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土木学会が平成12年に設立した認定制度──『土木学会選奨土木遺産』。顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的に、500件を超える構造物が認定されています。
コンコムでは、たくさんの土木遺産の中から、最寄り駅から歩いて行ける土木遺産をピックアップし、「土木遺産を訪ねて─歩いて学ぶ歴史的構造物─」を不定期連載します。駅から歴史的土木構造物までの道程、周辺の見どころ等、参考になれば幸いです。
みなさんも旅のついでに少しだけ足を延ばして、日本の土木技術の歴史にふれてみてはいかがでしょうか。
認定年 | 平成15年度(2003年度) |
---|---|
所在地 | 静岡県島田市・金谷町 |
全長 | 1026.4m |
構造形式 | 17径間下路式プラットトラス橋 |
完成年 | 昭和3年(1928年) |
ブルーに彩られた17連のトラス橋は、遠目からでもその美しい姿を眺めることができます。しかし、近づいてみると90年前に建設されたとは思えないほどその鮮やかさは際立っていました。静岡県島田土木事務所によると、塗装の劣化が軽微なうちに全面塗替することにより、橋が錆びるのを防ぎ、120年まで寿命を延ばそうとしているとのことです。江戸時代「越すに越されぬ大井川」を越えて東海道を旅する旅人たちは、川越人足を雇って行き来していました。金谷側にも島田側にも人足の集合場所ともいえる番屋跡が残っていることからも、当時の川越人足たちの賑わいの様子がわかります。番屋の説明板によると、肉体労働であった川越人足は、引退後、札場での換金業務や渡しを利用するお客さんの受付などの「内勤」業務に就いたそうです。今なら功労OBの再雇用といったところでしょうか。
【今回歩いた距離:約6.5km(蓬莱橋含む)】
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