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現場監理の達人 現場監理に役立つチェック項目を、工程ごとにご紹介

集合住宅編
第36回 昇降機等工事

2017/11/29

合住宅建設における工事監理者の業務を主体とした「現場監理の達人 集合住宅編」では、全37回にわたり工種ごとの工事監理のポイントについて、専門用語の解説や事例写真を使いわかり易く解説しています。工種別の工事監理ガイドラインもPDF形式でダウンロードできますので、ぜひ業務に活用ください。

ここでの監理者の心構え

計者は設計図書作成時に、建物に設置する昇降機の仕様を決めて、メーカー側がその昇降機に求める躯体寸法に従って設計図を作成します。監理者は施工者から提出される昇降機の施工図(製作図)を確認し、設計図書通りであるか確認し承認します。昇降機の部材は工場で製作になりますが、監理者は扉や内壁などの仕様を、カタログや見本で最終決定します。
昇降機工事は建物の塔屋とうや(ロープ式の昇降機の場合に、建物の最上部に突き出たエレベーター機械室)が完成してから着手します。昇降機はメーカー側の専門技術者が施工するので、監理者は施工された昇降機が、設計図書や決定した仕様通りであるか実物を目視で確認し、またメーカー側の専門技術者が実施した検査記録などを確認します。

1.昇降機等工事

昇降機等工事の監理フローの概要は、次のようになります。

昇降機等工事の監理フロー

2.エレベーター工事

①躯体工事から足場解体まで

躯体工事中は躯体施工のための足場を、エレベーターシャフト内に架けて工事をします。躯体が打ち終わったら足場は解体します。エレベーター業者はゴンドラなどを使って作業を進めます。

躯体工事中の足場

写真の仮設は枠組み足場を使っていますが、単管足場で組み立てる場合は、解体・搬出のことを考えて、縦パイプの長さを計画します。

足場解体後
足場解体後

エレベーターシャフトで墜落や物の落下による事故がないように、養生枠でふさいでいます。

②エレベーター業者の入場

エレベーター工事に必要な仮設材、部材を搬入します。

搬入した仮設材、部材の一部

エレベーターシャフトの最上部のスラブに埋め込んだ仮設フックを利用してゴンドラを設置します。

  • 最上部のスラブの仮設フック
    最上部のスラブの仮設フック
  • 仮設用ワイヤー
    仮設用ワイヤー

エレベーター業者が入場後は、開口部の養生(墜落防止施設)はエレベーター業者の責任において実施しています。

エレベーターシャフトの開口養生
③三方枠の取付け

エレベーターの扉の枠を三方枠といいます。三方枠が付いて、エレベーターホールの仕上工事を進めることができます。

三方枠の取付け前
三方枠の取付け前

エレベーターの三方枠は、建築の仕上工事と取合うので、エレベーター工事の初期に取付けていきます。

三方枠と仕上げ墨
三方枠と仕上げ墨

三方枠がついたら、それを基準にして仕上げの位置を決めます。

④開口部まわりの工事

エレベーターの養生は必要な時だけ開いて、他の作業者が開口から落ちないように、墜落防止柵を設置して工事をします。

  • エレベーター工事作業中1
    エレベーター工事作業中1

    開口養生を開くと危険な状態になるので、墜落防止柵で人が近づかないようにしています。

  • エレベーター工事作業中2
    エレベーター工事作業中2

    ゴンドラの上に乗って作業をしています。

  • エレベーター工事作業中3
    エレベーター工事作業中3

    ゴンドラを上下させて作業をします。

  • エレベーター工事作業中4
    エレベーター工事作業中4
⑤カゴ及び機器の工事

エレベーターの三方枠、下枠、スイッチのプレートが取付けられると、建築の仕上工事を進めることができます。シャフト内部ではエレベーターのカゴ及び機器の工事をしています。エレベーターの「人が乗る部分」を、現場ではカゴと呼んでいます。

エレベーターの三方枠等完了
  • エレベーターの三方枠等完了
  • エレベーターの三方枠等完了

    エレベーター枠の周囲は、タイル下地まで完了しています。三方枠、スイッチプレートに合わせてタイルを張ります。

エレベーターのカゴ及び機器の工事
⑥エレベーター検査

エレベーター検査を実施しています。主に機能検査になります。

  • エレベーター検査1
    エレベーター検査1
  • エレベーター検査2
    エレベーター検査2
  • エレベーター検査3
    エレベーター検査3
  • エレベーター検査4
    エレベーター検査4

3.機械式駐車設備

集合住宅は、条例などで駐車場の設置を求められていることがあります。敷地に十分な広さがない場合には、機械式駐車場を設置して規定の台数分を確保します。

機械式駐車場の例

「昇降機等工事の確認」ができる工事監理ガイドラインをダウンロード

工事監理では、「工事と設計図書との照合及び確認」が求められていますが、具体的に何を確認するのかは明確ではありません。どのような確認事項があるのか、体系的に理解し、しっかりと確認していただけるように、工事監理ガイドラインの「確認項目及び確認方法の例示」をご提供します。工事監理にご活用ください。

PDFファイルをご覧になるには、Adobe® Reader®がインストールされている必要があります。インストールされていない場合は左のアイコンからダウンロードが可能です。

原稿協力

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