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復興まちづくりにおける
CMの導入について

2013/04/22

立行政法人都市再生機構(UR)は、東日本大震災復興特別区域法等に基づき自治体からの委託を受けて被災市街地の現地復興や高台移転等のための土地区画整理事業等を各地で実施しており、その中で新たな契約方式としてCM方式を導入している。

以下では、このCM方式についてUR技術調査室に取材した結果を報告する。

注1) CM

CMを選定した理由

CM方式の概要図CM方式の概要図

URはCM方式を活用した設計・施工一括発注方式を採用した理由として、早期の復興のためには早期の工事着手が必要であること、民間の技術力、施工能力を早い段階から活用し工期短縮できる仕組みづくりが必要なこと、多くの復興事業を支援する立場のUR側にも人的資源に限界があることなどを挙げている。

今回のCM方式では、URは基本設計までの実施にとどまっており、効果的な施工方法や工程の最短化など工事施工の詳細についてはCM受注者の工夫、努力が期待される構図となっている。

女川町震災復興事業の概要と基本協定書の構成

CMの最初の事例となった女川町震災復興事業の概要は、以下のようである。

1)発注者;独立行政法人都市再生機構(UR)

CM受注者 鹿島・オオバ共同企業体

2)主な工事内容

中心市街地地区 7haの造成工事等
土工量17万㎥
離半島部 14haの造成工事等
土工量90万㎥

3)主な役割分担(基本協定書第2条、第3条)

発注者 事業認可等の取得、関係機関協議・総合調整、地元との合意形成(補償含む)等
CM受注者 施工計画の立案、調査、設計等業務の管理、コスト縮減等の検討、設計協議、工事の施工 等

今回の契約方式には、オープンブック方式の採用、地元建設会社等の優先的な活用などさまざまな特徴があるが、以下ではCMの対価(費用)の考え方とリスク分担の考え方について取材結果を取りまとめることとする。

なお、協定書、リスク分担表等は、下記URLに示す「公募型プロポーザル方式に係る手続きの公示」欄にある「入札説明書等」で公募期間中、確認できるので参考とされたい。本レポートで取材対象とした女川町の事例の基本協定書も基本的な構成は同じである。

注2) オープンブック方式
参考URL

CMの対価(費用)について

事業の対価は、基本協定書第6条、第7条により以下のように定義されている。

費用
(「コストプラスマネジメントフィー」という)
=業務原価+マネジメントフィー
業務原価
=工事に要する費用(従来の工事原価に相当)
+工事に必要な調査に要する費用+測量に要する費用
+設計に要する費用(直接人件費、諸経費、技術経費の計)

マネジメントフィーは業務原価の10%(女川町の事例の場合)

上記式を以下のように変形すると、マネジメントフィーは、いわば一般管理費にCMの対価を上乗せした概念であると考えられる。

業務原価
=工事原価*1.1
+〔工事に必要な調査に要する費用+測量に要する費用+設計に要する費用(直接人件費、諸経費、技術経費の計)〕*1.1

また、今回のCM案件では、通常のプロジェクトでは工事発注には含めず別契約で発注されることの多い調査、測量、設計業務の3業務が含まれており、これら3業務を執行、管理する対価として発注金額の10%相当を見ていることもわかる。

このマネジメントフィーの「10%」という水準については試行的意味合いもあったが、公募の中で各社からフィーの率について技術提案を受けたところ、どの社も約10%程度の提案とのことであった。今回の案件程度の工事規模であれば、一般管理費は約7%の水準となるので、10%との差分、約3%がCMの対価と解釈できる。なお、マネジメントフィーの水準は案件ごとに契約の中で決定されるので、公募中の基本協定書案では第6条3項で「〇%」と表現されている。

リスク分担について

CMでは発注者とCM受注者の間のリスク分担も大きなテーマとなる。

1) リスクの定義と分担

基本協定書第8条第3項で、「発注者及び受注者は、技術提案及び価格協議 において確認したリスクについて、別紙リスク分担表のとおり合意する」とある。今回の案件ではリスクを、マネジメント、技術特性、自然条件及び社会条件の4つの大項目にわけ、さらに全体で30の小項目に細分し発注者と受注者間で協議して分担を定めている。

基本的な考え方として、工事の仕方に起因するトラブル(地域住民に対する騒音・振動対策等、周辺への汚泥流出等)、労務資材調達関係の問題はCM受注者側の責任としている。地元組織との調整難航、基本設計の変更に起因する工期延長や設計条件と実際の現地条件との違い(地盤・地質条件、残存ガレキの発見等)は発注者側の責任としている。

両者の協議に委ねているリスクも多い。

2) リスク管理費について

今回の事例では、発注者及び受注者が連携してリスクの発現を回避する、または発現額を低減することを義務付けるとともに、発注者及び受注者がリスク要因を共有し、コスト抑制に努め、工事原価の不用意な増額を防止するため、リスク管理費と呼ばれるものを協議して決定する方法を試行的に導入している。

最後に

女川町ではすでに水産加工団地のかさ上げが一部完成し地元に引き渡されるなど、早期の復興に向けてCM方式を採用した成果が現れているとのことである。CM方式は、発注者、受注者双方に関心の高いテーマであり、今回の経験を分析、評価することで、より有意な制度となることが期待される。

取材協力

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