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現場の失敗と対策 このコンテンツは現場で働く皆さんの参考としていただきたくよう、実際の施工にあたっての失敗事例と対策を記載したものです。土工事、コンクリート工事、基礎工事の3分野を対象として事例を順次掲載していきますので参考にしてください。

土工事2)盛土・軟弱地盤

超軟弱地盤上の盛土における側方流動の発生

2013/03/21

工事内容 谷状の地形を埋めたてて駐車場(平置き)を造成
代表的な断面:図参照

工事の経緯とトラブル発生の様子

工事は、丘陵に挟まれた細長い谷部を埋めたてて駐車場(平置き)を造成しようとする工事である。当初から現地にはN値=0の軟弱な腐植土層と粘土層が堆積していることがわかっていたが、発注者と協議した結果、盛土高が平均で3m程度と低く構造物等も計画されていなかったことから若干の変位があっても供用に大きな支障はないものと判断し、緩速施工を基本に施工することとした。

押え盛土部及び盛土部を高さ約2mまで施工し、さらに盛土部のかさ上げをすべく工事を再開した時点で、盛土表面に大きな亀裂(亀裂幅最大4m程度)が生じた。亀裂は押え盛土部で発生し、その影響が順次盛土本体側へ波及、収束性も示さないこととなった。のり先部では浮き上がるような変位も示していたが、全体では鉛直方向の変位に比して水平方向の移動が非常に大きかった。

原因と現地で取った対処方法

あらかじめ地盤内に設置しておいた傾斜計のデータを解析すると、深さ5mの位置で大きなすべり面が観測されたことから、軟弱地盤上部の腐植土が側方に流動していることが原因であるとわかった。

対策としては、押え盛土の下の軟弱地盤層に対し、長期的な信頼性が期待でき経済 性でも有利な深層混合による地盤改良を風化岩まで行うこととした。

今後の対応方針等

盛土がそれほど高くないということを理由に、超軟弱地盤という要因を過小評価した結果が今回の事態となったことから、今後は、同種の地質の計測データ収集や近傍の施工事例収集を行うなどして軟弱地盤上の盛土による変位状況の予測精度をあげることとする。

[監修・文 ConCom事務局]

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