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現場監理の達人 現場監理に役立つチェック項目を、工程ごとにご紹介

集合住宅編
第13回 鉄骨工事-2

2015/12/24

合住宅建設における工事監理者の業務を主体とした「現場監理の達人 集合住宅編」では、全37回にわたり工種ごとの工事監理のポイントについて、専門用語の解説や事例写真を使いわかり易く解説しています。工種別のチェックリストもPDF形式でダウンロードできますので、ぜひ業務に活用ください。

ここでの監理者の心構え

骨工事は、構造が鉄骨だけ使った鉄骨造(S造)と、鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせた鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の場合があります。分譲集合住宅ではS造は少なくRC造が使われ、一部にSRC造が使われています。分譲集合住宅では、隣家との界壁がしっかりした鉄筋コンクリートが選ばれているようです。

鉄骨工事の工程は、大きく鉄骨製作段階と現場施工段階に分けられます。現場で問題なく施工するためには、鉄骨製作段階の管理が重要になります。鉄骨製作材の納期から逆算して、工作図(鉄骨製作図)の作成、図面承認、鉄骨加工・組立、製品検査、出荷の工程を管理します。また、鉄骨製作工場の選定の承諾、工作図と設計図書との照合、鉄筋の納まりや設備スリーブ等の位置と補強の確認、製品検査などを実施します。

前回は現場施工段階でのアンカーボルトの設置を,解説しました。今回は引き続き、鉄骨建方、高力ボルト締めなどの監理について解説します。鉄骨工事は建物の構造体となるものであり、工事監理者は監理ポイントをしっかりとチェックしなければなりません。

3.現場施工

④ 鉄骨建方

鉄骨建方では、ダイナミックに建物の骨組みが造られていきます。鉄骨建方は柱、梁の順序で組み立てます。仮締めボルトで組立て、建入検査を実施し建入れを修正します。建入れ修正後に、仮締めボルトを本締めボルトに入れ替えて鉄骨を固定します。

鉄骨建方では地震や強風が来ることも想定し、鉄骨が自立できるように、箱状に固めながら進めます。鉄骨上に材料や重機を積載する場合には、工事監理者の承諾を受けて、必要に応じて適切な補強を行います。

鉄骨建方
  • 重量物を扱い高所作業になるので、安全には充分に注意して工事を進めます。
  • 重量物を扱い高所作業になるので、安全には充分に注意して工事を進めます。

重量物を扱い高所作業になるので、安全には充分に注意して工事を進めます。

鉄骨建方の状況
  • クレーンによる揚重の効率を上げるために、梁を2本吊っています。

    クレーンによる揚重の効率を上げるために、梁を2本吊っています。

  • 鳶職が梁の上で作業をしています。安全帯を掛ける親綱と水平ネットが張られています。

    鳶職が梁の上で作業をしています。安全帯を掛ける親綱と水平ネットが張られています。

工事監理者は、建方検査で形状及び寸法精度を確認します。建入れ精度では、下げ振りを下げて、上下の寸法差を測定します。建入れ修正では、鉄骨が梁でつながっているので、一カ所を動かすと他の柱にも影響します。全体のバランスを考えながら、建入れ修正をします。

建入自主検査
  • 各柱についてX方向とY方向の建入検査をします。全体をみて修正方針を決めます。

    各柱についてX方向とY方向の建入検査をします。全体をみて修正方針を決めます。

  • 柱の上部と下部の差を測定し、どちら側に何ミリ倒れているのかを記録します。

    柱の上部と下部の差を測定し、どちら側に何ミリ倒れているのかを記録します。

⑤ 高力ボルト締め

建築工事ではトルシア形高力ボルトが使われることが多く、その理由は高力ボルトに付いているピンテールが切れることでトルク管理が行われ、目視で確認できるからです。トルシア形高力ボルトは、建築基準法に基づき認定を受けたものを使います。

トルクとは締め付ける力のことです。トルク値が小さいと部材同士の接合が不十分になります。トルク値が大きすぎると、ボルトが破損してしまいます。高力ボルト接合では、適切なトルク値管理が重要になります。

トルシア形高力ボルト

トルシア形高力ボルト

ボルトを締めたときに定められたトルク値で、写真の○で示された部分(ピンテール)が切れ、ボルトがそれ以上締まらないことでトルク値を管理します。

⑤−1 受入検査

トルシア形高力ボルトの受入検査で、規格、種類(写真ではS10T)、寸法(径、首下長さ)、数量を確認します。高力ボルトは品質に影響を及ぼさないように、包装のまま保管管理します。施工直前に包装を解いて使用し、使用しなかった高力ボルトは、再び箱に戻して保管します。

高力ボルトの受入検査
  • 高力ボルトの受入検査
  • 高力ボルトの受入検査
⑤−2 軸力検査

トルシア形高力ボルトの軸力検査をして、所定のトルク値が発揮できているか確認しています。

  • 1.軸力検査の準備
    1.軸力検査の準備
  • 2.一次締め
    2.一次締め
  • 3.一次締め後のマーキング
    3.一次締め後のマーキング
  • 4.本締め後の軸力測定
    4.本締め後の軸力測定
⑤-3本締め

高力ボルトの締付けは、一次締め、マーキング、本締めの工程で進めます。高力ボルトが複数集まって群になっている場合に、中央から外側の開放された側に向かって締めます。規定された一次締付けトルク値でプレート同士をバランスよく密着させ、マーキング後にピンテールが切れるまで本締めを行います。

  • マーキング
    マーキング

    マーキングによって、「ナットとボルト」「ナットと座金」が一緒に回ってしまう「共まわり」や異常な回転量などの締付け不良が発見できます。

  • 本締め
    本締め

    トルク値が出た時点で、ピンテールが切れます。目視で本締めが確認できます。

⑥デッキプレート

デッキプレートは、鉄骨の梁に渡す床材です。デッキプレート上に鉄筋を配筋してコンクリートを打設し床を造ります。受入検査では、材質、形状及び寸法が仕様通りであることを確認します。

  • デッキプレートの搬入
    デッキプレートの搬入
  • コンクリート止め枠の溶接
    コンクリート止め枠の溶接
⑦スタッドボルト

スタッドボルトの受入検査では、包装の表示でJIS製品を確認、スタッドのヘッドマークでメーカーを確認、測定により寸法を確認します。

スタッドボルトの受入検査
  • スタッドボルトの受入検査
  • スタッドボルトの受入検査

スタッドボルトの仕上高さは、指定された寸法の±2㎜以内、傾きは5度以内とします。スタッドボルト溶接は、設計図書に基づいて打撃曲げ試験をします。打撃曲げ試験により、15度まで曲げたスタッドボルトは、欠陥のない場合はそのまま使用します。

  • スタッドボルトの溶接
    スタッドボルトの溶接

    スタッド溶接は、技能資格者によって実施します。

  • スタッドボルト溶接の打撃曲げ試験
    スタッドボルト溶接の打撃曲げ試験

    設計図書に定められた抜き取り本数について実施します。

「鉄骨工事の確認」ができる
チェックリストをダウンロード

工事監理では、「工事と設計図書との照合及び確認」が求められていますが、具体的に何を確認するのかは明確ではありません。どのような確認項目があるのか、体系的に理解していただけるように、チェックリストをご提供します。

チェックリストは2つあります。1つは、工事監理ガイドラインの「確認項目及び確認方法の例示」です。もう1つは、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)を参考に作成した「工事監理チェックリスト」です。しっかりとした確認をするために、これらのチェックリストをご活用ください。

PDFファイルをご覧になるには、Adobe® Reader®がインストールされている必要があります。インストールされていない場合は左のアイコンからダウンロードが可能です。

原稿協力

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