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2015/4/23
建設業界でコスト管理と聞くと、一般的にはコスト集計がイメージされます。その場合、前号で説明したように建設業ではコスト集計のサイクルが長いことが課題となり、集計に忙殺され本来の意義を見失い、定着しない企業が多いというのが現状です。そもそも、コスト集計することが=(イコール)コスト管理ではありません。コスト管理をきちんと行い、それが継続できるように「やる気」につなげていく必要があります。本号では、現場管理を左右するコスト管理の捉え方、方法について紹介します。
コストを集計するとは、日々使った機械や材料などを原価要素別に「単価×数量」により計算し支払いを行なうべき金額を算定することです。この集計のタイムサイクルを少しでも短くすることで現状をリアルタイムで把握し、支払管理(資金繰り管理)に役立てることができます。
一方で、コスト管理とは、単に使ったお金を計算するだけではなく、出来高(売上)も金額ベースに換算し、① 出来高 ② コスト ③ 損益の3つを常に把握し管理することです。
(※出来高数量の算出方法は、ポイント2「グループ化の考え方」を参照)
コスト集計とコスト管理の大きな違いは「損益」が「見える化」されることですが、では損益がわかるとどのような効果があるのでしょうか?
何れにしても、「損益」がわからない場合よりもわかったほうが具体的な改善策が立てやすく、漠然と施工するのに比べ、監督さんや作業員のモチベーションのアップにつながります。
「損益」を把握しコスト管理に対応できると、更に利益を出すための段取りを考えることができるようになります。このときにポイントとしては、コスト管理を結果で管理する「後追い」ではなく、明日のコスト管理を行なう「先行管理」と捉えることです。
具体的には、翌日の「予定日報」を書くことで管理できます。
通常は、当日の日報によって「出来高」と「コスト」を計算し「損益」を把握しますが、予定日報では、次の手順により段取りを考えます。
必ず結果を変えることができるとは限りませんが、明日の段取りを考え工夫することでやりがいが生まれ、仕事が楽しくなることは間違いないのです。
この「コスト管理」の技術は、仕組みを作り毎日の取り組みとして継続することが重要です。
建設業界にいま最も求められている人材育成にも寄与し、利益アップ、ひいては処遇改善につながります。
次号では、コスト管理を実際に取り入れた企業の事例をご紹介します。
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