2)盛土・軟弱地盤
2013/11/20
軟弱地盤対策工の盛土補強工法は、施工も容易で、材料の高強度化によりコストも軽減されてきている。ただし、あくまでも補強材の敷設範囲を通るすべりに対して有効であり、今回の事例のように盛土の荷重により基礎地盤の支持力破壊が生じ、盛土全体が流動化する場合には効果はない。このため、基礎地盤の無補強時に安全率がFs=1.0を下回る場合には、他の軟弱地盤対策工を併用し安全率Fs=1.0を確保し、不足する抵抗力を補強材で補助することが必要となる。また、このような非常な軟弱地盤では圧密沈下対策を行うことが多く、圧密促進工法と緩速施工を併用することで、基礎地盤の圧密による強度増加を期待できる。
施工においては、動態観測により、松尾・川村の方法(S-δ/S管理図)において軌跡が右方法へ向かっていないか、δ/S(盛土のり尻の水平変位/盛土中央の沈下量)が0.5を超えていないか、また、栗原・高橋の方法(Δδ/Δt法)で1日あたりの水平変位量が1.5cmを超えていないか等、定量的な安定管理によって未然に破壊を防ぐことが可能である。
なお、管理基準値に近づきそうな場合には盛土施工を一旦休止して、対策を検討、施主に提案することが重要である。
編集委員会では、現場で起こりうる失敗をわかりやすく体系的に理解できるよう事例の形で解説しています。みなさんの経験やご意見をお聞かせください。
土木遺産を訪ねて
2024/11/01
今回の歩いて学ぶ土木遺産は、JR男鹿駅から船川港にある選奨土木遺産「第一船入場防波堤」と「第二船入場防波堤」をめざす行程です。出発点となるJR男鹿駅(2018年新設)の駅舎は...
現場の失敗と対策
コラム
働き方改革
2024/11/01
もちろん、業務上必要な残業は、36協定の範囲内で命じることができます。そもそも36協定(時間外・休日労働に関する協定届)とは...
トピックス
2024/11/01
公益社団法人土木学会は、令和6年度の「選奨土木遺産」に認定した14件を発表しました。今回は、廃川敷に計画された「甲子園開発」の先駆けとして...
今月の一冊
2024/11/01
最先端のデジタル技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)、女性や高齢者、外国人などが活躍できる多様性の実現、働き方改革など、従来のイメージを変革するさまざまな...
Copyright © 2013 一般財団法人 建設業技術者センター All rights reserved.