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表彰工事

高い使命感をもって
工程・品質・安全管理に努め、
信楽地域の砂防事業の最後を
飾るに相応しい工事を完遂

2014/04/24

成24年度の国土交通省 近畿地方整備局の局長表彰を受けた「西出堰堤工事」。その工事について、発注者である近畿地方整備局 琵琶湖河川事務所の河田安弘副所長、受注者である株式会社金子工務店の代表取締役社長で監理技術者である金子貴一さん、現場代理人の仁志出徹さんに話しを伺いました。

  • 写真①/ 施工前写真①/ 施工前
  • 写真②/ 西出堰堤完成写真写真②/ 西出堰堤完成写真
【工事概要】
工事名 西出堰堤工事
工期 平成24年3月2日~平成25年3月25日
発注者 国土交通省 近畿地方整備局 琵琶湖河川事務所
受注者 株式会社 金子工務店
施工場所 甲賀市信楽町宮町地先
請負金額(税込) 115,227,000円
監理技術者 金子 貴一

細かいところまで気を配りながら、
主体的に取組んでいたことが高評価に

ず、今回の工事の概要について、近畿地方整備局 琵琶湖河川事務所の河田安弘副所長にお伺いしました。

琵琶湖から流れる瀬田川の流域では、江戸時代からの伐採で山が丸裸になり山地の土砂流出が甚大で、明治11年から国の直轄工事として136年間にわたる歴史的な砂防事業が続けられてきました。

今回の現場である瀬田川流域の信楽町宮町地先も、氾濫区域に10戸の人家を抱える土石流危険渓流箇所であり、その対策として、本堰堤(1基)、前庭保護工、渓流保全工、排水工等の施設整備を行っていくものです。この工事をもって国交省としての瀬田川水系直轄砂防事業のうち、信楽地域での砂防事業は完了します。

  • 河田副所長河田副所長
  • 写真③/ 堰堤下流集落状況写真③/ 堰堤下流集落状況
この工事が局長表彰の対象となった理由にはどのような点が挙げられますか?

写真④/ 創意工夫一覧表写真④/ 創意工夫一覧表

本工事については、施工中の設計変更に伴う迅速な工程組み替え、コンクリート打設における品質確保、安全対策・健康管理の取組み、地元住民への貢献等、様々な面で創意工夫を図り、細かいところまで気を配りながら主体的に取組み、公共工事のイメージアップにも繋がったことが高評価となっています。

そして、本砂防工事は、信楽地域での最後の工事に相応しい出来であったと思います。

コンクリートの品質向上に様々な工夫

は、実際の施工者は、工程管理や品質管理について、どのような対応をされたのか、当工事の監理技術者であり代表取締役社長である金子貴一さん、現場代理人の仁志出徹さんに話しを伺いました。

  • 金子代表取締役社長金子代表取締役社長
  • 仁志出徹さん仁志出徹さん

当初設計では、軟岩という土質区分だったのですが、本堰堤の掘削途中で300m3ほどの堅岩(中硬岩)が出現したため、通常工法(大型ブレーカ)での掘削が困難となり、発注者と協議を行い、静的破砕剤を併用し掘削を行いました。本堰堤の掘削の遅れによる工期の遅延が懸念されたため、渓流保全工、前提保護工を並行して施工するなどの工程の組み替えを行い、工期内に工事を完成することが出来ました。現場では作業が錯綜することとなりましたが、各作業に必要な作業ヤードの確保に重点をおき、適切な工程管理を行うことで対応しました。

また、コンクリートの品質確保が最重要と考え、コンクリート堰堤の打設リフト計画において、温度応力解析を実施した結果、当初のリフト計画では、最小ひび割れ指数1.0を満足していましたが、品質向上を図るため最小ひび割れ指数を1.45に設定し、打設リフト高及び保温・湿潤養生期間の変更を行いました。その解析結果に準じて、施工を行ったことで、ひび割れのないコンクリート堰堤を施工することが出来ました。

安全対策・健康管理にも積極的に取組んでいたと伺いましたが?

工事中の大雨、集中降雨による災害を防止するため、独自に上流側斜面に簡易斜面変位監視システムを設置し、変位があった場合に周辺住民への注意喚起が図れるようにしました。また、現場の雨量をリアルタイム(インターネット)に把握できるよう雨量警報監視システムを設置し、就業時間外や休工時でも迅速な対応を図れるようにしました。

本堰堤の掘削法面は、長期間裸地の状態となり、構造物施工中に法面崩壊や落石が起こる危険性があるため、法面浸食防止剤の散布とシートによる保護、岩盤部には防護ネットを施しました。これも独自の取組みです。

夏季には、熱中症の発生が懸念されたため、現場内に仮設テントを設け冷却剤や塩飴の常備、クーラー・扇風機の設置を行い、クールダウンを図ることで、作業員の健康管理に努めました。

これらの取組みを、県内の3事務所合同安全衛生講習会において、工事施工に伴う「安全対策の取組みについて」として事例発表を行っており、他の会社さんの模範になるつもりで頑張りました。

  • 写真⑤/ 安全対策の取組みについて(抜粋)
  • 写真⑤/ 安全対策の取組みについて(抜粋)

写真⑤/ 安全対策の取組みについて(抜粋)

地域への貢献等にも積極的に取組んだと伺いましたが?

地元住民に現場の進捗及び施工状況を把握して貰うため、月1回の広報紙の配布や工事用出入口に週間予定表を掲示しました。また、工事中の騒音対策として、下流側民家の敷地内に防音シートを設置しましたが、週1回は民家にお邪魔し騒音に対する挨拶に廻っていました。さらに、地域のイベント(宮町を歩こう会)に参加させてもらったり、地域とのコミュニケーションを図るため現場見学会を開催しました。

他に既設水路の浚渫、側溝清掃、工事用道路の定期的な除草等、丁寧な地元対応と地元貢献を積極的に実施しました。結果、地元住民の方々との良好な関係が生まれ、宮前自治会から地域への貢献に対して感謝状まで頂きました。

  • 写真⑥/ 感謝状の贈呈写真⑥/ 感謝状の贈呈
  • 写真⑦/ 感謝状写真⑦/ 感謝状
今回の工事が評価された理由について、受注者としてはどのように考えていますか?

本工事に対しては、信楽地域の最後の工事に相応しいものにしたい、と言う使命感はありました。その思いを実現するため、施工や工程に関する対応、安全対策、地元住民との対応に積極的に取組むとともに、出来映えも良かったことが高く評価されたのだと思います。また、地元住民との係わりを大切にできたことで、お互いの信頼関係が築き上げられ、公共工事のイメージアップに繋がったことも、発注者の高評価に繋がったのではないでしょうか。

最後に、監理技術者として日ごろ心がけていること、また、今回は局長表彰と併せて、
優良技術者としても表彰されていますが、工事を終えて率直な感想を一言お願いします。

発注者側に満足できる物を提供することを第一前提としており、そのために何をしなければいけないかをテーマに置いて取組んでいます。 現場は自分一人だけでやれるものではなく、技術的な面を指導する立場として、会社のスタッフ、協力企業等とのチームワークは欠かせないもので、ご協力頂いたみなさんに感謝致します。今後もチームワークを大切に、一つの目標を如何に達成していくかを日々テーマにして取組んでいきたいと思います。

取材協力

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