行していたP2橋梁の止水対策である「スーパーウェルポイント工法」では、使用材料の鋼管杭が工場製作となり、製作から施工完了までの工期に余裕がなく、しかも施工単価は高価であるため採用は無理、という判断をしました。

当社では、最初の湧水発生を見て他の工法での地盤改良の可能性について、地盤改良工事の施工業者と打合せを繰り返し行ってきました。

そして、「薬液注入工法(二重管ダブルパッカー工法)」の可能性を詰め、念のためコンサルタントからも施工上問題はないとの見解を貰いました。この工法を採用することで材料調達等の時間が必要なく、施工における工程管理の工夫で工期短縮を図って工期内完成が可能となり、費用も「スーパーウェルポイント工法」の三分の一に抑えられることが解りました。

  • 写真②/P3橋脚の薬液注入状況写真②/P3橋脚の薬液注入状況
  • 図2)薬液注入工法を採用した設計書図2)薬液注入工法を採用した設計書

その提案が採用されるまでの苦労等、何かありましたか?

さっそく設計施工調整会議で提案させて貰いましたが、発注者さんはこの提案に対して、当初は慎重な評価だったと思います。しかし、この工法に自信を持っていましたので、その確信と積極的な提案に対する姿勢が認められ採用されたと思います。

実は、「薬液注入工法」としての自信はありましたが、隣接する同種工事にも影響するため、他社に迷惑を掛けられないとの思いもあり、施工計画通りに施工しなければいけないという重圧も相当感じました。結果的には全く問題なく止水対策ができ安心しました。

この河川では青海苔が採れるそうですね?

写真③/汚濁防水フェンス状況写真③/汚濁防水フェンス状況

この現場河川一帯は、自然の青海苔が採れる場所で、昔から海苔採取の有用な漁場です。工事中に発生する濁水は青海苔の品質を悪くするため、青海苔組合からもくれぐれも注意するように言われていました。そのため、設計上は一重の汚濁防止フェンスを三重に覆うことを提案し、濁水が流出しないよう注意を払うなど、地元企業として青海苔とその周辺環境についてはとても気を遣いました。

今回の工事が評価された理由について、受注者としてはどのように考えていますか?

出水期間が迫っていたので工期的に厳しい条件にありましたが、湧水への対応策を積極的に提案し、工期内に完成できたことが高く評価されたのだと思います。

また、毎週金曜日には、現場関係者と発注者も加わり工程の打合せを行っていましたが、それ以外でも問題等があれば、その都度発注者とはコミュニケーションを図っていたので、お互いの信頼関係を築き上げ工事の評価にもつながったのではないでしょうか。

最後に、監理技術者として日ごろ心がけていること、今回の工事を通じて学んだことがあれば教えてください。

発注者・地元の方々とは、小さな事でも何か気になる事があれば、やり取りをするよう心がけています。また、今回の工事で、初めて「薬液注入工法」に取組みましたが、今までにやったことのない工法を経験させてもらい勉強になりました。この工法はもともと関係会社等に相談した時に、こんな工法もあるよ、と教えてもらったのがきっかけです。日頃からの情報収集に努めていたことが工事に活かされたと思います。

取材協力

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