2014/05/28
委託処理における主な実施事項は以下のとおりです。このうち、前回は「許可業者への委託」について紹介しました。今回は「委託契約書」について紹介します。
産業廃棄物の運搬または処分を委託する場合は、都道府県政令市より許可を得た収集運搬業者または処分業者にそれぞれ委託しなければなりません。また、産業廃棄物の種類などの委託内容が、許可内容に含まれていることを確認しなければなりません。
産業廃棄物の運搬または処分を委託する場合は、法定事項を記載した書面により契約しなければなりません。また、委託契約書に処理業者の許可証の写し(コピー)を添付して、契約の終了の日から5年間保存しなければなりません。
産業廃棄物を搬出する際には廃棄物の種類ごとにマニフェストを交付しなければなりません。
運搬を委託する場合は収集運搬業の許可を持つ業者と、処分(中間処理または最終処分)を委託する場合は処分業の許可を持つ業者と、それぞれ書面で委託契約しなければなりません。
(収集運搬と処分を同一の業者に委託する場合は一つの契約書にまとめることが可能)
主な法定記載事項は以下のとおりです。
以下、下記詳細ページ参照
上記のとおり、記載事項は定められていますが、様式の指定はありません。どのような様式を用いるかは処理業者と相談してください。主な様式は以下のとおりです。
委託契約書に処理業者の許可証の写し(コピー)を添付して、契約終了の日から5年間保存しなければなりません。
法定事項を記載した委託契約書により契約を締結しない場合、および、契約書、許可証の写しを法定期間保全しなかった場合、以下の罰則に該当することになります。
法 | 違反事項 | 行為者 | 法人 (両罰規定) |
---|---|---|---|
25条 | 委託基準違反(無許可業者への委託) 処理施設許可設置違反(建設汚泥の脱水施設など) |
5年以下、 1000万円以下 |
1000万円以下 |
26条 | 委託基準違反(書面による委託契約と許可証の写しの添付、処理料金の記載など政令に定める基準に違反) 再委託基準違反(政令に定める基準に違反) |
3年以下、 300万円以下 |
300万円以下 |
27条 の2 |
産業廃棄物管理票(マニフェスト)の虚偽記載等違反 | 1年以下、 100万円以下 |
100万円以下 |
委託契約書の締結なし、マニフェストの交付なしに建設廃材の処理を業者に委託したが、その業者が違法に堆積したまま片づけられないため、措置命令として、廃棄物の片づけを命じられた。
※産業廃棄物の処理を他人に委託する場合は、委託契約の締結、マニフェスト(複写伝票)の交付などが義務づけられています。これを怠った場合、「刑事処分」としての罰金(懲役を含む)とは別途に、「行政処分」として措置命令の対象となります。例えば、不法投棄を行った処理業者に片付け(原状回復)を行う資力の無い場合、委託契約の締結、マニフェストの交付を怠った排出者にも、罰金とは別途に、行政処分として産廃の片付けなどが命じられる(措置命令)ことになります。
委託契約書、マニフェストのチェックを確実に行ってください。
次回はマニフェストについて詳しく紹介します。
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