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2020年東京五輪へ向けた、
建設業界の期待と課題

2013/11/20

2020年夏季東京五輪の開催が決定し、建設業界が「儲かるだろう」という認識が広がっています。株価も建設関連銘柄は、開催決定の翌日から軒並み上昇しました。五輪の開催と直接投資は約1兆円とも言われ、経済波及効果は3兆円とも5兆円とも言われており、需要が増加することは間違いありません。建設業界の経営者層の声を整理すると、個人としては手放しで喜ばしい、経営者としては技術者・技能者不足が大変、悩ましい、業界団体としては人材不足による技能者の単価上昇と需要増による経営改善と社員待遇の改善によって魅力ある建設産業の構築に向けた明るいステップになると期待している。という風に、立場によって感じ方や口を付く言葉が異なります。

深刻な人材不足への対応

やはり最も悩ましいことは、人材不足でしょう。建設技能労働者やゼネコン各社の技術者の不足による工事の遅延などを懸念する声が建設業界外からも聞かれます。人手不足は五輪開催決定以前から、叫ばれていたことで、それが一層加速する可能性が高くなっています。準大手ゼネコンの幹部はと「東北に半分の人員を充ててしまっていて、明らかに人が足りない。建設会社が『選別受注』を進めるという話を聞くが、選別どころか、技術者が足りないから入札に参加できないという状況だ」と嘆いています。東日本大震災の復興も7年以内に道筋をつけなければならず、リニア中央新幹線や東京外かく環状自動車道(関越~東名)の工事も14年以降、相次ぎ発注される予定で、技術者・技能者不足は大変深刻な問題になりそうです。

ただ、技能者・技術者不足は、負の側面だけでなく、正の側面も持ち合わせています。技能者が不足すれば、人を集めるために労賃が上昇します。「労賃が上がり、仕事量も7年間、見込めるので、他業界に出て行った技能者が建設業に戻ってくる」(大手ゼネコン幹部)という期待があります。「オリンピック施設を自分の手でつくるんだと思って、若い技能者が(業界に)入ってきてもらえれば」(業界団体幹部)という建設業の魅力向上につながる可能性もあります。7年という期間は少なくとも一定の仕事量が見込めるため、建設会社の決算が改善すれば、一時金などによる技術者の年収増も期待できます。

五輪後を見据えた政策が不可欠

かし問題は、この効果が7年という期間限定的なもので、また首都圏以外の全国的な影響も限られかねないということです。五輪開催後は、建設需要が現在に後戻りするようでは、戻ってきた技能者も再び他産業に流出するでしょう。技術者も給与という安定的な処遇改善にはつながりにくいと考えられます。この7年の間に必要なことは、民間投資を回復させることです。建設投資の7割を占める民間の建設投資は2008年のリーマン・ショックで一気に冷え込み、回復しておらず、「アベノミクスによる景気の上向きでも、まだ完全に民間投資を国内に回帰させるには至っていない」(大手ゼネコントップ)という状態です。五輪後を見据え、「規制改革や税制改正で、海外に向いていた民間投資を国内に回帰させることができれば、先行きが見通せるようになる」(同)というのが、建設会社の経営者の思いであり、政府による経済政策の実行が待たれます。公共投資でも同様に、単年度で増やす減らすという場当たり的なものではなく、必要な社会資本の整備・維持という公共投資本来の趣旨に立ち返り、安定的、着実に公共事業を実行し、先行きの不安感を解消することが必要です。また、準大手ゼネコン幹部が「仕事が増えても、赤字ばかりでは困る」というように、単価の上昇の適切な発注額への反映など一つの工事で真面目に仕事をすれば適正な利益を確保できるという市場環境の改善も不可欠です。「休日出勤が多く、資料づくりに追われる」という職場環境の改善も、利益や人材確保のための大事な要素です。

社会全体として労働力人口が減っている中で、五輪後も安定的な建設投資を確保しつつ、適正利益を確保し、魅力的な建設産業を構築するためには、この7年間を利用した市場・制度・環境の改善を官民が一体となって進めることが求められています。

寄稿

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