現場探訪 優れた工事成績評定の現場、話題の新技術、人材確保に役立つ情報をレポート

ICTの現場

2023/08/01

一級河川松川筋川崎地区河川改修その3工事
ICTは「かっこいい建設業の実践!」

回の現場探訪(ICTの現場)は、令和4年度国土交通省「インフラDX大賞」(※)の優秀賞を受賞した「一級河川松川筋川崎地区河川改修その3工事」です。この工事を施工された株式会社水清(みずせい)建設(本社:岩手県紫波郡矢巾町)において、当工事の監理技術者であった大巻照雄さん(工務本部本部長)に「ICT活用による生産性の向上」についてお聞きしました。

※インフラの利用・サービスの向上といった建設業界以外の取組へも募集対象を拡大して、令和3年度までの「i-Construction大賞」を改称したもの

工事概要 施工延長 569.5m
河道掘削(ICT):V=24,900m3
コンクリートブロック工:A=5,794m2
排水樋管工 Φ1000:N=2箇所
階段工:N=1箇所
発注者 岩手県 盛岡広域振興局土木部 河川砂防課
工期 令和2年10月22日~令和3年11月30日
受注者 株式会社水清建設
施工場所 岩手県盛岡市川崎地内
請負金額 324,583,600円(税込・最終)
監理技術者 大巻照雄(オオマキ テルオ)

Q 今回の工事の概要(目的)について簡単にご説明ください。

工事を実施した一級河川松川は、奥羽山脈に源を発し、岩手県八幡平市などの盛岡北圏域を西から東に流下する北上川の右支川で、岩手県が管理しています(管理区間延長 38.4km)。松川の下流部は部分的に築堤があるという現況ですが、平成25年(2013年)9月に発生した沿川での洪水被害などを受け、「一級河川北上川水系盛岡北圏域 河川整備計画」(平成27年(2015年)9月)において、「いわて銀河鉄道(IGR)松川橋梁(0.4km地点)~石花橋上流(6.4km地点)」の6.0kmの区間にて、河道掘削及び築堤を行い、流下断面を拡大して洪水時水位を低下させる等、治水安全度を向上させることが位置づけられました。当工事はその計画に基づき、松川が北上川に合流する地点からすぐ上流部において、河道掘削、護岸の整備、排水樋管の設置などを行ったものです。工期は非出水期の令和2年(2020年)10月から始まりましたが、出水期施工も実施し、翌年11月に工事を完了させました。

図1)位置図(国土地理院地図をもとに作成)

図1)位置図(国土地理院地図をもとに作成)

写真1)着工前の状況

写真1)着工前の状況

Q 国土交通省「インフラDX大賞」の受賞者の取組概要には、「ICT建設機械(防水型)による施工履歴機能を応用することで、より精度の高い河床の三次元データを取得する等の工夫を協議により行った」とありますが、施工履歴機能を応用することになった経緯について教えてください。

松川の工事箇所は年間を通して水量も多いので、河床高さは設計図とはかなり違っているということが予想されていた他、施工面積の約70%は水面という施工条件でしたし、川の水も濁っていることが多いので、まず起工測量の段階で、河床高さを広範囲にどのように確認するかが課題となりました。もちろん陸上部は地上式レーザスキャナ(TLS)と無人航空測量(UAV)により、測量を行うことはできたのですが、当然のことながら、それだけでは水面部分は測量ができていません。工事区間を4工区に分けたうち、下流側の第1~第3工区は、水深1m以下であり流速も緩かったことから、測量員が水中に立ち入ることが可能であったため、冬の寒い時期ではありましたが、トータルステーション(TS)を使用して測量を行い点群ソフトで補間する方法としました。ただ最上流の第4工区については、水深が1m以上で流速も早く、測量員が水中に立ち入ることは危険であり、上記の測量方法は無理であったことから、どのように測量するかが課題となりました。発注者との協議の中では、ブルーレーザーや音響測深機器などを使用する方法が候補となりましたが、濁りがあるためブルーレーザーは使用できないこと、その他の方法も予算面と測量精度の面から、実施は見送られました。このようななかで、当社としては、精度が高くコストパフォーマンスも良い、ICT建機の施工履歴データを利用することを提案しました。「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」(国土交通省)の第5編「河川浚渫工編」の第3章第3節「工事測量(起工測量)」では、「※ 施工履歴データは施工しながらの計測を基本とするため、起工測量は対象外とする。」と明記されてはいますが、試験的にICT建機により現地盤を計測して点群ソフトで読み込んだ結果、高い精度を確保できました。その実績データをもとに発注者と改めて協議した結果、施工履歴データによって起工測量を行うことについて、発注者からゴーサインをいただくことができました。

写真2)概略 工事位置図

写真2)概略 工事位置図

写真3)点群ソフト処理(補間あり)

写真3)点群ソフト処理(補間あり)

写真4)点群ソフト処理(補間なし)

写真4)点群ソフト処理(補間なし)

Q 施工履歴機能を応用する上で、気をつけた点があれば教えてください。

施工履歴データによる起工測量を行うにあたっては、オペレーターに「川底を掘削せず、バケットで現地盤をトレースする」ように十分な事前教育を行ったうえで実施しました。なおICT建機(コベルコSK200)は今回、株式会社トプコンのマシンコントロールショベルシステムを使用しているのですが、「アームについているセンサー部分を防水仕様にしないと水中掘削ではコントロールシステムにトラブルが発生する」ということが判明したことから、ICT建機そのものを防水型に取り替えました。もちろんセンサーボックスだけを防水仕様に取り換えることもできたのですが、ICT建機をレンタルで使用していたことや、取り換えに時間がかからないことを考慮して、ICT建機ごと入れ替えたものです。ICT建機のレンタル代は、ICT未装備の建機の3倍ほどかかるのですが、防水型にしたこともあり、トラブルもなく安全で迅速かつ高精度な起工測量を実施できました。特に、施工履歴データを応用する形にしたことで、6,400m2の測量面積で4万点ほどのデータをとりましたが、13時間程度の短い時間で実施できました。なお、防水型センサーボックスは、建機レンタル会社の特注製作品です。

写真5)施工履歴データによる測定状況

写真5)施工履歴データによる測定状況

図2)システム構成((株)トプコンHPより)

図2)システム構成((株)トプコンHPより)

Q 今回の工事は、全面的にICT技術を活用された工事ですが、貴社が、3次元設計や全面的なICT技術の活用を始めたきっかけ等について教えてください。

ICT技術の活用は、平成29年度(2017年度)に取り組み始めました。きっかけは、ちょうどその当時は岩手県がICT施工の試行を始めた時であり、最初の試行工事がたまたま当社の地元のエリアでの工事であったことから、当社がその工事を実施するしかないと思って受注したことが始まりです。それまで全く取り組んだことが無かったので、3次元データに関することは外注したのですが、必要な資料を外注先に渡してからデータが出来あがってくるまでどうしても時間がかかることもあったので、それなら自社で内製化しようということで取り組み始めました。当然のことながら、最初は全くチンプンカンプンの状態で大変でした。

でも何とかしなきゃいけないということで、外注していたコンサルタント会社の方とか、ソフト会社の方に、いろいろと聞きまくって取り組んでいったところ、ICT工事の3件めくらいから「なんとかできるようになったかなぁ」という感触を持てるところまで来ました。
何でもそうですが、何か新しいことをしようとすると、取っ掛かりはいつも大変ですが、教えてくれたりサポートしてくれる方が近くにいていつでも話ができれば、何とかこなしていけるようになるものだと、改めて感じました。そのようなこともあって、当社としても、発注者や建設業者、一般の方を対象に見学会を開催し、ICT施工の取組紹介や有効性をアピールしています。

写真6)現場見学会

写真6)現場見学会

Q ICT技術を活用するメリットをどのようにお考えでしょうか。

ICT施工の効果は右図の通りいくつもありますが、ICT建機を使うと、例えば丁張のように、これまで実施しなければいけなかったものが実施しなくてもよいようになることが、一番大きなメリットであると思っています。「無駄が無くなる、ロスがなくなる」ということですね。ICTを活用したからといって、例えば建機の掘削スピードが上がって掘削時間が短くなるというわけでもないですし、物理的な面で性能が向上するわけではありませんので。つまり、これまでの建機であれば、例えば掘削するときに、どこまで掘ったのか途中で建機を止めて目視で確認したり、場合によっては測量したり、というような、掘削に伴って生じていた作業を、ICTを使用することによって省くことができるようになることが、大きなメリットだと思っています。

図3)ICT施工の効果

図3)ICT施工の効果

今回の工事でも、排水樋管の新規設置が2箇所ありましたが、設置するための床掘は3次元設計データをICT建機にインプットして実施しました。1箇所当たり10m3ほどの土量であり、ICT建機の規模も通常使用している0.7m3クラスのバックホウでしたが、掘削は速やかに正確に実施できました。3次元設計データの作成を内製化していますので、ICT建機を使用できるところはできるだけ使用する、というのが基本になっています。
ICTの活用については、当社HPでも「ICTで新3Kへ」とPRしています。当社の新3Kは「価値ある・甲斐ある・希望ある仕事」であり、また「「ICT」=かっこいい建設業の実践」だと考えています。建設生産システムの「測量、設計・施工計画、施工、検査」の各工程において3次元データを活用し、省力化、工事日数の削減を図り、個々の社員の毎日がさらに充実した時間になるようにしています。実際、例えば3日かけていた測量作業を、ICTを活用してデータ化を半日で実施する等により、休日に十分趣味を楽しむことができる環境をつくっています。

図4)各工程におけるICT活用

図4)各工程におけるICT活用

Q 3次元設計データの作成を内製化しておられますが、今回の工事ではどのような形で作成されたのでしょうか。

これまでのICT活用の実績から、ICT建機を使用することで、掘削、盛土、床掘り、法面整形等の同時作業を進めることができるようになり、手元作業員の減員や技術者による丁張作業の人員・時間の削減が可能になることがよくわかっていました。今回の工事でも、仮設土のうの位置や高さ、仮設道路の幅や高さ、河川土工における掘削や盛土、護岸工床掘などの構造物の床掘なども組み合わせた「総合的な3次元設計」とすることで、ICT建機をできるだけ有効に活用して切れ目のない作業を実現し、作業日数を大幅に削減できました。このため、週休2日(4週8休)による作業でも工程的に遅れることは全くなく工事を実施できたところです。

図5)「総合的な3次元設計」

図5)「総合的な3次元設計」

なお、完成形の3次元設計を作成した場合、それを現況点群に重ねて活用することで、発注者との協議や地域住民の方の理解を得られやすくなるという効果も得ることができます。

Q ICT技術を活用するうえでの課題はどのようにお考えでしょうか。

ICT技術を使うと、施工実績が数値で面的に出てきますので、それをどのように日々確認・評価するかも大切なことだと思います。今回の河床掘削はICT建機を使用したため、掘削後の河床高さが正確な数値で示されます。ただ、道路の舗装面などと違い、掘削後の河床高さは精度をそれほど高く求めなくても、掘削する全体のボリュームや縦断形状、横断形状が大まかにあっていればよいのではないかと思うところもありますが、ICT建機を使用するとそれが許されなく、水中で掘削したことによる当該箇所周辺の土砂への影響、その動きなども目視で確認できないことから、規定値の範囲内に収まるようにするために苦労する面もありました。生産性をより向上させることと、精度をどこまで求めるかとのバランスも課題になると感じています。

写真7)ICT建機による河道掘削

写真7)ICT建機による河道掘削

また、施工にICT技術を活用していますが、その際作成した3次元データを工事完了後に発注者がどのように活用していくかということがハッキリ見えていないことも課題としてあると思います。また将来的には、3次元設計データは施工会社が作成するのではなく、もっと前の発注段階の計画・設計レベルで作成されて、それが施工段階で活用されることになるのか等、全体像がまだボンヤリしていると感じています。施工のための3次元設計データは、完成形の設計データだけではなく、施工途中段階、横断図に表示されていない変化点の位置、縦断図に示されていない高さ等の細かいところまで把握して作成しておかないと、ICT建機の効果が損なわれてしまいますので、そういう図面を将来的に発注段階や設計段階で作成できるかということや、設計変更時にどう対応すればよいか等を明らかにしていただくことも、ICT技術の活用を推進していく上で必要だと感じます。当社は主に県発注工事を請け負うことが多いので、BIM/CIMまではまだ取り組めていませんが、BIM/CIMに取り組む時期を考える上では、そういうものが明示されることも必要と感じています。

Q 今回の工事で週休2日を達成されていますが、達成のポイントとしてどのようなものがありますか。

週休2日については、令和3年度(2021年度)から会社として取り組んでいます。
最初は「「できる、できない」ではなくて、まず挑戦してみよう」ということで開始しています。実態は「やればできる」で、週休2日(社内カレンダーで年間112日以上の休日)を確保しています。今回の工事でも週休2日は実現していますが、施工履歴データを用いずに起工測量を実施した場合では、週休2日はとても達成できない工期でした。週休2日については、「達成することを前提にして、そのためにはどういうところを工夫しなければならないか」という視点で取り組むことが重要だと思っています。当社も取り組み始めて3年目ですが、週休2日に慣れてくれば、それが当たり前のこととして工程管理、時間管理を考え、どういう段取りや取り組みを行って無駄な時間を減らすか、ということを常に意識することに繋がりますので、施工がスムーズに進むことが多くなってきていると思います。

Q 社内ICT推進チームを創られているということですが、その実施・活動内容について教えてください。

ICT推進チームは土木部に創っています。予算的に難しいとか、小規模な工事で効果が得られない等のレアな場合を除き、全ての工事でICT活用を行うという方針でいますので、ICT技術を土木部の職員に水平展開するためにICT推進チームを創りました。

とは言っても、私(大巻 工務本部長)と土木部職員全員(土木部長含め10名)の11名をICT推進チームとしており、チームリーダーには土木部長を置き、3次元設計の主担当には若手職員(入社5年目)を、3次元測量(測量・解析・点群処理)の主担当にも若手職員(入社6年目)を選任して進めています。最終的には、3次元設計、3次元測量の両方に、さらに副主担当1名ずつを選任した体制を創るとともに、ICT推進チームのメンバー全員がICT技術を習得し、各工事現場に配属された職員だけで、その現場のICT活用を全て実施できるようにすることを目標としています。ICT推進チームの活動内容は、以下の通りですが、土木を専門として学んできたかどうかにかかわらず、好奇心・探求心さえあればICT技術は十分習得できると思っています。現に、3次元設計の主担当の若手職員は、高校の普通科を卒業していますが、3次元設計を巧みに行っています。

写真8)若手オペレーターICT実践研修<br>※	手前の「杭ナビ」から建機の「プリズム」に現地情報を送って建機操作

写真8)若手オペレーターICT実践研修
※ 手前の「杭ナビ」から建機の「プリズム」に現地情報を送って建機操作

<ICT推進チームの活動内容>
①若手技術者への3次元測量、設計、出来形管理等の教育
②ICT活用工事にICT推進チームの若手を配置し、3次元管理の実施
③若手技能者の教育(杭ナビショベルの運転)
④年1回程度の、外部講師によるICT研修
⑤ICT推進チームの活動内容を社内に水平展開(ICT新聞の発行)
https://mizusei.com/service/index.html#service-ict3k
⑥工事履行報告用の航空写真撮影(月1回)

Q 最後に、建設会社や技術者が、ICT活用に取り組み始める際に留意することなど、アドバイスがありましたらお願いします。

ICT活用を効果的に実施するためには、内製化が大事だと思います。ICT建機を自社保有するということよりも、ICT活用を行うための、3次元データに関する技術やノウハウを如何に自社に蓄積できるかが鍵ではないでしょうか。内製化をする際は、取っ掛かりはとても大変だと思いますが、「なんとかできるようになったなぁ」と思えるようになったらシメタもので、そこからはノウハウの吸収も早くなりますので、取り組み始めたら、しばらくは辛抱して続けていただくことが大事だと思います。
ただ、ICT活用はメリットだけではないことも十分踏まえていただいたほうがよいと思います。当社では5項目のメリット、デメリットとして、以下のことを整理していますので、参考にしていただければと思います。

<ICT活用工事 5項目のメリットとデメリット>

1. 3次元設計

メリット:現場着手前に3次元設計を作成する事により丁張設置が減り工期短縮につながる。又、誰でも机上で学習し3次元設計(丁張同様)が可能。

デメリット:3次元設計に間違いがあった場合、それを見つけ、解決するまでの間、作業が停止する。

2. 3次元測量

メリット:3次元測量により現況点群を構成した場合、起工時の現況横断線の確認が出来、土量算出も自動算出可能で資料作成面で大幅な時間短縮となる。

デメリット:施工面積全面の伐採除草が必要

3. ICT建機施工

メリット:掘削系や整形系の作業では手元作業員や基面整正作業員はほぼ配置の必要がなくなり、仕上げ面が多いほど作業効率は向上する。

デメリット:盛土や路盤など、材料の搬入を伴う作業は、搬入量が施工量となるため、ICT建機の能力以上の搬入量が確保できない場合は原価の割り増しとなり効果は期待できない。

4. 3次元出来形管理

メリット:竣工時の出来形資料作成はPCからのヒートマップの出力のみで大幅に軽減できるほか、出来形写真も大幅に軽減できる。

デメリット:降雪地域は、日々の出来形点群測量、若しくは、除雪が必要となる。

5. 3次元データ納品

メリット:三次元データを改めて作成する必要は無く点群ソフトより自動作成されたICONフォルダーをDVDに保存し提出するだけなので資料作成時間が低減される。

デメリット:なし

【総括的メリット・デメリット】

○仕上げ面積の大きい建機作業で大きなメリットとなり、仕上げ面積が小規模になるほどデメリットが多くなる。

○ダンプトラックによる搬入搬出が伴う作業では、そのICT建機の能力に見合う施工が可能となる仮設などが必要。

おわりに

「ICT活用により、無駄やロスを最大限削減できる」と語る大巻さん。ICT活用を内製化し、「ICT=かっこいい建設業の実践」と捉える実体験から話される言葉だけに、十分な説得力があります。株式会社水清建設は、「従業員が働きやすい職場、人に自慢できる職場を理想」とし、「多様性のある休暇制度」(「健康経営優良法人」や「くるみん」の認定等も含む)、「報酬」(すでに地域企業と比べて10%高い給与を実現)を柱とした働き方改革を進めていますが、ICT活用を行っているのは、現在では土木部だけであるので、ICT推進チームが「ICT新聞」を社内に配布するなど、ICT活用状況について社内にPRしているとのことでした。

写真9)監理技術者の大巻さん

写真9)監理技術者の大巻さん

なお、今回の工事では、「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」において対象外とされている「施工履歴データを活用して起工測量を行う」ことへの、発注者の理解と英断があったわけですが、今回、この工事がインフラDX大賞として国土交通省から表彰されたことをきっかけに、「施工履歴データを活用して起工測量を行う」ことが、他の工事においても生産性の向上面から評価され、支障がない限り活用される方向に進めば大きな効果に繋がると感じました。

また、株式会社水清建設は、国土交通省東北地方整備局などから組織された「東北復興 DX・i-Construction 連絡調整会議」が表彰する『みちのく i-Construction 奨励賞』を令和4年(2022年)2月に受賞するなど、インフラDXに関する取り組みがこれまでも評価されてきたところであり、株式会社水清建設のインフラDXに関する取り組み、週休2日の推進や健康経営に関する取り組みなどの各種取り組みが、地域への大きな刺激となり、地域全体として「かっこいい建設業」が当たり前のこととして実施されることに、ぜひ繋がっていってほしいと思いました。

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