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木学会が平成12年に設立した認定制度──『土木学会選奨土木遺産』。顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的に、400を超える構造物が認定されています。(9/26現在)
コンコムでは、たくさんの土木遺産の中から、最寄り駅から歩いて行ける土木遺産をピックアップし、「土木遺産を訪ねて─歩いて学ぶ歴史的構造物─」を不定期連載します。構造物までの道程、周辺の見どころ等、参考になれば幸いです。
みなさんも旅のついでに少しだけ足を延ばして、日本の土木技術の歴史にふれてみてはいかがでしょうか。

File 08

【萬代橋/新潟県新潟市】

銘板
認定年
平成14年度(2002年度)
所在地
新潟県新潟市中央区万代
竣工
昭和4年(1929年)
橋長
306.9m
幅員
22.0m
構造形式
鉄筋コンクリート造6連アーチ橋
設計者
福田武雄
萬代橋
  • Start

    中川運河堀止からは、名古屋港までの水上バス「クルーズ名古屋」が運行しており、水上の景色を楽しむことができます。残念ながら、夏季以外は土日祝日のみの運行となっているため、当日はその姿を見ることはできませんでした。

  • Point 1

    駅前から延びる大通りを歩くこと約500m。「流作場五差路」に初代「萬代橋」の橋名板のレプリカがあります。現在の萬代橋は、実は三代目なのです。初代の萬代橋(橋長:782m・幅員:7.3m)は、明治19年(1886年)11月完成、設計は後の初代土木学会会長・古市公威氏によるものです。ちなみに初代の萬代橋は、よろず代(よ)までも新潟の発展に尽くすことを願って、「よろずよばし」と命名されたそうです。しかも当時の信濃川は現在の約3倍もの川幅があり、ここに木橋を架けたことは、大変な事業であったと思います。

    写真2)初代「萬代橋」橋名板(レプリカ)

    写真2)初代「萬代橋」橋名板(レプリカ)

  • Point 2

    初代の橋名板から200mほど進むと、左手に大きな商業ビル「ラブラ」が見えてきます。正面にある「万代クロッシング」と表示された地下に降りる階段、ここが土木遺産に関わる必見スポットです。交差点の地下に作られた広いスペースに、大きなガラス張りの展示コーナーがあります。中には土木学会選奨土木遺産認定プレートや福岡市「名島橋」との兄弟橋縁組の調印書、設計計算書、初代~三代目までの歴史年表、実際に現在の萬代橋で使われている「照明灯・橋側灯」の模型等を間近に見ることができます。

    写真3) 土木遺産展示コーナー

    写真3) 土木遺産展示コーナー

    写真4)発見された基礎杭

    写真4)発見された基礎杭

    最も興味深いのが、展示コーナー横に鎮座する「基礎杭」です。これは、平成8年(1996年)にこの万代クロッシング建設工事が行われた際に地中から発見された、初代・二代目萬代橋を支えていた基礎杭。当時の萬代橋の姿がうかがえる貴重な資料といえます。

  • Point 3

    写真5)新潟日報メディアシップ

    写真5)新潟日報メディアシップ

    万代クロッシングを出ると、右前方に大きなビルがあります。新潟市のランドマークのひとつ「新潟日報メディアシップ」です。オフィスの他、レストランや記念館もありますが、オススメは20Fにある「そらの広場/展望フロア」。新潟市を地上100mから360度見渡すことができます。無料ですので、時間のある方はぜひご訪問を。夜23時まで利用できるそうですので、夜景を楽しむこともできます。

  • Goal

    メディアシップを越えると、前方に歩道の広い橋が見えてきます。今回の探訪の目的地「萬代橋」です。三代目となる現在の萬代橋は、昭和4年(1929年)に建設されましたが、これまで何度か改修工事が行われています。当時のままの設備や構造物、復元された構造物も数多くありますので、信濃川の上流側、下流側ともにゆっくりと散策することをお勧めします。

    写真6)親柱・橋名板

    写真6)親柱・橋名板

萬代橋の見どころ

ここでは、橋の特徴的な部分や見どころを紹介します。

萬代橋の見どころ

散策ルートは、まず新潟駅方面から橋の左側、信濃川の上流側を歩き、橋を渡ったところでぐるりとUターン。今度は新潟駅方面に向かって信濃川の下流側を歩きます。

見どころ①/重要文化財指定銘板

写真7)萬代橋紹介銘板と重要文化財指定銘板(中央)

写真7)萬代橋紹介銘板と重要文化財指定銘板(中央)

川に差し掛かる手前に萬代橋の架橋の由来や構造等が紹介されている銘板、国の重要文化財指定の銘板を見ることができます。

見どころ②/忠実に復元された親柱・隅柱

写真8)建設当時の親柱(左)と復元された隅柱(右)

写真8)建設当時の親柱(左)と復元された隅柱(右)

萬代橋の橋詰は建設当時、12本の柱で囲まれていました。そのうち現存するのは4本の親柱と3本の隅柱。残りの5本は、当時のデザインを忠実に再現し、見事に復元されています。

見どころ③/照明灯の電車用架線フック

写真9)再現された電車用架線フック

写真9)再現された電車用架線フック

大正14年(1925年)の新潟県都市計画では、新潟駅前から、萬代橋を経て、今の新潟市役所まで路面電車を通す計画がありました。萬代橋も軌道敷(幅5.5m)を含む広幅員(22.0m)で建設されましたが、その後、この計画は断念されました。建設当時の道路照明灯には、電車用架線フックが設置されており、このフックも忠実に再現されています。

見どころ④/高浜虚子の句碑

写真10)高浜虚子の句碑

写真10)高浜虚子の句碑

「千二百七十歩なり 露の橋」。大正13年(1924年)9月11日、新潟を訪れた俳人高浜虚子が、宿泊していた旅館から萬代橋を渡って散歩に出た朝に詠まれた句といわれています。当時は二代目萬代橋の時代。今の3倍も川幅のあった信濃川を渡るだけでも、随分と時間がかかったと思われます。

見どころ⑤/新潟ブルースの歌碑

写真11)新潟ブルースの歌碑

写真11)新潟ブルースの歌碑

新潟県出身の作詞家・山岸一二三氏が作詞し、美川憲一さんらが歌った「新潟ブルース」この歌碑は、新潟市市政百周年記念として建てられたものです。

見どころ⑥/橋の状態をチェックする測定点

写真12)測定点

写真12)測定点

橋の歩道部分に点在するこの丸い点。知っていると少し自慢できるかもしれません。これは、コンクリート造の萬代橋の状態を確認するための測定点です。夏と冬の気温差の激しい新潟では、気温に合わせてコンクリートの伸縮が大きく、その伸縮度合いが適正であれば、橋に問題がないとうことで、定期的に点検されているそうです。ちなみのこの測定点は上下流それぞれ15か所あります。また、萬代橋には雪をセンサーで感知して溶かすヒーターも埋め込まれています。

見どころ⑦/下流に架かる柳都大橋

写真13)柳都大橋

写真13)柳都大橋

新潟駅側の橋詰広場から川沿いに下ると、そこには信濃川を眺めながら散策できるオープンスペースが広がっています。ここからは、萬代橋の交通量の負担を軽くする目的で、平成14年(2002年)に架けられた柳都大橋を眺めることができます。

Album

  • 万代クロッシングの入口

    万代クロッシングの入口

  • 福岡・名島橋との兄弟縁組調印書(上)

    福岡・名島橋との兄弟縁組調印書(上)

  • 設計計算書の草稿

    設計計算書の草稿

  • 重要文化財指定銘板

    重要文化財指定銘板

Topics

道路元標

道路元標

萬代橋には国道7号、8号、17号、113号、350号の5つもの国道が重複して通っており、古くから、新潟の東西を結ぶ交通の生命線を担ってきたことがわかります。今回の探訪の番外編として、ぜひこれらの路線の「道路元標」を紹介したいと思います。新潟駅から萬代橋を渡って500mほど、本町交差点に設置されています。この道路元標には、これら5つの国道のほか、国道116号、289号、402号も含めた全8路線の起終点であることが示されています。ちなみにこの数は、高知県高知市の県庁前交差点と並んで日本最多です。
この「土木遺産を訪ねて」の第一回目となった福岡・名島橋の紀行にも書きましたが、この両橋は、「兄弟橋」として正式に縁組された橋ということで、萬代橋はぜひ訪れたい場所でした。調印書には「新潟萬代橋、福岡名島橋は、ともに昭和初期の架橋技術の粋を集めた御影石張りの鉄筋コンクリート橋であり、それぞれの地域の発展に多大な功績を記し、市民の誇りとする名橋である・・・」と記されています。また、この縁組により、両市は交流・友好を深めているそうです。市民の往来を支える橋が、遠く離れた地域との交流にも一役買っているという素敵な話です。

Map

地理院地図をもとにCONCOM事務局にて作成

【今回歩いた距離:約3.0km JR新潟駅~萬代橋~道路元標(往復)】

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