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打設中(締固め)
2014/09/29
配水池築造のため、打ち込み区画の長さが35m、壁厚0.9m、高さ2.7mの壁のコンクリートを6月末に打設した。正午の気温30℃、天候は晴れであった。
当日は、一台のポンプ車で朝から隣のブロックの柱など2箇所のコンクリートを打設していた。
壁のコンクリート打設は10時30分からスタートした。0.75mずつ4層に分けてほぼ水平に打設する計画とした。2層目のコンクリートが終わったのが12時00分。そこで昼休みにして、再開したのは12時50分である。昼休みの間、ポンプ車の配管内のコンクリートが閉塞しないように、午前最後の生コン車に0.5m3程度の生コンを残し、生コンを少しずつ送り出すように手配していた。
4日後、脱型すると2層目と3層目の打重ね目にコールドジョイントと見られる黒ずんだ色むらが生じていた。(図1)
あらためて作業員に当日の様子を確認すると、打ち重ねに当たっては、2層目のコンクリートに棒状バイブレータを挿入しようとはしたが、問題の箇所では数cm程度しか入らなかったことがわかった。2層目の最初のほうに打設した部分は打設してから約1時間半経過しており、気温と壁部の端部という2つの要因で、凝結が予想以上に進行していたことが原因と考えられた。
コンクリート標準示方書には、「日平均気温が25℃を超える」ときは暑中コンクリートとして扱い、「外気温が25℃を超える場合のコンクリートの許容打重ね時間間隔2.0時間以内より短く設定することが望ましい。」と書かれている。今回、3層目のコンクリートを打ち重ねたのは2時間を超えていないものの、結果としては暑中コンクリートとしての配慮に欠けていたものであった。
水密性を要求される構造物であったため、コールドジョイント部はポリマーセメントモルタルでコーキングした。
層間のコンクリートの打ち重ね時間の間隔を短くするために、「コンクリートは、打上がり面がほぼ水平になるように打ち込む。」という原則を採らず、打ち重ね目には常にフレッシュなコンクリートを被せるような施工方法も検討対象となりうる。すなわち、①1層目のコンクリートを通常の打設方法のように壁の長さいっぱいまで打設するのではなく、途中で止め、②打ち初めに戻り、最初に打設したコンクリートにフレッシュなコンクリートを被せ、③これを繰り返す。斜めに打ち重ねることになるが、打継ぎ模様が現れるリスクは小さくなる。
ただ、この打設方法の場合、作業員まかせにすることはできず、監督が指示を出すようになるので、監督の経験が問われることになるが、その分、充実感も大きい。
編集委員会では、現場で起こりうる失敗をわかりやすく体系的に理解できるよう事例の形で解説しています。みなさんの経験やご意見をお聞かせください。
現場の失敗と対策
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