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話題の現場 

都市公園の新しいカタチ~立体都市公園
『横浜市 アメリカ山公園』

2014/01/29

図1)アメリカ山公園エリア図図1)アメリカ山公園エリア図

月更新の「特別レポート/都市公園整備事業の現状について」でご紹介した「立体都市公園」の事例として、みなとみらい線元町・中華街駅上部に整備された「アメリカ山公園」について、施工を担当した株式会社 田澤園の代表取締役社長・田澤重幸氏、常務取締役・酒井和夫氏、維持管理・運営を担当している西武造園 株式会社の管理運営部長・河野勝氏にお話しを伺いました。公園工事の概要、立体都市公園が制定化されて初の実施事例となる「アメリカ山公園」の施工・管理・運営の特徴について、インタビューを交えて紹介します。

アメリカ山公園の概要

1. アメリカ山公園の施工について

メリカ山公園は、首都圏を代表する観光地「港ヨコハマ」の中心部に整備されるため、公園従来の地域利用プラス観光客を意識した整備が重要とされます。また、都市公園は空間制約が厳しく、さまざまな工程が錯綜する中での工事となるため、一般の造園工事とは違った苦労・工夫が要求されます。今回、実際に施工を担当した株式会社 田澤園の田澤重幸氏、酒井氏に、施工当時の苦労と工夫を聞きました。

今回の工事で、大変だった点を教えてください。

株式会社 田澤園・酒井和夫常務株式会社 田澤園・酒井和夫常務

「当工事では、特に大変だった点は三つあります。一つめは、工期の問題です。8月のオープンが決まっている中、4月に着工、7月末完成の予定だったのですが、設備関係の工事が遅れ、造園工事に着手できたのは5月になってからでした。もともと短い工期でしたが、さらに開始が遅れたことで、梅雨時期の雨の中でも工事を休めない程、切り詰めた工程を組まざるを得ませんでした。造園工事単体なら良いのですが、建設工事の一部となると、工事の内容上、造園工事は建設工事の最後の工程に組み込まれます。ですから、途中の工事の遅れは、どうしても造園工事にしわ寄せがきてしまいます。この工事では、車両の進入路が山手側ひとつしかないこともあり、数か所で同時に作業を行うことができず、元町・中華街駅側から順次作業を行うしかなかったことも、工程が苦しくなった要因のひとつでした」。

写真1)下部をカットして埋め直した排水溝写真1)下部をカットして埋め直した排水溝

「二つめは、この敷地の高低差への対応です。既設の排水溝をそのまま活かしてメインストリートとなる歩道を作ると、歩道の傾斜が5%を超えてしまうことがわかりました。そのため、一旦、排水溝を撤去し、下部を20cmほどカットし、再度埋め直しまして傾斜を調整しました」。

写真2)元町商店街の歩道と同じ石板を使用した石張り舗装写真2)元町商店街の歩道と同じ石板を使用した石張り舗装

「三つめは、都市公園ならではの植栽への対応です。訪れる人の目を楽しませるという観点から、敷地内には、多種多様の草花を植える計画でしたので、通常の公園での作業に比べ、何倍もの人力をかけて何とかオープンに間に合ったという感じです。オープン後も、芝生の状況確認も含め、三週間ぐらいは毎日水をやりに行きました」。

「私たちとしても、立体都市公園制度による造園工事は初めてでしたので、施設の上での負荷重量を気にしながらの作業や、元町商店街の歩道と同じ石板を使用した石張り舗装といった、部材にこだわった施工など、大変ではありましたが良い経験だったと思います」。

2. アメリカ山公園の維持管理について

国初の立体都市公園として2012年4月に全面オープンした「アメリカ山公園」。従来の緑豊かな空間とさまざまな施設が一体化した新しいカタチの都市公園として、一般的な公園の維持管理だけでなく、施設の運営も含めた管理が必要とされます。オープン後の維持管理・運営を担当している西武造園 株式会社の河野氏に、アメリカ山公園の維持管理の特徴と都市公園の運営についてお聞きしました。

まず、公園の維持・管理業務の特徴についてお話しを聞かせてください。

写真3)バラのアーチ写真3)バラのアーチ

「公園の維持管理の一番の特徴は、『植物管理』ではないでしょうか。剪定・刈込・防虫害防除といった基本的な管理から、芝生やバラなどの草花の管理まで、非常に多岐にわたる植物管理が求められます。また当然ですが、利用者の安全管理のための事故防止策も、非常に重要な管理項目のひとつです。道路や河川といった土木工事の維持管理と違い、毎日の管理が必要という点は、造園工事特有のものだといえます」。

この公園では、維持管理と併せて施設の運営まで行っているということですが、
それは特別なことなのでしょうか?

「元来、公共施設の運営は公共団体等が行うことになっていましたが、平成15年9月の地方自治法の一部改正によって公共施設の運営管理を民間事業者が行うことが可能になりました」。

【地方自治法改正の一部抜粋】
改正前 普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効率的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、その管理を普通地方公共団体が出資している法人で政令で定めるものは又は公共団体若しくは公共的団体に委託することができる。
改正後 普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効率的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であって当該普通地方公共団体が指定するものに、当該公の施設の管理を行わせることができる。

「現在当社では、指定管理者として全国で51か所の公園を管理していますが、公園を最適に維持管理するだけでなく、施設全体の運営に携わるわけですから責任は重いです。同時に、やるべきことの範囲も格段に拡がりますから、当社では9年前から、専門の部署を立ち上げて対応しています」。

都市公園の管理運営で特に注意している点はありますか?

写真4)結婚式場(便益施設)写真4)結婚式場(便益施設)

「都市公園に限ったことではありませんが、事故防止には特に注力しています。倒木はもちろんですが、枯れた枝が落ちてケガをしたといったことがないよう、日々、確認することが必要となります。また、地元の方だけでなく、たくさんの観光客も来園されますので、清掃も重要です。アメリカ山公園では、常駐者を置いて、これらのチェックを行っています」。

「立体都市公園のアメリカ山公園には、便益施設、体験学習施設、集会施設として『結婚式場・写真館・保育所・学童保育(親子広場)・貸会議室』の施設が併設されています。これらのテナントの管理も、私たちの業務になります。また、公園をイルミネーションで彩るイベントを実施したり、みなとみらいの花火大会当日には、ビアガーデンを開催するなど、指定管理者として都市公園ならではの魅力を高める取り組みも行っています」。

  • 写真5)イルミネーションでライトアップされた芝生広場写真5)イルミネーションでライトアップされた芝生広場
  • 写真6)みなとみらい花火大会でのビアガーデン写真6)みなとみらい花火大会でのビアガーデン

「空き地の少ない都市部では今後、立体都市公園制度によって、アメリカ山公園のような立体利用がさらに進むものと思います。自然地形の中に造るのではなく、人工的な構造物、法的制約の中で公園整備を行うことになりますから、造り方も管理の仕方も、これまでより一歩進んだ発想が求められるのではないでしょうか」。

NHK『趣味の園芸』に「ガーデンズエンジェル」として出演し、現在、アメリカ山公園の管理を担当している永江晴子さんに、公園管理へのこだわりをお聞きしました。
参考URL
取材協力

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