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新技術活用システムの現状と課題

2013/05/20

まえがき

土交通省は所管事業の技術政策については「国土交通省技術基本計画」を策定し運用されて来ている。平成24年に計画期間5年間の第三期計画が公表されたが、その策定に当たっては、東日本大震災の発生や、社会資本の老朽化等大きな社会情勢の変化等の課題を踏まえて様々な検討審議がなされ、関連技術の研究開発、活用策、人材育成等についての取り組みが示された。

また、このような情勢のもと、平成10年以来、より良き社会インフラ整備事業の実施を目指し、新技術情報提供システムを発足し、優れた新技術の活用策を推進してきている。今般、国土交通省で技術政策を担当されていた前建設技術政策分析官村西正実氏に依頼し、本課題についての現状と課題についての総括的な報告を頂き、併せて、新技術活用システムの普及、拡充の一翼を担って努力してきた一般財団法人先端建設技術センターの諸兄から前線の立場での、システムが抱えてきた課題や成功の具体例、また将来の発展についての提案して頂いた。

(三谷 浩記)

1. 新技術活用システムの活用状況

図-1新技術活用率(新技術を活用した工事件数を総工事数で除したもの)及び 1工事あたりの活用新技術数の推移図-1新技術活用率(新技術を活用した工事件数を総工事数で除したもの)及び 1工事あたりの活用新技術数の推移

共工事等における新技術活用システム(以下「新技術活用システム」)は、公共工事等に関する新技術の情報を提供する「新技術情報提供システム」(New Technology Information System 以下「NETIS」)を中核として、公共工事に関わる発注者、設計者、施工者等が、現場での新技術の利用、利用状況を踏まえた評価等の一連の取組を通じて、優れた新技術の活用を促進するための仕組みである。

新技術活用システムは、平成10年度より、行政内部での新技術の情報共有から始まり、平成13年度からインターネット上での一般公開を開始し、平成18年度には事後評価を重視したシステムとするなど、随時、改善を進めてきている。

平成25年3月1日現在、登録技術数は約4,400件に達するとともに、新技術を活用した国土交通省直轄工事の割合も、平成23年度は、発注工事総数(13,444件)の34.1%(4,584件)に達している。

図-2活用型別活用状況の推移図-2活用型別活用状況の推移

また、活用型別の活用状況をみると、近年は、「施工者希望型」(入札契約の総合評価方式における技術提案、又は契約締結後における施工者からの技術提案に基づき、施工者が新技術を活用するもの)の割合が増加しており、平成23年度は87%に達している。

これは、新技術の活用を促すために、総合評価方式において、新技術に関する技術提案を行った場合に加点することや直轄工事で新技術を活用した場合に工事成績評定で加点することなどの、インセンティブを導入したことが大きく影響している。一方で、実績の少ない新技術を用いる試行申請型やフィールド提供型の活用は、少ない状態となっている。

※「公共工事等における新技術活用システム」の新技術の活用の型には、以下の4つがある。

  • 施工者希望型:入札契約の総合評価方式における技術提案又は契約締結後における施工者からの技術提案申請に基づき、施工者が新技術を活用する型。
  • 発注者指定型:直轄工事における現場ニーズ、行政ニーズにより必要となる新技術を発注者の指定により活用する型。
  • 試行申請型 :直轄工事での実績が少ない(5件未満)の技術を対象に、NETIS申請者の試行申請に基づき試行を行う型。
  • フィールド゙提供型 :現場ニーズ等により、各地方整備局等により、各地方整備局等がNETIS申請者から新技術提案の募集を行い、フィールドを提供し、活用する型。

2. 現状の課題

のように、新技術活用システムは、制度の導入以来、新技術の活用・普及に大きな役割を果たしてきたが、制度が定着するに連れ、様々な技術が登録・活用されることとなったことなどにより、次のような課題が顕在化している。

1) 登録される技術に関する課題

本制度では、新技術の開発を促進するという観点から、幅広く、新技術の登録を受け付けてきたが、これにより、技術の新規性や進歩性の大きさに係わらず様々な技術が登録されることとなった。

この結果、技術の優位性が低く、現場で活用される見込みがほとんどない技術が数多く登録される事態を招いている。また、類似技術も多数登録されているため、現場で活用しづらくなっている。

2) 活用されている技術の偏り

新技術を活用したことに対するインセンティブを導入したことなどにより、活用される技術が、施設の本体等に係る本格的な技術よりも、評価済みで、現場での適用が容易な周辺技術に偏るようになった。特に、工事実績のない本格的な新技術を試行するケースが、少なくなっている。

3) 一律な評価

活用した技術に対する評価方法が、一律な評価項目(経済性、工程、品質・出来形、安全性、施工性、環境等)を設定して、項目ごとの評価を単純平均するものとなっており、個々の技術特性を十分に反映するものとなっていない。

3. 今後の改善の方向

のような課題を踏まえて、新技術活用システムの本来の趣旨である、実績は無いものの大きな効果をもたらす可能性のある新技術の活用を促進するという原点に立ち返って、今後、次のような方向で改善策を検討・実施していくこととしている。

1) 登録段階における技術の精査

新技術の登録に際しては、既存登録技術に対する優位性や活用見込みを確認・精査したうえで、登録することとする。

2) 現場での積極的な試行の促進

大きな効果をもたらす可能性のある未活用の新技術を、発注者・施工者・開発者の各主体により、積極的に試行する。

3) 評価の質の向上

技術特性及び重要度に応じて、メリハリのある評価を実施する。

また、改善策の検討・実施にあたっては、本省の関係部局や地方整備局等と緊密な連携を図るとともに、産学官の有識者からなる「新技術活用システム検討会議(座長:嘉門雅史 香川工業高等専門学校長・京都大学名誉教授)」からのご意見も反映させることとしている。

寄稿
参考URL

新技術活用システムへの期待

般財団法人 先端建設技術センター(以下「ACTEC」)ではNETISを中核とした新技術活用システムの普及・拡充に従事し、特に平成17年度以降は、新技術活用システムに関する評価業務を支援し、その拡充に参加してきた。

新技術活用システムの課題については、村西氏が本文に紹介しているので重複は避けるが、その中で特に最近改正された請負工事成績評定要領を特記したい。

NETIS登録技術普及のインセンティブとして、国土交通省では平成18年度以降、工事成績に加算することとして来ている。この場合、単なる実績の有無だけで判断するのではなく、その技術のもつ可能性、将来性を考慮して評価の対象とすることが今般改正された。

(参考:請負工事成績評定要領 平成25年3月25日 国土交通省大臣官房技術審議官通達)

1. 新技術活用システムの具体例

1) 平成23年度における活用ランキング
  技術名 活用数
1 カプセルプリズム型高輝度路上工事用標示板(工事看板) 296
2 ラク2タラップ 287
3 ジョインテックスCT-400 274
4 ピカコン 197
5 アクアマットSタイプ 178
6 ピタリング(簡易式体感マット) 163
7 Qマット 157
8 3次元設計データを用いた計測及び誘導システム 151
9 デルタクッション 145
10 塗布型高性能収縮低減剤「クラックセイバー」 143
表-1) 平成23年度活用ランキング
2) 個別具体例の詳細

① Qマット
コンクリート構造物の湿潤・保温養生のための技術で、吸水加工アクリル繊維を用いて性能を向上させた養生マットである。総合評価落札方式による工事において多数の実績があった。

  • Qマット

    Qマット

  • Qマットによる養生状況

    Qマットによる養生状況

昇降設備の設置事例 昇降設備の設置事例

② ラク2タラップ
従来、単管パイプにクランプ付ステップを1枚1枚取り付けていたのにかえてユニット型安全傾斜自在階段とした。本技術の活用により、昇降時の安全確保、昇降設備設置時の作業効率が改善される。

2. 新技術活用システムの方向性

① 類似技術の集団にも特色を付与して、現場の状況に応じた選別ができるシステムについて、ACTECとして方法論も含め実現に向けて検討中である。

② 実績が少なくとも将来性のある技術に関する情報の収集・発信を努める。

  • ACTECの取組みである、ポータルサイト(http://www.netisplus.net/)の運営
および技術情報誌「NETISプラス」の発刊

    ACTECの取組みである、ポータルサイト(http://www.netisplus.net/)の運営
    および技術情報誌「NETISプラス」の発刊

  • 同じくACTECが運営するNETISプラス新技術情報データベース(http://www.netisplus.net/)。動画等を中心としたNETISにはない技術情報を発信していく。

    同じくACTECが運営するNETISプラス新技術情報データベース(http://www.netisplus.net/)。動画等を中心としたNETISにはない技術情報を発信していく。

ACTECではNETISプラスを発刊やNETISプラス新技術情報データベースの提供を通じて、これからも新技術の一層の普及に努めてまいりますので、皆様のご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。

取材協力

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