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和歌山県が取組む市町村への技術支援

2013/09/20

理技術者の不足、若年層の建設離れ、現場監理者の技術力の低下・・・。

現在の建設業界の現状を表すキーワードのように、新聞紙上で見かけるフレーズです。実際、東日本大震災以降、多くの建設現場では、技術者不足は深刻な問題となり、公共工事においても、こうした『マンパワー不足』に起因する入札不調も少なくありません。

しかし、このような問題は、民間の建設会社に限ったことではないようです。公共工事の発注者である行政側でも、同様の『マンパワー不足』に頭を悩ませているのが現状です。

こうした現状の中、和歌山県では、市町村を支援する新しい試みを展開しています。コンコムでは、「県が取組む市町村への技術支援」について、和歌山県の取組を紹介するとともに、支援を行うことになった経緯と和歌山県の市町村の現状について、支援を担当する和歌山県庁 県土整備部 県土整備政策局 検査・技術支援課の吉田泰士副課長、松山功総括検査員にお話しを伺いました。

和歌山県の3つの取組

1.市町村技術職員の技術力向上を支援

研修会の様子研修会の様子

市町村職員の技術研修を、和歌山県建設技術協会と共同で実施。

【研修例】

  • 道路の計画および設計に関する基本知識の習得
  • 法面崩壊防止および保護工等の安全対策工事における基本知識の習得
  • トンネルの計画設計、施工時の知識の習得
  • 品質確保へ向けたヒューマンエラーの防止に関する具体的な知識の習得

といった研修を主に採用後10年以内の職員を対象に開催している。

2.土木構造物の点検業務を受託支援

受託支援のしくみ 受託支援のしくみ

市町村からの要請に応じ、トンネル等の点検を県が受託して実施。併せて、市町村職員の点検技術研修も行う。

【受託内容】

  • 積算、設計書作成、発注・契約、監理、受託業者との協議、変更・精算、検査
3.わかやま技術支援人材バンクの運営

人材バンクのしくみ 人材バンクのしくみ

退職技術者情報を登録する人材バンクを設置し、大規模災害時の復旧作業や平常時の市町村の専門的な行政ニーズに対して人材支援を行う。「人材バンク」に退職技術者情報を登録し、市町村からの紹介申請に基づき県が市町村に登録者を紹介し、マッチングを行う。登録技術者は、市町村と個別に雇用契約を結ぶ。

【登録資格】

  • 行政機関の技術職退職者や建設企業の技術系退職者
  • 行政機関の用地補償業務経験退職者

【支援内容】

  • 災害復旧事業や平常時の土木事業などにおける現地調査や技術指導、設計・積算、工事現場監理、工事検査など

上記3つの支援業務について、導入にいたった経緯と実施の状況について、検査・技術支援課 吉田副課長、松山総括検査員にお話しを伺いました。

検査・技術支援課は、どのような経緯で設置されたのでしょうか?

検査・技術支援課 吉田副課長検査・技術支援課 吉田副課長

『もともとは、県の技術調査課の内室で工事検査などを担当する「検査指導室」でした。平成23年の台風12号災害時には、技術職員が不足し県は関西広域連合などから応援を頂き、市町も県内の紀北地域の市から応援を頂きました。これらの経験を踏まえ、災害時の迅速な対応を行い、また平常時でも市町村を支援出来るようなOBを活用したしくみを検討することになりました。また、道路構造物の総点検等に対して、国土交通省の2012年度補正予算が計上され、全国の市町村に「道路ストックの総点検の実施」が促されたこともあり、これらにも対応することとしました』。

『以上の2点及び検査の効率化を図るため、県土整備部の検査指導室と農林水産部の工事検査室を統合することとなり、「検査・技術支援課」が設置されることになりました』。

今回の試みは、市町村からの要請によるものでしょうか?

『先ほどもお話ししたとおり、和歌山県は、平成23年、台風12号による豪雨で、河川の氾濫や土砂崩れ等の甚大な被害を受けました。その災害時と復旧業務に、和歌山県と市町村はたくさんの応援をいただきました。このような経験から、技術職のOBの方々を活用できないかと考えたのが始まりです』。

支援を発表された後、市町村の反響はいかがですか?

検査・技術支援課 松山総括検査員検査・技術支援課 松山総括検査員

『当初は、和歌山県内の約三分の一の市町村が委託の意向がありましたが、最終的には、「みなべ町」と「北山村」の二町村からの委託になりました。みなべ町ではトンネル点検、トンネル設備点検、路面点検を、北山村ではトンネル設備点検、路面点検、法面・擁壁点検を代行します。これについてはすでに入札が終わり、それぞれの落札業者が決定し、現在年内の業務完了の予定で、担当者は検査業務と並行し点検業務を進めています』。

受託した二町村の点検業務に関しては、業務監理も県の指針で行うのでしょうか?

『受託業者(点検業者)との打ち合わせや検査時には、必要に応じて町村の職員も立ち会ってもらいますが、業務管理は基本的に県の基準に基づいて行います。これによって、監理レベルも県と同様のレベルでの標準化が図れると考えていますし、町村の今後の監理業務にもプラスになると期待しています。入札契約手続きも県の制度に基づいて行うことになります』。

人材バンクの登録、紹介申請の状況はいかがですか?

『平成25年の7月16日から登録募集を開始しました。登録開始に先駆けて、県から約500名の技術職OBの方々にダイレクトメールを送りました。9月10日時点で、22名の登録をいただいています。県としては今後、50名程度の登録者を募りたいと考えています』。

多くの都道府県で抱えている『マンパワー不足』や『職員の技術力の低下』。有事を見据えた危機感は、簡単には解消されないかもしれません。しかし、構造物点検の受託まで踏み込んだ和歌山県の取組は、先進的な事例であり、注目に値するものです。コンコムでは今後も、こうした発注者支援の状況についても報告していく予定です。

取材協力

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