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現場の失敗と対策 このコンテンツは現場で働く皆さんの参考としていただきたくよう、実際の施工にあたっての失敗事例と対策を記載したものです。土工事、コンクリート工事、基礎工事の3分野を対象として事例を順次掲載していきますので参考にしてください。

コンクリート工事打設後(養生)

風による収縮ひびわれ

2013/12/20

工事の概要とトラブルの内容

3月、よく晴れた日に高架橋のスラブコンクリートを打設した。春一番と呼ばれる風の強い日だった。

コンクリートの打設後、左官工のコテ押さえ、ほうき目仕上げが終わるのを待って、養生シートを敷き詰め、散水した。

翌朝、コンクリート打設箇所を点検すると、養生シートは風でまくり上げられ、露出したコンクリート表面には微細(幅0.1mm、長さ30mmから80mm程度)で不規則なクラックが多数、見られた。クラックの発生した箇所は、コンクリートの打ち上がるのが早かった箇所に限られた。

原因と対処方法

前日の作業手順を反省すると、最初にコンクリートが打ちあがった箇所は、1時間も養生せずに放置していたこととなっていた。このため、春の日差しと強風により、コンクリートの表面からコンクリート中の水分が急激に蒸発し、コンクリート表面が乾燥したことが原因と考えられた。乾燥収縮である。

この工事でも打設後に湿潤養生を行っているのだが、タイミングに対する配慮が欠けていた。養生というといかに湿潤に保つかだけを考えがちだが、風に対する養生も重要である。できるだけすみやかに打ち込み終了箇所が風に当たらないようにシートなどで覆って養生しなくてはいけない。

幅0.1mm程度のクラックなので構造体としての対応は必要ないと考えたが、美観上の問題として簡易な補修を行った。今ならセメント補修スプレーなどを用いるのだろうが、当時はハンマーでクラックをつぶし、セメントミルクを刷毛で塗り、再度、湿潤養生を行った。これにより色むらも無く、クラックも分からなくなった。

同様の失敗をしないための事前検討・準備

図1 養生マットが飛ばないように重しを置いた状況図1 養生マットが飛ばないように重しを置いた状況

吹くかどうかわからない風の対策として、大掛かりな風除けシートなどの設備は現実的ではない。だからといって、左官工が均したあとから追いかけて養生マットを敷設し始めると左官工の仕事が追われるようで良くない。このような場合、コンクリートの表面が乾燥するのを防ぐため膜養生剤の使用が有効である。作業員に噴霧器を背負わせ、左官仕上げの終わった箇所から撒いて行く。

膜養生剤としては油脂系と樹脂系のタイプなど種々あるので、あらかじめ使用量や施工方法等を信頼できる資料あるいは試験によって確認しておく必要がある。

左官仕上げ終了後、全面的に湿布を行う。散水後の養生マットは水を含んで重くなり、風に対してもめくれたりしないが、乾いてきて軽くなるとめくれたり飛んだりするので注意が必要である。これを防ぐためには、養生マットの上に単管パイプなどをならべて重しにすると良い。(図1) 

コンクリート標準仕様書では、日平均15℃以上の場合、普通ポルトランドセメントを使用したコンクリート構造物は5日間の湿潤養生が要求されている。5日間湿潤に保つことは容易ではない。湿潤養生の方法として、型枠を数cm高くして、水を貯める方法(湛水)が有効であるが、スラブ面が傾斜するなど水が貯まらない場合、スプリンクラーを使用(散水)すると良い。

「現場の失敗と対策」編集委員会

現場でよくある失敗例をより体系的に理解できるよう、編集委員会を設置し「現場の失敗と対策」をバージョンアップしました(2013年6月)。 皆さんの業務の参考としてください。みなさんのご意見をお待ちしています。

編集委員会の詳細を見る

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