ConCom 会員ログイン

ConCom 掲示板

こんなときはどうしよう? 今さら聞けないこんなこと これって正しいの?

建設現場で直面する課題、日ごろの作業の疑問、資格試験の相談など。みなさんで盛り上げてください。

掲示板を見る

建設産業図書館の優待利用方法 ConCom会員限定での優待利用です

お役立ちリンク集 日々の作業で使える情報へ一発リンク

ご意見・お問い合わせ ConComへの要望・ご質問はコチラから

現場探訪 優れた工事成績評定の現場、話題の新技術、人材確保に役立つ情報をレポート

話題の現場 

新潟から北陸、そして全国へ
アイデアを新技術へと転換したネプラス工法

2013/11/20

月のトピックスでも紹介しましたが、新潟県では、県内の建設企業の技術力向上と経営健全化の促進を目的に「Made in 新潟 新技術活用制度」を展開しています。今回は、この制度に登録されている技術の中で、特に県内外での高い評価・需要が期待できる技術として『プラチナ技術』に認定されている「側溝上部改修工法(ネプラス工法)」を開発した、新潟県胎内市の高橋土建 株式会社を取材しました。開発のきっかけ、製品化までの苦労、これからの展望など、同社の代表取締役 高橋三樹男氏、専務取締役(ネプラス事業部) 高橋和義氏に伺いました。

側溝上部改修工法(ネプラス工法)について

概要 側溝の破損に対して、側溝全部を取り換える従来のやり方を一新し、破損した側溝上部のみを切断し改修する工法
特長 傷んでいない下部分をそのまま活用することで、建設廃材を約80%削減
周りの地盤を掘削しないため、残土が発生しない
接近している構造物(塀等)に影響を与えない
工期が短い(10m程度の施工であれば1日で完了)※従来工法の場合4~5日
製品バリエーションが豊富
仮排水路を作る必要がないため、経費が削減される
登録 特許/特許番号 特許第3890055号、他6件
NETIS(国土交通省 新技術情報提供システム)/登録番号 HR-060021-V
平成24年度 活用促進技術
Made in 新潟 新技術活用制度/登録番号 18D1002(平成23年度プラチナ技術)
表彰 第12回国土技術開発賞「地域貢献技術賞」
  • 【側溝上部改修工法(ネプラス工法)の施工手順】【側溝上部改修工法(ネプラス工法)の施工手順】

  • 写真1)施工前写真1)施工前
  • 写真2)施工後写真2)施工後
参考URL
新技術として非常に高い評価を受けていますが、どのようなきっかけで、開発を進められたのでしょうか?

高橋三樹男 代表取締役高橋三樹男 代表取締役

「10年以上前に、ある自治体の職員の方から『交通規制を伴う側溝の修繕工事は、1週間近く時間がかかるため、住民から苦情が出る。何とか1日で終わらせるようなやり方はないものか』といった話を聞き、事務所に帰ってミーティングで話をしたところ、工事部長が『以前、グレーチングをかける作業を1日で終わらせたことがあったから、その時のやり方を応用すればできるかもしれない』と発言したことが、この技術を開発するきっかけでした。

実際に製品化されるまでどれぐらいかかりましたか?

写真3)側溝上部を正確かつ安全に切り取るサイドカッティングマシン写真3)側溝上部を正確かつ安全に切り取るサイドカッティングマシン

「製品と呼べるようになるまでに4~5年はかかりましたね。『傷んだ上部だけを補修する』という原理原則は簡単なものですが、実際に私たちのような地方のしかも小さな建設会社が、技術として確立するのは、ノウハウも経験もないことでしたので、スムーズにはいきませんでした。ただ、昔から何か新しいことを考えたり、『もっと楽にやる方法はないか』とか工夫することは好きでしたから、なかなか結果が伴わなくても苦にはなりませんでした。事務所の駐車場に仮の側溝を作って、施工の実験を何度も繰り返したり、手探り状態での開発でしたので、一足飛びに結果は出ませんでしたが、前向きに取り組みました」。

「最も苦労したのが工法の要となる『サイドカッティングマシン』の開発でした。手作業による切断は危険を伴うだけでなく、正確性やスピード面でも非常にロスが大きかったのですが、このマシンの開発により、安全かつスピーディに切断することが可能になりました。メーカーさんにとっても新しい仕様のマシンですので、『ゼロベース』で開発に協力していただけたことはとても感謝しています」。

「振り返っても平成17年の試験施工までは本当に紆余曲折の開発でしたね」。

平成17年の試験施工依頼、新潟県内、隣県へと広まっていったと思いますが、現在の施工実績を教えてください。

「『ネプラス工法』には、大別して一般的な道路側溝に用いられる『縦断タイプ』と道路横断箇所の乗り入れ口に適した『横断タイプ』があります。平成25年の3月現在での工事実績は発注件数で以下の通りです」。

【ネプラス工法施工実績】(平成25年3月末現在)
発注者 発注件数  
縦断タイプ 横断タイプ
国土交通省 20 28 48
166 189 355
市町村 165 207 372
民間 17 31 48
368 455 823

「件数にして823件、延長距離は約25kmになります。現在、発注件数の約8割が北陸地方整備局と新潟県・市町村の発注が中心ですが、東北や関東、中部地方からの発注も少しずつですが増えてきています」。

発注件数を増やすために、どのようなことをされていますか?

高橋和義 専務取締役高橋和義 専務取締役

「まずは『ネプラス工法』を知ってもらうことが第一と考えていますので、新潟県内はもちろん、近畿や中部で行われる『建設技術展やフェア』にも積極的に参加しています。幸い、『Made in 新潟』のプラチナ技術に登録され、県から『技術展』などの出展経費等を補助していただけるので助かっています」。

「その他、この工法のメリットを広めることを目的に、平成18年6月には『ネプラス工法研究会』を設立し、普及活動を行っています」。

ネプラス工法研究会
建設会社の技術者が、この工法を受注工事で使いたい場合はどうしたら良いのでしょうか?

「まずは『ネプラス工法研究会』に問い合わせてください。資料請求もネットでできますので。施工場所や施工箇所の特徴によって、研究会の会員企業をご紹介することができます。また、もしご自身の会社が『ネプラス工法』による施工を行いたい場合には、施工指導を行い自ら施工していただくことも可能です。『ネプラス工法』は新しい技術ではありますが、難しい技術ではありません。是非、たくさんの方々に使って頂き全国に広めていきたいという事を前提で研究会を運営していますので、お気軽に相談頂きたいと思います。

着実に実績を伸ばしているように思われますが、課題や今後の展望はありますか?

写真4)倉庫を改造して作った工場写真4)倉庫を改造して作った工場

「課題は、製品コストをもっと下げることと、施工条件に合わせたさまざまなタイプを開発していくことです。特に前者は今後、全国へと広まっていくことで、生産量が増え、コストダウンにつながっていくことを期待しています。そのためにも広報活動に今以上に力をいれなければなりませんね。と同時に、現在、事務所の倉庫を改造して作った工場では、1日の生産量を増やすことに対応できません。また、機械化できない部分もありますので、人材の育成確保も重要だと考えています」。その他、製品製造拠点を各地に置くことと、ネプラス工法を施工して頂くパートナー企業の開発についても今後の課題として挙げられます。

「新潟県内からようやく少しずつではありますが、他の地域でも活用されるようになってきましたが、1日も早く全国展開を、そしていつかは海外でも活用されるようになることが夢ですね」。

新潟県胎内市。地方の、わずか30名足らずの会社から生まれた新技術。アイデアと地道な努力の結晶ともいえる『ネプラス工法』が、いつの日か世界の標準技術になることを期待しましょう。

取材協力

関連記事

2017/05/30

表彰工事急峻な巨石混じりの法面開削を情報化施工で安全に実施、大口径の場所打ち杭と精度重視の橋台施工

今回の現場探訪は、平成27年度国土交通省北陸地方整備局の局長表彰を受けた「妙高大橋架替下部工事」。この工事を受注された田中産業株式会社にて...

2017/03/31

建設ツール建設工事の「すぐれもの」山口県コンクリート施工記録データベースの活用

建設工事の品質確保と生産性の両立。建設技術者の皆さんは日々、その両立に苦労されていると思います。そこで、CONCOM「現場探訪~建設ツール~」では、...

2017/02/27

表彰工事地盤改良等の大幅な設計・工期変更も、発注者との連携で対応。情報化施工(GNSS)も積極的に採用し、工程・出来形管理も万全。地域住民待望の堤防が完成。

今回の現場探訪は、平成27年度国土交通省近畿地方整備局の局長表彰を受けた「大川地区上流築堤工事」。この工事を受注された株式会社平和建設にて、当工事の監理技術者であり...