2025/01/06
有給休暇の付与日数は下記の通りです。
継続勤務年数(年) | 0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5以上 |
付与日数(日) | 10 | 11 | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 |
例えば、4月1日入社の方であれば6ケ月後の10月1日に10日の有給休暇が付与されます。その後は毎年10月1日が基準日となり、翌年の10月1日には11日の有給休暇が付与されることになります。有給休暇は入社日が基準となりますので、人によって有給休暇の付与日が違います。ただ、基準日がそれぞれで違うということは、会社側の運用の負担は大きくなります。そのため、会社によっては、基準日を統一しているケースもあります。運用にあたって、付与日数は法令を下回ることはできませんので、基準日統一にあたっては専門家の方の意見を聞きながら、自社にあった運用をしていきましょう。
下記は、パート労働者の方の有給休暇の付与日数です。付与日数は正社員と同じ日数ではなく、所定労働日数に応じて付与されます。
週所定 労働日数 |
1年間の 所定労働日数※ |
継続勤務年数(年) | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5以上 | |||
付与日数(日) | 4日 | 169日~216日 | 7 | 8 | 9 | 10 | 12 | 13 | 15 |
3日 | 121日~168日 | 5 | 6 | 6 | 8 | 9 | 10 | 11 | |
2日 | 73日~120日 | 3 | 4 | 4 | 5 | 6 | 6 | 7 | |
1日 | 48日~72日 | 1 | 2 | 2 | 2 | 3 | 3 | 3 |
※週以外の期間によって労働日数が定められている場合
労働者は、時季指定権といって有給休暇を好きな時に取得する権利をもっています。
しかしながら、会社には時季変更権があり、繁忙期等で事業の正常な運営を妨げる場合であれば、時季を変更して与えることができるとされています。ただ、「単に忙しいから」というだけでの時季変更権の行使はできませんので注意が必要です。そのため、いくら有給休暇が本人の申請で取得できるとはいえ、スムーズに運用するために、申請のタイミング等をルール化しておくことをお勧めします。
(例)有給休暇を取得する日から、原則〇日前までに申請をする
病気もしくはやむをえない事情の場合は事後でも認められる
原則、有給休暇の買い取りはできません。有給休暇の本来の目的は「リフレッシュをして、良い仕事をしてもらうためのお休み」です。ただし、時効で消滅してしまった有給休暇や、法定を上回る有給休暇については「買い取ってもよい」ということになっています。しかしながら有給の買い取りを推奨しているわけではありませんので注意が必要です。
有給休暇の取得は労働者としての権利です。そのため、有給休暇を取得した労働者に対して賃金の減額(精皆勤手当の不支給、賞与の減額等)など、休暇の取得を抑制する不利益な取扱いをしてはいけないということになっています。(労働基準法附則第136条)
有給休暇の利用促進を目的として、労使協定に基づき、有給休暇のうち一定の日数(5日)を超える部分について、計画的に与えることができる「計画的付与」という制度があります。これは労働者の過半数で組織する労働組合又は当該労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者との労使協定が必要です。計画的付与制度の導入で、有給休暇の取得推進につながっていきます。
例えば、一斉付与方式を使い、8月13日14日は会社の夏季休日、15日、16日は計画的付与による有給休暇といった利用促進方法があります。
労務管理がしやすく計画的な業務運営ができます。
ためらいを感じずに、年次有給休暇を取得できます。
例)年次有給休暇の付与日数が11日の労働者
(1)企業や事業場全体の休業による一斉付与方式
全労働者に対して同一の日に年次有給休暇を付与する方式
(例えば製造業など、操業をストップさせて全労働者を休ませることができる事業場などで活用されています。)
(2)班・グループ別の交替制付与方式
班・グループ別に交替で年次有給休暇を付与する方式
(例えば、流通・サービス業など、定休日を増やすことが難しい企業・事業場などで活用されています。)
(3)年次有給休暇付与計画表による個人別付与方式
年次有給休暇の計画的付与制度は、個人別にも導入することができます。夏季、年末年始、ゴールデンウィークのほか、誕生日や結婚記念日など労働者の個人的な記念日を優先的に充てるケースがあります。
有給休暇は法定で個々の付与日数が決まっています。そのため、5日だけでなく、当然自分の付与日数を使用する権利をもっています。「年次有給休暇の年5日取得義務」とは、年10日以上の有給休暇が付与される労働者で、5日以上取得が済んでいない者に対しては、有給休暇の日数のうち年5日について、使用者が時季を指定して取得させなくてはいけないといった、使用者に課せられた義務なのです。
労使協定を締結すれば、年に5日を限度として、時間単位で年次有給休暇を与えることができます。子育て中の方等、時間単位の有給休暇があることによって働きやすさが増しているというケースもあります。フレキシブルな働き方の1つとして時間単位の有給休暇の制度を導入することも有効です。
■労使協定で決めなくてはいけないこと
① 時間単位年次有給休暇の対象労働者の範囲
② 時間単位年次有給休暇の日数
③ 時間単位年次有給休暇1日の時間数
④ 1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数
有給休暇の使用促進のために、まず有給休暇が取得できない原因を考えてみましょう。
会社として有給休暇をとりづらい雰囲気なのか?それとも仕事が属人化しているため、休むことができないのか?根本的に業務量が多いのか?といった原因を考え、対策を検討していくことが必要です。風土としてとりづらいのであれば、例えば「お誕生日月には、有給休暇を取得しよう!」といった有給取得推奨日を設ける等の風土づくりをしていきましょう。
また、仕事の属人化や業務量の問題であれば、業務の見える化、仕事の標準化といった、業務改善や仕組みとしての見直しが必要です。いずれしても、休みの取りづらい会社では、社員の定着率は上がっていきません。有給休暇の取得率を上げることを目標に、社内の体制づくりを見直していきましょう。
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