4)打設準備(型枠・鉄筋組立等)
2014/03/26
コンクリート打設前に水洗いすることで集まったおがくずの一部は型枠の外に流れたが、大部分は型枠の内部に排除されずに残ってしまい、そのままコンクリートが打ち込まれたことがわかった。おがくずはコンクリートと混練されることはなかった。
型枠の内側は、暗くて上からは良くみえないことも事実であるが、監督員が清掃状況を確認していなかったことが原因の一つである。
おがくずが流れた跡は清掃することできれいになったが、打ち継目に層になったおがくずはアイスピックとハイウォッシャーで除去し、さらにダイヤモンドカッターで継ぎ目を整形してから、セメントモルタルでコーキングした。
型枠内のおがくずや鉄筋の結束線などを除去する対策として、すべての柱に、掃除穴を設けることにした。柱の型枠はメタルフォームで組み立てていたため、中央の1枚だけ、30cm短いメタルフォームを使用し、下側に穴の開いた状態で柱の型枠を組み立てる。この穴は、掃除孔として利用し、ハイウォッシャーにて水洗いが完了後、型枠工が合板で製作した型枠(蓋)をはめ込むことにした(図2)。
監督員は、コンクリートの打設前にすべての穴がふさがれていることを確認することは言うまでもない。以後に打設したコンクリートの打ち継目は、きれいに仕上がっている。
このほか、打ち継ぎで失敗した事例として、夜半に降った雪が型枠内に残っていて、これが柱と柱の間にすき間を造ってしまったことがある。このときはコンクリート自体の温度および水和熱で雪は融けると判断した甘さがあった。融けることは融けたが、打設と同時に融けたわけではない。これらは一見してケアレスミスのように思われるが、打設前に打ち継ぎ目面をきれいにするという基本的な作業を軽視した点で反省すべきである。
編集委員会では、現場で起こりうる失敗をわかりやすく体系的に理解できるよう事例の形で解説しています。みなさんの経験やご意見をお聞かせください。
土木遺産を訪ねて
2024/11/01
今回の歩いて学ぶ土木遺産は、JR男鹿駅から船川港にある選奨土木遺産「第一船入場防波堤」と「第二船入場防波堤」をめざす行程です。出発点となるJR男鹿駅(2018年新設)の駅舎は...
現場の失敗と対策
コラム
働き方改革
2024/11/01
もちろん、業務上必要な残業は、36協定の範囲内で命じることができます。そもそも36協定(時間外・休日労働に関する協定届)とは...
トピックス
2024/11/01
公益社団法人土木学会は、令和6年度の「選奨土木遺産」に認定した14件を発表しました。今回は、廃川敷に計画された「甲子園開発」の先駆けとして...
今月の一冊
2024/11/01
最先端のデジタル技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)、女性や高齢者、外国人などが活躍できる多様性の実現、働き方改革など、従来のイメージを変革するさまざまな...
Copyright © 2013 一般財団法人 建設業技術者センター All rights reserved.