ConCom Constructor's Community
建設技術者のためのコミュニティサイト
1)オールケーシング
2013/05/20
工事内容 |
橋脚下部工としてオールケーシング工法で8本の場所打ち杭を施工 杭径φ1.5m、長さ20m |
---|
全周回転式オールケーシング工法で手順に従って所定の深さまで掘削、コンクリートを打ち込んだ後、埋め戻しを行った。その後、杭頭処理のため埋め戻し土を撤去し杭頭部をはつったところ、8本中、3本の杭に杭頭から約2mの範囲で不健全部分(ジャンカ等の発生、強度不足)があることがわかった。
杭の不健全部分の周囲の土砂を掘り下げたところ、玉石が混入した崖推堆積層が約4mの厚さで堆積しており、この玉石がケーシング引き抜き時にケーシングと共廻りしてケーシングの外側に空洞を作り、この空洞部に打設されたコンクリートが流れ込んでいた。
このことから、杭のコンクリートが天端下がりを起こし、余盛部でとどまるべきレイタンスや土砂等が杭本体にまで流れ込んだことで、不健全部が発生したと判明した。
杭周囲を掘削して不健全部分を露出させ、手はつりとウオータージェットによりコンクリートを撤去したのち、再度、健全なコンクリートを打設した。
玉石等を含んだ層がある場合は、玉石とケーシングによる共廻りによって杭外側に空洞が発生し打設コンクリートが流出して杭の天端下がりが発生する可能性があるため、打設コンクリートの余盛り量を大きく取ることとした。さらに、コンクリート打設量を管理するだけでなく、玉石等のある層のケーシング割付を短くし、更にコンクリートの天端の状態をこまめに確認しながらケーシングを引き抜くよう施工管理を徹底した。
[監修・文 ConCom事務局]
トピックス
2022/05/09
コンコムを運営している一般財団法人 建設業技術者センターでは、良質な社会資本整備の前提条件である建設技術者の確保・育成に寄与することを目的に、建設技術者及び建設工事の施工管理に関する...
現場の失敗と対策
今月の一冊
2022/05/09
建設産業の魅力を感じ、建設産業を志してもらいたいという思いからつくられた本書。第1章から第4章までの「技術・プロジェクト編」では、道路・橋・ダムといった今の暮らしを...
今月の一冊
2022/05/09
ぺりかん社の「なるにはシリーズ」の157巻。著者の三上美絵氏は、大成建設株式会社の広報部出身のフリーライターで、土木学会の広報戦略会議の委員を務めるなど、土木の魅力を...
Copyright © 2013 一般財団法人 建設業技術者センター All rights reserved.