2024/05/01
(表紙画像は出版社ホームページより)
発行/日刊工業新聞社
著者/溝渕利明
発行日/2024年1月
価格/本体1,980円(税込み)
ISBN/9784526083181
土木工事の施工方法は、安全性はもちろんのこと工事費や工期だけでなく、構造形式、材料、環境条件など、さまざまな要因によって変わる。本書は、そうした施工方法を変化させる要因に着目し、「~によって施工が変わる」をキーワードに章立てした。土木施工を扱う書籍は数多くあるが、こうした切り口で解説しているものは珍しい。各章で取り上げた要因がもたらす変化を徹底的にかみ砕いて説明し、イラストでわかりやすく紹介することで、どの部分からでも気軽に読める1冊だ。
特に第7章「データで施工が変わる」では、国土交通省が推進するi―ConstructionやBIM/CIMなどのデジタルデータを活用した建設生産システムを紹介。この中で、ドローンやレーザースキャナーで行う点群測量、3次元設計モデル、ICT建機などの新技術のポイントを解説するとともに、関係者間の情報共有の効率化・高度化、施工の自動化などの具体的なメリットを紹介する。さらには現場で得られるデータとIoT、AI、ロボットなどの最先端の技術が融合した建設生産システムの将来を展望している。
コンクリートの専門家で、大手ゼネコンにも勤務した著者だからこその、土木施工に影響を与えた偉人を紹介するコラムも見どころだ。最終章「土木施工は日々進化していく」まで読み通すと、最後のフロンティアとされる深海や、宇宙での建設施工へと土木技術が活躍できるステージがひろがり、目の前に、新たな可能性が広がっていることを実感する。
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