土木遺産を訪ねて 最寄り駅から歩いて行ける土木学会選奨土木遺産を紹介。周辺の見どころ等、旅の参考にしてください。

木学会が平成12年に設立した認定制度──『土木学会選奨土木遺産』。顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的に、すでに400近い構造物が認定されています。
コンコムでは、たくさんの土木遺産の中から、最寄り駅から歩いて行ける土木遺産をピックアップし、「土木遺産を訪ねて─歩いて学ぶ歴史的構造物─」を不定期連載します。構造物までの道程、周辺の見どころ等、参考になれば幸いです。
みなさんも旅のついでに少しだけ足を延ばして、日本の土木技術の歴史にふれてみてはいかがでしょうか。

File 03

【松重閘門/愛知県名古屋市】

認定年平成22年度(2010年度)
所在地愛知県名古屋市
塔高さ(中川運河側)約20m(堀川側)約22m
完成年昭和5年(1930年)
松重閘門
  • Start

    今回は、リニア新幹線開業に向けて開発が進む『名古屋』駅からスタート。名鉄百貨店前、地元の待ち合わせスポットとして有名な「ナナちゃん像」を通り過ぎ、名駅通を15分程直進後、名古屋高速の高架下を右折して寄り道。高速道路の南側には中川運河堀止と、高架下の公園と一体的に整備された堀止緑地が広がります。
    ※中川運河堀止近辺は、工事により通行できない可能性もあります。

  • Point 1

    中川運河堀止からは、名古屋港までの水上バス「クルーズ名古屋」が運行しており、水上の景色を楽しむことができます。残念ながら、夏季以外は土日祝日のみの運行となっているため、当日はその姿を見ることはできませんでした。

  • Point 2

    中川運河堀止から運河沿いを南へ歩くこと5分、道沿いに金刀比羅社が鎮座しています。名古屋城築城時、この付近は石垣のための石切り場であったという伝承が残っています。

  • Goal

    中川運河にかかる小栗橋を渡り、運河沿いを東へ約10分。東海道新幹線・中央本線・東海道本線・名鉄名古屋本線と4つの線路下を抜けると、ヨーロッパの古城を思わせる『松重閘門』に到着します。

Album

  • 高架下公園の遊具

    高架下公園の遊具

  • 中川運河(名古屋港方面)

    中川運河(名古屋港方面)

  • 松重閘門案内(松重閘門公園内)

    松重閘門案内(松重閘門公園内)

  • 都市景観重要建築物銘鈑

    都市景観重要建築物銘鈑

  • 松重閘門解説(県道107号線沿い)

    松重閘門解説(県道107号線沿い)

  • 名鉄名古屋本線山王駅

    名鉄名古屋本線山王駅

今回は名古屋駅から歩きましたが、最寄り駅である名鉄名古屋本線の山王駅からは徒歩5分程度です。山王駅から帰路につくことも考えましたが、松重閘門で中川運河とつながっていた堀川を上流に向かって5分程歩くと、同じく選奨土木遺産である『岩井橋』があるので訪ねてきました。

【岩井橋/愛知県名古屋市】

岩井橋銘板
認定年平成19年度(2007年度)
所在地愛知県名古屋市
橋長30.0m
幅員29.5m
構造形式鋼製アーチ橋
完成年大正12年(1923年)

Topics

岩井橋は日本に現存する2番目に古い鋼アーチ桁橋で、側面の半円アーチ形の飾り板が印象的です。岩井橋のかかる堀川は名古屋城築城時にその材料運搬のために開削された運河であり、江戸時代から昭和にかけて名古屋物流の中心として活用されてきました。橋の四隅には船の荷揚げ用の階段が今も残っており、その名残を感じさせます。
松重閘門は、新たに開削された中川運河と堀川をつなぐ閘門として昭和5年(1930年)に完成すると、物流量を大いに増大させました。しかし、物流が船から道路輸送へと変化したこともあり、昭和43年(1968年)に使用が停止され、その役目を終えました。松重閘門を解体する案もありましたが、塔の保存を求める市民からの声も多く、昭和52年(1977年)に永久保存が決定され、現在は松重閘門公園の一部として整備されています。

現在、名古屋市では『松重閘門』を再び堀川と接続することで、名古屋城から名古屋港までの観光船を就航し、観光資源として活用しようとする案も出ているそうです。『岩井橋』と『松重閘門』という2つの土木遺産を通る観光船、是非実現して欲しいと願います。

Map

地理院地図をもとにCONCOM事務局にて作成

詳細地図(出典:国土地理院)

松重閘門

岩井橋

【今回歩いた距離:約6km(名古屋駅~松重閘門~岩井橋~名古屋駅)】

土木学会選奨土木遺産紹介ページ
クルーズ名古屋

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