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現場の失敗と対策 このコンテンツは現場で働く皆さんの参考としていただきたくよう、実際の施工にあたっての失敗事例と対策を記載したものです。土工事、コンクリート工事、基礎工事の3分野を対象として事例を順次掲載していきますので参考にしてください。

基礎工事1)オールケーシング

場所打ちコンクリート杭での鉄筋かごの落下

2013/02/21

工事内容 全周回転式オールケーシング工法による場所打ち杭
杭径:φ2m、長さ:46.5m

工事の経緯とトラブル発生の様子

周回転式オールケーシング工法で所定の深さまで掘削し、鉄筋かごを建込み、杭下端から10mの高さまでコンクリートを打ち込んだ。その後、鉄筋かご頭部の仮支持(かんざし)をケーシングチューブから外し、ケーシングチューブを引き抜いたところ鉄筋かごが落下(鉄筋かご杭頭部が沈降)した。

原因と現地で取った対処方法

落下した鉄筋かごを引き上げて状況を確認したところ、原因はコンクリート打ち上がり面の近くにある主筋重ね継手の溶接部が破断したことにより、同溶接部より上部の鉄筋かごが落下したことが判明した。落下した上部鉄筋かごは下部鉄筋かごで支えられていた状態であった。この継手は、主筋をフレア溶接により結合していた。

鉄筋かご溶接部破断の原因としては、施工中の鉄筋かごの偏心やケーシングチューブ引き抜き時の揺動の影響により溶接箇所に過大な荷重が作用したことが考えられる。

鉄筋かごと打設済みのコンクリート(未固結)を完全に排出、撤去し、新たに施工し直した。再施工にあたり、鉄筋かごの溶接箇所を2倍に増やした。

今後の対応方針等

鉄筋かごの継手部の結合に溶接を用いる場合は、現場における施工誤差等にも配慮して、鉄筋かごの重量に対する溶接部の強度の安全率を3以上確保することとする。

[監修・文 ConCom事務局]

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