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現場探訪 優れた工事成績評定の現場、話題の新技術、人材確保に役立つ情報をレポート

話題の現場

JECA FAIR 2017製品コンクール
中小企業庁長官賞受賞
充電式特殊LED投光器
「X-teraso(エックステラソー)」

2017/07/31

間工事やトンネル工事、地下工事など建設現場のさまざまなシーンで使用される投光器。これまでは発電機を電源とした水銀灯の投光器が主流でしたが、環境面・コスト面の問題を解消するため、バッテリー型やLEDの投光器も開発され、現場に投入されてきています。

今回の現場探訪は、JECA FAIR 2017 製品コンクールで中小企業庁長官賞受賞の充電式特殊LED投光器「X-teraso(エックステラソー)」を開発されたMIRAI-LABO株式会社に訪問しました。本製品はNETISにも登録されています(登録No:CB-150013-A)。

製品の特長と開発のきっかけや製品化までの苦労などを社長の平塚 利男さん、営業本部長の平塚 雷太さんにお伺いしました。

製品の特長について教えてください。

「X-teraso」の一番の特長は、LEDライトを使用している点です。ご存知の通りLEDは省エネルギーというメリットがありますが、まぶしいのに光が飛ばないというデメリットもあります。当社は自社特許技術であるMiLEDテクノロジー(後述)を活用し、消費電力を抑えながら照度を高めることに成功しました。例えば、18Wの省電力ながら15m先の照度は30Lx以上の照度が出せます。これは800W水銀灯の1.5倍の明るさに相当し、安全な夜間施工が可能な明るさです。また、MiLEDテクノロジーによってLEDランプの発熱を最小限に抑えられるため、施工時の安全性も高まります。

【既存製品との明るさ比較】
製品 X-teraso バルーン型投光器 テラスター型投光器
光源 LED LED メタルハライド
消費電力 18W 300W 800W
光束(lm) 2,800 38,000 66,000
照度(lx) 30/15m 1/15m 20/15m

さらに、本体部は4本のアームから構成されており、自由自在に動かすことが可能です。照らしたい場所にだけ照射すれば、近隣住民や通行車両へ迷惑を掛けることもありません。

写真1)X-teraso本体

写真1)X-teraso本体

写真1)X-teraso本体

写真1)X-teraso本体

2つめの大きな特長はリチウムイオンバッテリーを動力源にしている点です。これまでの投光器は、ガソリン等を用いた発電機を主な動力源としていました。発電機には、排ガスや臭いといった環境面での問題や、給油が必要という安全面での問題がありましたが、本製品のバッテリーは充電式となっているため、それらを解決しており、作業環境の大幅な改善が可能です。また、発電機の課題である騒音・振動もないため、工事の際の近隣住民への配慮も軽減されます。

一回の充電で最大18時間(最大照度で8時間)使用可能ですが、バッテリーが着脱可能なので、予備バッテリーがあれば継続的に使用することができます。さらに、一回の充電にかかる費用は最大で約6円。発電機のガソリン代に比べると1/150と省コストとなっています。

写真2)X-terasoの軽さ写真2)X-terasoの軽さ

「X-teraso」のバッテリーは本体着脱式となっており、重量は本体・バッテリーを含めても約5kgと軽量です。従来の発電機式投光器の総重量は、100kgを超えるものが多く、現場へ持ち込みの際にはユニック付きトラック等が必要となります。それに対し小型軽量の「X-teraso」は誰でも簡単に持ち運びができ、使用場所を選ばず設置・撤去の時間も短縮できます。

更に、このバッテリーにも特殊技術が用いられており、保管前に満充電すれば1年間保管しても80%の容量を維持します。災害時など必要な時に充電不足で使えないといった心配はありません。

その他に工夫されている点はありますか?

さまざまな用途に対応できるように、付属セットとしてSP自立型スタンド・電柱取付金物・背負子を用意しています。

(1)SP自立型スタンド

自立型スタンドはカメラ三脚の大型版で、誰でも簡単に設置可能です。三脚の長さだけでなく、それぞれの脚の角度も3段階で調節できるので、法面や掘削面でも設置場所を選びません。

(2)電柱取付金物

配電工事の際に電柱等に取り付けて使用します。上部からの光で作業が可能になり、施工の安全性・確実性が向上します。約5kgという軽量化により高所への取り付けを可能としました。

(3)背負子

本製品は背中に背負いながら使用することも可能です。雪害・豪雨災害等でのケーブル切断箇所の探索や緊急故障修理等でお役に立ちます。

写真3)X-teraso付属セット (左から SP自立型スタンド/電柱取付金物/背負子)

写真3)X-teraso付属セット (左から SP自立型スタンド/電柱取付金物/背負子)

写真3)X-teraso付属セット (左から SP自立型スタンド/電柱取付金物/背負子)

写真3)X-teraso付属セット(左から SP自立型スタンド/電柱取付金物/背負子)

また、「X-teraso」は本体・バッテリーともに防塵・防水性能を備えています。雨天時にも使用可能であり、ショートして使用不能となったり、使用者が感電するといった心配もありません。

導入事例

(1)配電線工事現場

(1)配電線工事現場
(1)配電線工事現場

(2)道路舗装工事現場

(2)道路舗装工事現場
(2)道路舗装工事現場
(2)道路舗装工事現場
元々LED照明を取り扱っていたのですか?
写真4)平塚 利男社長写真4)平塚 利男社長

当社は12年前の起業時から「技術でCO2を削減すること」を目的としています。

起業当初、事業の一つとしてビオトープを造成し蛍を自生させる活動を行っていました。全国で130カ所ほど造成し好評だったのですが、ある時期から夜間に蛍の鑑賞で人が集まると安全性に問題があるため、ビオトープ周辺に街路灯を設置してほしいという依頼がくるようになりました。山中に街路灯を設置すると蛍が街路灯に集まり、死滅してしまいます。そこで虫が寄りにくいLED照明に着目しました。

しかし、当時のLEDはまだまだ明るさが足りず、信号機やデジタルサイネージなどに使用されている程度でした。また、大手照明メーカーの情報として、照明器具としての実用化は2020年くらいであろうと言われており、照明メーカー各社はレンズ制御技術での開発に特化し、いち早い事業化を競っていました。

そこで当社は、全く異なった視点で、ろうそく一本の暗い光で読み書きをしていたと言われる日本古来のろうそく文化に着目し、研究を行う事としました。調べていくと色々な事が解ってきました。ろうそくの光が生活の中で実用的に使えていたのは、建物に使われていた漆喰壁による拡散効果があったからでした。その拡散効果は小さなろうそくの光を部屋の隅々まで飛ばし明るく生活できていました。また、時代劇でよくみられる十手持ちが夜道を走り回れたのは、提灯に仕組まれた銅製の反射板で光を遠くまで飛ばしていた事を発見しました。

現在当社が保有するLED照明に関する特許技術の多くは、この漆喰壁の拡散効果と提灯の反射板の投光効果を組み合わせた、ろうそく照明をLEDに置き換える発想から生まれたものです。このリフレクター(反射板)は、LED照明の用途技術の中でも省エネに最も優れたMiLEDテクノロジー※として現在の製品開発に役立っています。

※MiLEDテクノロジー

LED単体では光の進行方向を制御することが難しく、制御外の光が存在するが、独自設計のパラボラカーブのリフレクターにより、制御できなかった光や色のバラつきを集合体として制御し、効率的にムラのない光を届ける技術。
(世界27か国にて特許取得済み)

その後、MiLEDテクノロジーを中心にして官公庁や民間企業の委託業務でさまざまなLED照明や付随する発電システムを開発し、技術を蓄積していきました。

投光器を製作しようとしたきっかっけは?
写真5)平塚 雷太本部長写真5)平塚 雷太本部長

電力会社の関連企業から、夜間の配電線工事において使用する投光器の開発依頼があったことからです。それまでの開発技術を基にしましたが、開発には4年間かかり、4世代目での納品となりました。

初代は本体とバッテリーで15kgでした。より軽量化してほしい、バッテリーを着脱式にしたい、作業時に手元に影ができないようにできないだろうか、路面まで明るく照らしたい、といった要望を一つ一つ解決していきました。

そうして完成した「X-teraso」は、騒音・振動・光害・排気ガス、安全性、雨天時利用の問題等を全てクリアした製品となり、依頼企業の全営業所に標準装備として納品させていただきました。

「X-teraso」という名称は、覚えてもらいやすい名前にしたいと考えて、本体を広げた際の形「X」と日本語の「照らそう」を組み合わせて付けました。人々の暮らしを照らそうという思いを込めた造語です。

さまざまなメリットがありますが、地面に設置して使用する場合、軽いということが安全面で不安要素になるのでは?

完成後、使用していただく中でそういった声もありました。そこで、SP自立型スタンドと収納バッグに接続金具を取り付け、本体を取り出した後の収納バッグに工具等を重り代わりに入れて連結することで、安定させるように工夫をしています。

現場で使用する中でさまざまな要望が出てきますが、当社としてはその声に可能な限り応えたいと考えています。山奥や被災地など充電のできない状況でも使用可能なようにソーラーパネルを開発したり、バッテリーから別の電源をとりたいという要望には、X-terasoのバッテリーから電源を取れるインバーターを開発するなど、オプションを充実させています。

今後の展開は?

中小ベンチャー企業の悩みとして、製品情報を多くの方に提供することが難しく、まだまだ普及できておりません。現在、販売店戦略でBtoBでの販売を中心としていますが、その数を増やしている最中です。JECA FAIR 2017の製品コンクール受賞後、問い合わせ対応が輻輳しており、販売体制の確立が必須と考えております。

また、「X-teraso」は発電機を不要とした製品ですが、発電機自体はさまざまなシーンで必要なものです。そこで今年、リフィルバッテリー式発電機「G-CROSS」の販売を開始しました。この製品も現場での声を吸い上げて、バッテリーを入れ替えることでより安全に、より便利に使用できるように開発しました。現在、建設業の方以外からも製品開発の依頼がありますが、開発体制もまだまだ整備途中です。これからも現場の声をよく聞き、現場で必要なものを提供できるように努力をしていきたいと思います。

取材中、暗室にて製品の使用状況を拝見させていただきました。軽い・明るい・静か・安全といった特長はもちろんですが、作業時に手元に影を作らない光をリフレクターの調節によって実現していることには驚きました。実際に作業をする方の声に応える製品「X-teraso」。土木工事での導入はまだまだこれからのようですが、いつの日か取材現場にてお目にかかる日を楽しみにしています。

(文責 前田 健二)
取材協力・資料提供

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