トピックス 建設業界で話題の出来事をConCom独自の視点でご紹介

2023/04/03

『水と生きる建築土木遺産』

『水と生きる建築土木遺産』

著者/後藤治 二村悟
写真/小野吉彦
出版社/株式会社彰国社
発行日/2016年6月10日
ISBN/9784395320639
定価/2,300円+税

水辺に建てられた建築物や土木構造物にスポットを当てた本書。
本書は、(一財)全国建設研修センター発行の機関誌「国づくりと研修」の「近代土木遺産の保存と活用」などのコーナーで筆者が紹介した土木遺産を中心に、全国に点在する、「水」に係わる様々な建築土木遺産を、筆者の感性でピックアップし、その歴史や技術、そして現代における役割について解説しています。
例えば、暴れ川であった日川の中流域の山梨県甲州市勝沼町に造られた「勝沼堰堤」(大正6年竣工)。日川の氾濫によって、ぶどう畑が浸水し、大被害になることがしばしばあったことから、日川水制群とともに多数建設された砂防堰堤の一つで、平成9年に国の登録有形文化財に指定されています。「勝沼堰堤」は、川の蛇行点を堰堤で締め切るとともに、堰堤左岸側にある岩盤を低く削り落としてその上をショートカットした川の水が滝のように流れ落ちる構造となっており、周囲の自然とマッチした美しい景観を創り出しています。現在町内に広がる豊かなぶどう畑は、これらの砂防施設の恩恵を受けつつ、我が国有数のワイン生産量を誇っています。
本書はそのほか、伝統的な消防水利の確保に取り組んでいる世界遺産「白川郷」など、建築土木遺産が54事例も掲載されており、建築物や土木構造物に興味がある人はもちろん、文化や歴史に関心がある人にも役立つ貴重な一冊です。

新着記事

現場の失敗と対策

2024/07/01
コンクリート工事 3)打設後(養生・修繕等) シールド用セグメントにひび割れ(軸方向)発生

コラム

2024/07/01
コンクリートのひび割れは許容できますか?

トピックス

2024/07/01

「i-Construction」の取り組みを加速 ~国土交通省~

令和6年6月5日~6日、「夢メッセみやぎ」(仙台市)で、378の企業・団体が958の最新の建設技術を紹介する展示会『EE東北’24』が開催されました...

今月の一冊

2024/07/01

『東京の美しいドボク鑑賞術』

東京のちょっとマニアックな土木構造物――「多摩ニュータウンの歩道橋群」や、羽村市にある史跡「五ノ神まいまいず井戸」など...

働き方改革

2024/07/01

日常の労務管理Q&A 第1回~労働時間の基本

2024年4月より、建設業においても時間外労働の上限規制が適用となりました。労働基準法第33条1項には...

現場探訪

2024/04/01

令和3年度 道改交金第139-3 長井古座線道路改良工事 小規模工事へのICT土工の全面適用

今回の現場探訪(ICTの現場)は、令和5年度国土交通省「インフラDX大賞」の優秀賞を受賞した「令和3年度 道改交金第139-3 長井古座線道路改良工事」です。...