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2019/08/29

橋梁・トンネル等の老朽化対策、5年に一度の定期点検が一巡

トンネル

※写真はイメージです。

全国の橋梁 約72万橋、トンネル 約1万カ所、大型カルバートや横断歩道橋などの道路附属物 約4万カ所の点検結果が国土交通省より公表されています。

平成24年12月に起こった「笹子トンネル天井板落下事故」などが契機となり、橋梁・トンネル等の道路施設の高齢化・老朽化が問題視されました。高度成長期に建設され、建設後50年を経過する道路施設は今後ますます増加することから、早急に対策を取る必要が出てきました。

平成25年の道路法改正に基づき、道路管理者による橋梁・トンネル等の道路施設の構造物を5年に一度、近接目視点検することが定められました。道路法改正に伴い、平成26年には「道路法施行規則の一部を改正する省令」で、点検は「近接目視により、五年に一回の頻度で行うことを基本とすること」と規定され、「トンネル等の健全性の診断結果の分類に関する告示」では効率的な維持・修繕が図られるよう、健全性の診断結果を4段階に分類し、適切に管理していくこととなりました。

表1 健全性の診断区分
区分 状態
健全 構造物の機能に支障が生じていない状態。
予防保全段階 構造物の機能に支障が生じていないが、予防保全の観点から措置を講ずることが望ましい状態。
早期措置段階 構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措置を講ずべき状態。
緊急措置段階 構造物の機能に支障が生じている、又は生じる可能性が著しく高く、緊急に措置を講ずべき状態。

令和元年8月9日に国土交通省より発表された「道路メンテナンス年報」によると、1巡目(平成26~30年度)で、橋梁が99.9%、トンネルが99.5%、道路附属物等が99.7%とほぼ全ての道路構造物で点検が完了しています。

表2 点検実施率(平成31.3末時点)
A:管理施設数 B:うち点検対象施設数※ C:点検実施数 D:点検実施率
(C/B)
橋梁 722,942 717,391 716,557 99.9%
トンネル 11,215 10,718 10,662 99.5%
道路附属物等 41,149 39,873 39,750 99.7%

※全道路管理者(国・高速道路会社・都道府県・政令市・市町村長)の合計
※平成31年3月末時点での施設数のうち、供用後5年以内などを除いた施設

施設ごとの診断区分を見ると、緊急措置が必要な区分Ⅳは橋梁で0.1%、トンネルで1%、道路附属物等は0.1%、早期に措置が必要な区分Ⅲは橋梁で10%、トンネルで41%、道路附属物等は15%となっており、区分Ⅲ・Ⅳの施設は次回点検までに修繕をするよう求められています。

表3 点検結果(平成31.3末時点)

健全

予防保全段階

早期措置段階

緊急措置段階
橋梁 296,909
(41%)
350,506
(49%)
68,369
(10%)
682
(0.1%)
トンネル 239
(2%)
5,990
(56%)
4,353
(41%)
63
(1%)
道路附属物等 12,671
(32%)
20,945
(53%)
6,035
(15%)
27%
(0.1%)

※点検を実施した施設のうち、平成30年度末時点で診断中の施設を除く

区分Ⅲ・Ⅳの修繕着手状況は、全体で橋梁が22%、トンネルが36%とまだまだこれからですが、道路管理者別に見ると、橋梁は国が53%に対して地方公共団体が28%、トンネルにおいてもそれぞれ64%、24%となっており、地方公共団体での遅れが目立っています。

特に橋梁は、その2/3が市区町村の管理であるにもかかわらず、市区町村の2割には橋梁保全業務に携わる土木技術者がいないという問題もあります。そこで、点検・診断の発注事務を都道府県が一括して実施する「地域一括発注」や、緊急かつ高度な技術力を必要とする橋梁については、国が「直轄診断」を実施するなどの対策が取られています。国は、これまでの点検結果を踏まえたメンテナンスにおいても、地方公共団体と連携して計画的に実施していくとのことです。

※直轄診断:地方公共団体の技術力等に鑑みて支援が必要なもの(複雑な構造を有するもの、損傷の度合いが著しいもの、社会的に重要なもの、等)に限り、国が「道路メンテナンス技術集団」を派遣し、技術的な助言を行うもの。

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