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進化する自転車専用道

2013/02/21

近、スポーツタイプの自転車で颯爽と通勤する人が増えている。誰が名付けたか「ツーキニスト」。健康志向の高まりに加えて、一昨年3月11日の東日本大震災がきっかけになった人も多いとか。鉄道やバスといった首都圏の足は大混乱に陥り、警視庁の集計によれば、都内だけでも10万人を超える「帰宅難民」が発生した。自転車であれば、万が一電車が止まっても帰宅できる。

利用者が増えれば事故も当然増える。警察庁はこれまで自転車が歩道を通行することを事実上黙認してきたが、自転車と歩行者の事故が急増する中で、国や地方自治体は自転車専用道の整備に力を入れ始めている。そこで今回は、「進化する自転車専用道」の現状をレポートする。

ケーススタディ1 「かえで通り自転車道」(東京都三鷹市)

かえで通り自転車道

土交通省の「自転車通行環境に関するモデル地区」の指定を受け、かえで通りに自転車道を整備したのは、東京都三鷹市だ。今回は三鷹市初の自転車道の整備であり、開通は2010年4月10日。かえで通りは、武蔵境駅から南方向に延びる、東京都三鷹市と武蔵野市にまたがる全長約2.1kmの道(三鷹市1.6km、武蔵野市0.5km)。

図をご覧いただければお分かりのように、整備前は、車道(5m×2=10m)と歩道(2.5m×2=5m)と路肩(0.5m×2=1m)であり、車道の幅が広いこともあって駐停車する車が問題になっていた。また、自転車は歩道走行が多かったが、2.5mの歩道は狭く、歩行者と自転車の接触事故も少なくなかったという。

かえで通りの特長
かえで通りの整備前と整備後

田中 課長補佐

こで整備に当たっては、車道の一部(2m)を縁石及び柵(横断抑止柵)などで区画し、独立した自転車道を設置。歩道と路肩の幅は整備前と変わらない。設計上で最も注力したのは「自転車の走りやすさ」だったそうだ。三鷹市都市整備部道路交通課の田中課長補佐は次のように語る。

「自転車道を整備しても、走りにくいのではこの道に自転車を誘導できません。そこで『自転車利用者が快適に走れる、走りたくなる道』を前提に、路面の段差をなくしたり、ここに誘導するためのサインを見直したり、水たまり防止策として側溝の構造(導水ブロックの採用)を工夫したり、いろいろなアイデアを盛り込みました」

その中の一つがバス停だった。自転車道整備前にバスから降りた歩行者と自転車が接触するとの声が寄せられていたそうだ。

「そのため歩道、自転車道及びバス停を分離し、安全性を高めました。さらに、車いす利用者などに配慮して歩道、自転車道及びバス停まで、ほぼフラットな構造としました。歩行者、自転車及び自動車の交錯を回避するため、自動車の出入り口、自転車道の出入り口など注意を促す箇所は自転車道が目立つように路面を青色に塗装。苦労したのは、沿道にはスーパーやスポーツクラブなど車の出入りが頻繁にある箇所ですね。整備前の説明会の開催はもちろん、店舗への個別の事業説明などに多くの時間を費やしました」


は、この事業に先立って田中課長補佐は、自費でクロスバイクを購入し、整備前のかえで通りを走りながら考えたという。

「今ではすっかり自転車好きになって、月に何度かは片道約25kmの自転車通勤をしているんですよ」

この事業効果については、自転車道整備前(2010年6月4日)の朝夕6時間(午前7時~10時・午後4時~7時)の調査で自転車1,902台、歩行者644人だったものが、全線開通から約半年が経過した平成22年9月7日には、自転車2,712台、歩行者958人となり、整備前よりも自転車は43%、歩行者は49%の増加となった。

「歩行者の通行が増えたのは予想外の結果でした。歩行者と自転車が分離され、歩きやすさが増したものと考えていいでしょう。道路の広さなど、いろいろな条件が当てはまらないと整備は難しいですが、今後も自転車走行空間について前向きに検討していきたい」(田中課長補佐)

なお、今回の事業は2.1kmの自転車道だが、かえで通りの南端に接する東八道路では、東京都による自転車走行空間の整備が進んでいる。市と都の連携により、安全・安心な自転車走行空間のネットワークのさらなる拡大に期待したい。

ケーススタディ2 「国道19号桜通自転車道」(名古屋市)

国道19号桜通自転車道

国道19号桜通自転車道

方、名古屋市は10年以上も前から積極的に自転車走行空間の整備に取り組んでいる。名古屋市の場合、市内に幅員100mの通称「100m道路」が東西南北にそれぞれ約4km走り、都心交通の要として機能する。第2次世界大戦後の戦災復興区画整理で、都心部の防災対策の一環として、このような画期的な道路拡大策がとられたとか。これに準じて他の車道、歩道も他の都市と比較してゆとりがあり、自転車の走行空間を整備しやすい環境にある。

図 国道19号桜通の整備前と整備後

図 国道19号桜通の整備前と整備後

昨年6月25日に開通した「国道19号桜通自転車道」は、100m道路ではないが、オフィスビルが立ち並ぶ名古屋市内の一角にあり、日銀前交差点から桜通大津交差点までの区間の延長約800mの道(片側4車線)。名古屋市の中心市街地を形成する重要な東西軸であるとともに、地下鉄「丸の内駅」や「久屋大通駅」が立地している。朝の通勤時間帯を中心に多くの自転車と歩行者が混在し、歩道上の駐輪や路肩での駐車も多発していたそうだ。潜在的に市民から自転車道を求める声があった。

そこで、事業を担当した中部地方整備局名古屋国道事務所では、地域の代表者や自転車団体、学識者等を委員とした協議会を設立し、通行方法、構造などの検討を重ね、片側4車線のうち1車線分(3m)を自転車道として、道路の両側に設けた(それぞれ対面通行、図参照)。

面中央には走行空間分離のための白線を引き、左側通行を促している。車道との境には、専用のガードパイプを設置。さらに特徴的な点として、800mの沿線上に無料の駐輪場53カ所(収容可能台数430台)が点在している。なかなかナイスなアイデアである。

5つのシフト幅を使ったコースイメージ

5つのシフト幅を使ったコースイメージ

計上で苦労したのは、800mの沿線に4カ所ある交差点だったそうだ。信号待ちの自転車の滞留場所をどこにするか。自転車にとって走りやすく、利用しやすいシフト幅(交差点部分でのコースの形状 図B参照)とは何mくらいか? 左折車の滞留スペースのことも考慮する必要がある。同事務所の伊藤事業対策官に技術的なポイントをお聞きした。

「自転車としては真っ直ぐなコースが理想ですが、直線にするとスピードを落とさずに交差点に入ることが予想され、左折車との交錯事故の恐れがありました。安全のために左折車の滞留スペース確保が必要で、自転車の減速を促すためには、ある程度のシフト幅は欠かせません。問題はシフト幅の長さ。実験では、シフト幅を3.0m、2.0m、1.5m、1.0m、0.5mの5つのパターンで試験走行を繰り返し、検証しました。その結果、利用意向と走行性を踏まえると1.5mが望ましいと判断したのです」

交差点やバス停の手前には、歩行者注意を促す路面標示も行い、自転車の目線に入る高さでサインも設置。また、車道との間のガードパイプはクリーム色に黄色の線が入っており先端にゴム製のカバーが付いている。これは「自転車利用者がこれに接触してもケガがないように」(伊藤対策官)という配慮だ。

「ただし、実際は車の接触が多く、破損の報告がいくつか入っています。クリーム色がドライバーには見えにくいのかも。その辺は今後改良の余地があるかもしれません」

事業効果については、沿道2地点の交通量調査の結果、整備後1カ月に比べ1年後は2割増加した。通勤時間帯に自転車が自転車道を利用する割合も約90%から約95%に上がるなど 徐々に浸透している。自転車の走行空間を2014年度には1.2km東まで延伸する予定で、現在整備手法を検討中だそうだ。

取材・文

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