土木遺産を訪ねて 最寄り駅から歩いて行ける土木学会選奨土木遺産を紹介。周辺の見どころ等、旅の参考にしてください。

木学会が平成12年に設立した認定制度──『土木学会選奨土木遺産』。顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的に、500件を超える構造物が認定されています。
コンコムでは、たくさんの土木遺産の中から、最寄り駅から歩いて行ける土木遺産をピックアップし、「土木遺産を訪ねて─歩いて学ぶ歴史的構造物─」を不定期連載します。駅から歴史的土木構造物までの道程、周辺の見どころ等、参考になれば幸いです。
みなさんも旅のついでに少しだけ足を延ばして、日本の土木技術の歴史にふれてみてはいかがでしょうか。

File 32

千垣橋梁

【千垣橋梁】(ちがききょうりょう)

認定年平成25年度(2013年度)
所在地富山県中新川郡立山町、富山市
竣工昭和12年(1937年)
選奨理由千垣橋梁は、常願寺川の県営電源開発事業の一環として、小池啓吉の設計により架けられた鋼スパンドレルブレーストアーチの美しい鉄道橋であります。

Start

今回の歩いて学ぶ土木遺産は、富山地方鉄道・立山線が、終点である立山駅(立山黒部アルペンルートの富山側出発点:MAP参照)の手前約7kmの地点で、立山連峰から富山湾にそそぐ我が国屈指の急流河川「常願寺川」を渡る「千垣橋梁」です。この千垣橋梁近辺には鉄道沿いに進める道がなく、橋梁の近くに行くことができなかったため、橋梁から140mほど上流地点に架かる、県道182号原千垣停車場線の芳見橋(よしみばし)を千垣橋梁の全景を見るポイントとしました。なお、「千垣橋梁」の最寄り駅は千垣駅ですが、今回の行程は千垣駅から立山駅方面に1駅の有峰口駅(電鉄富山駅から約50分の無人駅)をStartし、常願寺川砂防施設群の一つである本宮砂防堰堤(ほんぐうさぼうえんてい)を訪れた後、出発地点方向に戻り、千垣橋梁を眺める芳見橋をGoalとします。

写真1)有峰口駅

写真1)有峰口駅

Point 1

有峰口駅から延びる道を50~60mほど進んだところの左側にある階段を降り、アンダーパスしている道を左に曲がって70mほど進むと三叉路があります。そこを左前方に進み、鉄道・立山線の下を潜り抜けて200mほど進むと、右側に富山市立小見小学校、左側に大山消防署小見分遣所がありますが、さらにその先60mほど進むと左手前方に見えるのが、本宮砂防堰堤です。この砂防堰堤は、常願寺川中流に位置し、平野部の手前の要の位置で流出土砂を貯砂・調節し、富山平野の土砂災害を防いでいる基幹の砂防堰堤です。高さ22m、長さ107.4mで、貯砂量は500万m3と我が国最大級の規模を誇っています。昭和10年(1935年)に着工、昭和12年(1937年)に完成していますが、当時の最先端の技術を導入したほか、現地採取可能な玉石を有効活用した、重力式粗石コンクリート堰堤となっており、表面には天然石が整然と並べられています。この本宮砂防堰堤は、平成11年(1999年)に登録有形文化財となり、平成29年(2017年)には、上流に設置されている、ほぼ同時期に完成した

写真2)本宮砂防堰堤周辺状況(現地説明看板より)

写真2)本宮砂防堰堤周辺状況(現地説明看板より)

写真3)本宮砂防堰堤

写真3)本宮砂防堰堤

・白岩砂防堰堤:立山カルデラ(後述)出口に設置された高さ63mの砂防堰堤。7基の副堰堤とあわせると落差は108mとなり、いずれも日本一の高さを誇る。昭和14年(1939年)完成。(平成21年(2019年)に「白岩堰堤砂防施設」として単独で国の重要文化財として指定済でした)

・泥谷砂防堰堤群:常願寺川支渓の荒廃著しい泥谷の浸食防止のための階段式砂防堰堤。標高差122m、延長467mの急斜面に重力式石張りコンクリート造の堰堤20基、床固3基が連続に設置され、現在は豊かな緑を創出している。昭和13年(1938年)完成。

とあわせて、新たに「常願寺川砂防施設」として国指定重要文化財となっています。本宮砂防堰堤は写真3に示す通り、前面全体をきれいに白糸のように流れ落ちる清流が、背後の山並みとも絶妙にマッチして、とても美しい景観を見せています。流れ落ちる清流はもちろん「もとの水にあらず」ですが、未来永劫変わることがないと感じさせる美しい風景に、清流の流れ落ちる音が響き、まさに「静寂にこだま」している景色は時が経つのを忘れるほどです。(5秒ほどの動画も撮影しましたので、あっという間の短い時間ですが、ぜひ音もお楽しみください)

なお、この砂防堰堤下流には、写真2に示す通り、歩いて渡れる「心のかけ橋」が架けられていますので、常願寺川の真ん中から、本宮砂防堰堤を眺めることもできます。

Goal

本宮砂防堰堤から、来た道を引き返して最初に降りてきた階段を上らずにまっすぐ進むと、県道182号原千垣停車場線に突き当たります。そこを右に曲がって300mほど進むと芳見橋です。橋長は116.5mで、車道幅員6mに幅0.75mの歩道が両側についていますので、芳見橋の真ん中から、ゆっくりと常願寺川に架かる「千垣橋梁」を眺めることができます。たまたま電車が橋梁を通過している写真を撮影できました。なお、橋梁を通過する電車から撮影した写真も掲載しますが、橋は河床から約30mの高さにあり、建設当時の苦労も十分偲ばれますが、管理橋も見当たらないことから、メンテナンスも相当大変ではないかと感じました。

千垣橋梁(芳見橋より)

写真4)千垣橋梁(芳見橋より)

写真4)千垣橋梁(橋梁を通過する電車より)

写真4)千垣橋梁(橋梁を通過する電車より)

Topics

今回の探訪は、土木遺産が山間部にあり、かつ最寄り駅から近かったことから、見どころをあまり紹介することができませんでした。そこで代わりに、千垣駅から常願寺川沿いに2kmほど先にある立山町芦峅寺(あしくらじ)界隈の見どころと、千垣駅から3駅先の鉄道・立山線の終点立山駅周辺にある砂防関係の施設について、以下に紹介することとします。なお、参考までに、後述する「津之浦下流砂防堰堤」近くに設置されていた「常願寺川砂防堰堤MAP」を示しておきます。
(参考)芦峅寺の最寄り駅は千垣駅ですが、千垣駅から町営バス(有料:5分程度)を利用できます。千垣駅から立山駅までは立山線で約20分です。

写真5)常願寺川砂防堰堤MAP(現地説明看板)<br>※立山駅の位置は「立山砂防工事事務所」が示すあたり

写真5)常願寺川砂防堰堤MAP(現地説明看板)
※立山駅の位置は「立山砂防工事事務所」が示すあたり

『雄山神社(おやまじんじゃ)・芦峅中宮祈願殿』(芦峅寺)
雄山神社は、富士山・白山とともに日本三霊山の一つとされる霊峰立山を神の山として奉斎する神社で、立山の主峰・雄山(海抜3003m)の頂上に鎮座する「立山頂上峰本社」、立山信仰の里、山麓芦峅寺に鎮座する「芦峅中宮祈願殿」、山麓岩峅寺に鎮座する「岩峅前立社壇」の三社殿から成り立つ、越中一宮神社です。芦峅中宮祈願殿は、立山の主峰「雄山」を正面に頂く位置にあり、立山信仰が女人禁制であった時代には、立ち入る事が出来た最終地でもあったそうです。芦峅寺雄山神社の境内には、高さ40m、樹幹周囲が3m以上に及ぶ立山杉が林立し、昼でも暗くなっています。なかでも推定500年以上の年輪を刻む古叢林は、県下でも珍しい富山県天然記念物に指定されており、その杉木立の中は神気に満ち厳粛な気配が漂っています。なお、岩峅寺及び芦峅寺の「峅」と言う文字には「神様の降り立つ場所」の意味があるそうです。

写真6)芦峅中宮祈願殿

写真6)芦峅中宮祈願殿

『富山県 立山博物館』(芦峅寺)
芦峅中宮祈願殿に隣接しているのが富山県立山博物館の展示館です。立山博物館は、立山の歴史と立山信仰、そしてその舞台となった自然を紹介しており、総面積約13haの広大な敷地の中に、常設展示を行っている「展示館」のほか、立山の自然と絵画「立山曼荼羅」の世界を映像資料で体感する映像ホール「遥望館」、「立山曼荼羅」の世界をオブジェやアート等で体感する「まんだら遊苑」、さらに「布橋」、「教算坊」をはじめとする多数の施設が点在する広域分散型博物館となっています。見どころは、「単に展示館の展示物を観覧するにとどまらず、地域の歴史的空間の散策などを通じて体感すること」と紹介されています。じっくりと3時間ほど散策するのがお勧めとのことです。なお、展示館・遥望館は「公共建築百選」(建設省設立50周年を記念して、昭和23年から平成7年3月までに完成した全国の公共建築のなかから優れた公共建築を選定し建設大臣が平成10年に表彰したもの)に選定されています。

写真7)立山博物館展示館の外観

写真7)立山博物館展示館の外観

『富山県 立山カルデラ砂防博物館』(立山駅周辺)
立山駅前のロータリーの奥、正面にあるのが国土交通省北陸地方整備局立山砂防事務所で、その左隣にあるのが富山県立山カルデラ砂防博物館です。カルデラとは「火山の活動によってできた大きな凹地」のことで、「大鍋」を意味するスペイン語「caldera」に由来するとのことです。立山カルデラは東西約6.5km、南北約4.5kmの楕円形の巨大な窪地ですが、安政5年(1858年)における推定M7.3~7.6の安政の飛越地震で発生した、日本三大崩れの一つとされる「鳶崩れ」(大鳶山、小鳶山の大崩壊)により、大量の土砂が堆積しています(崩壊土砂量は約4.1億m3と言われています)。その地震により立山カルデラ出口付近などに天然ダムができ、地震発生2週間後と2カ月後に、それぞれ天然ダムが決壊して大土石流が下流部を襲い、富山県史上最大の「安政の大災害」が発生しています。

写真8)立山カルデラ砂防博物館

写真8)立山カルデラ砂防博物館

その後も立山カルデラに堆積した土砂により、常願寺川流域に度重なる土砂災害が発生したことから、明治39年(1906年)に富山県が立山カルデラの砂防工事に着手し、大正15年(1926年)には国に引き継がれて現在に至っています(今でも約2億m3の堆積土砂があると言われています)。立山カルデラ砂防博物館は、立山や立山カルデラの自然・歴史、立山カルデラで100年以上続けられている砂防事業について紹介しています。立山カルデラ展示室と大型映像の観覧は有料になりますが、それ以外の立山紹介コーナー・立山周辺大型地形模型・SABO展示室などは無料で、十分な見応えがあります。7月~10月にはバスやトロッコで立山カルデラを現地見学する「立山カルデラ砂防体験学習会」(有料:出発地はコースにより博物館前あるいは富山駅北口)も開催されています(事前申し込みが必要ですので、詳細は立山カルデラ砂防博物館HPでご確認ください)。

『トロッコ列車』(立山駅周辺)
砂防博物館の建物を出てすぐ左に曲がり、立山砂防事務所の敷地沿いに木立の中の狭い道を進むとトロッコ列車の軌道が立山砂防事務所の構内にも敷設されているのを見ることができます。さらに進んで斜路を降りていくと、トロッコ展示レーンと表示された引き込み線にトロッコ列車(過去に使用されていた機関車(ガソリン車:4t))が展示されていました。このトロッコの軌道は砂防工事専用であり、トロッコ列車は立山の砂防工事において工事資材や人員を最前線の工事現場に輸送する重要な役割を果たしているほか、工事期間中を立山カルデラ内で暮らす人々の生活物資輸送路として欠かせない存在となっています。昭和6年(1931年)に軌道とインクラインの組み合わせで全線開通したそうですが、その後もスイッチバックの設置などが行われ、昭和40年(1965年)に現在の軌道の形となったそうです。

写真9)トロッコ列車(展示レーン)

写真9)トロッコ列車(展示レーン)

標高476m地点と標高1,117m地点との標高差約640mを約1時間45分で結ぶ延長約18kmの軌道には、42段のスイッチバックが設置されており、なかでも高低差約200mを一気に登る樺平の連続18段のスイッチバック(連続数世界一)は、他に類をみないとても珍しいものとのことです。このように大規模な工事用の施設が長期間保たれているシステムは全国的にもなく、立山砂防のシンボルの一つとなっているとのことです。なお、トロッコ列車は立山カルデラ砂防博物館2FのSABO展示室にも実車が展示されています。

『津之浦下流砂防堰堤』(立山駅周辺)
トロッコ列車の展示レーンから、常願寺川右岸河川敷地内の、車が通れるほどの舗装路を600mほど上流に進むと、そこから先は車の乗り入れ禁止になっています。徒歩では進めるのですが、少し遠くに見える津之浦下流砂防堰堤までは、うっそうとした樹木があったこともあり、乗り入れ禁止地点から少し先に進んだ地点から、写真を撮影しました。津之浦下流砂防堰堤は平成2年度(1990年度)着工、平成8年度(1996年度)完成で、高さ13.5m、長さ221mの、中央部に魚道を設けた、常願寺川で最初の大型スリット堰堤とのことです。スリットは2つ設けられているとのことですが、眺めた地点からは魚道やもう一つのスリットを確認できませんでした。なお、津之浦下流砂防堰堤の下流には、千寿ケ原床固群とよばれる床固が多数設置されており、その床固群の背後に映った津之浦下流砂防堰堤の遠景写真で、スリットが2つあることをかろうじて確認しました。

写真10)津之浦下流砂防堰堤(近景)

写真10)津之浦下流砂防堰堤(近景)

写真10)津之浦下流砂防堰堤(千寿ケ原床固群)

写真10)津之浦下流砂防堰堤(千寿ケ原床固群)

『瀬戸蔵砂防堰堤』(立山駅周辺)
瀬戸蔵砂防堰堤は、支川の称名川が常願寺川に合流する地点の直下流に設けられた、高さ10.5m、長さ212mの砂防堰堤です。昭和28年(1953年)着工、昭和40年(1965年)完成で、富山地方鉄道の電車が立山駅に到着する直前に、車窓から眺めることができる砂防堰堤です。なお、立山駅から県道43号富山上滝立山線に出て、富山方面に少し歩くと常願寺川を渡る橋があり(立山駅から300mほど)、そのあたりからも瀬戸蔵砂防堰堤を見ることはできるのですが、上流側から見ているため全体像が把握しづらく、富山地方鉄道の車窓から確認する方がお勧めです。なお、車窓から瀬戸蔵砂防堰堤を撮影したのですが、タイミングが悪く、写真の真ん中に架線の支柱が映ってしまったため、その写真は本文には掲載せず、末尾のAlbumに掲載しておくこととします。

写真11)瀬戸蔵砂防堰堤(県道43号より)

写真11)瀬戸蔵砂防堰堤(県道43号より)

以上、今回は、土木遺産「千垣橋梁」と国指定重要文化財「常願寺川砂防施設」の一つである「本宮砂防堰堤」を探訪したほか、立山町芦峅寺の立山信仰に係わる「雄山神社」、「富山県立山博物館」と、富山地方鉄道・立山駅周辺の立山カルデラに係わる「富山県立山カルデラ博物館」、「トロッコ列車」、「津之浦下流砂防堰堤」、「瀬戸蔵砂防堰堤」を紹介しました。
鉄道・立山駅から先の立山黒部アルペンルートは、一般車両は通行禁止になっていますので、富山県側からご利用の際には、必ず通ることになる立山駅で時間を取って周辺を散策してみるのはもちろんのこと、できればさらに時間を取っていただき、途中下車して、ぶらりと千垣橋梁、本宮砂防堰堤も訪れてみるのも楽しいと思います。また芦峅寺で立山信仰に触れるのもお勧めです。
なお、千垣橋梁を走る富山地方鉄道は、富山県東部を広範囲にカバーする地方鉄道です。昭和5年(1930年)に設立された富山電気鉄道を母体としていますが、現在の富山地方鉄道を構成する鉄道線、軌道線の中で最初に開業したのは、上市-滑川間の立山軽便鉄道とされています。その富山電気鉄道は、富南鉄道、富岩鉄道を合併した後、昭和18年(1943年)に黒部鉄道、越中鉄道、加越鉄道、富山県営鉄道、富山市営鉄道と合併し、「富山地方鉄道」として発足した歴史があります。その後も路線の譲渡・廃止などを行い、鉄道関係事業としては、電鉄富山駅~宇奈月温泉駅(53.3kn)を本線とする、総営業キロ108.4km(令和4年度(2022年度)末現在)の路線網を有しています(写真1に示す通り、有峰口駅に「小見駅」の表示があるのもその名残だと推察します)。
また、千垣橋梁が建設されたのは富山県営鉄道の時代ですが、当時の富山県は、毎年のように水害に見舞われていた常願寺川流域の復興事業のための資金確保に追われており、ダムを建設してその治水効果に期待するとともに、水力発電所をこれに付設して、発生した電気を売却して得た利益を県の財政に充てようとしていました。そこで常願寺川の支流・和田川上流に位置する有峰盆地に計画されたのが有峰ダムであり、その関連で建設された千垣橋梁の完成とともに昭和12年(1937年)に富山県が建設工事に着手しています。工事は、太平洋戦争の影響により1943年(昭和18年)9月に中止となってしまいましたが、戦後、北陸電力株式会社により、世界銀行からも融資を受ける大事業として再開され、昭和35年(1960年)に高さ140m、堤頂長500m、総貯水量2億2,300万m3(建設時)を持つ、重力式コンクリートダムとして完成しました。(同じ富山県内に関西電力株式会社が建設した、日本一の高さ186mを誇る、観光放流でも有名なアーチ式の黒部ダムは、堤頂長492m、総貯水容量約1億9,900万m3(建設時)であり、いずれもわずかに有峰ダムの方が大きいほどの巨大なダムです)

鉄道に関心が高い方は、富山地方鉄道の歴史を調べてみるのもお勧めですし、ダム好きな方は、標高約1,100mの地点に建設された有峰ダム(堤体が一部カーブしている特徴もあります)を見るのもお勧めです。

※有峰ダムは、富山地方鉄道有峰口駅から車で40分ほどかかります(有峰林道(有料)を通る必要があります)。なお、富山地方鉄道の運行期間限定のバス「富山―有峰線」を利用することもできます。

また、立山方面に向かう出発地として富山市を訪れる際には、ぜひ富山市役所7階の展望塔に上がっていただき、地上70mの高さから360度の大パノラマを御覧いただけたらと思います。遠くに立山連峰、眼下に富山市街地を望む景色は圧巻です。

※ 千垣橋梁を設計した小池啓吉氏(明治28年(1895年)富山県高岡市生まれ)は、関東大震災後に行われた東京市の復興橋梁事業において、お茶の水橋、吾妻橋、両国橋の設計・施工を担当する等、中心的役割を果たした橋梁技術者で、著書『小池橋梁工学 第1~3巻』は土木学会「戦前土木名著百選」に選定されています。小池氏は両国橋が竣工した昭和7(1932)年 に東京市を退職していますので、千垣橋梁に携わったのはその後と考えられます。なお、平成24年(2012年)に架け替えられましたが、昭和11年(1936年)に完成した旧富山大橋(完成当時、新聞に「文化の架け橋モダン富山の豪華橋」と評された鉄筋コンクリート橋)も小池氏が中心的な役割を果たしたとされています。

Album(※)写真をクリックすると全体をご覧いただけます

  • 重要文化財 本宮砂防堰堤 記念碑

    重要文化財 本宮砂防堰堤 記念碑

  • 本宮砂防堰堤(「心のかけ橋」より)

    本宮砂防堰堤(「心のかけ橋」より)

  • 本宮砂防堰堤(芳見橋より)

    本宮砂防堰堤(芳見橋より)

  • 富山県立山博物館展示館 銘板

    富山県立山博物館展示館 銘板

  • トロッコ軌道(立山砂防事務所構内)

    トロッコ軌道(立山砂防事務所構内)

  • 瀬戸蔵砂防堰堤(富山地方鉄道車窓より)

    瀬戸蔵砂防堰堤(富山地方鉄道車窓より)

  • 富山市役所展望塔からの景色

    富山市役所展望塔からの景色

Map

地図

【今回歩いた距離:約1.5km 有峰口駅~本宮砂防堰堤~芳見橋】

広域図

広域図

地理院地図をもとに当財団にて作成

(参考)立山黒部アルペンルート(公式サイトより)

立山黒部アルペンルート(公式サイトより)

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