2016/06/28
集合住宅建設における工事監理者の業務を主体とした「現場監理の達人 集合住宅編」では、全37回にわたり工種ごとの工事監理のポイントについて、専門用語の解説や事例写真を使いわかり易く解説しています。工種別のチェックリストもPDF 形式でダウンロードできますので、ぜひ業務に活用ください。
マンションの屋上はコンクリートスラブにアスファルト防水という設計が多く、付帯施設に折板屋根工事がある場合もありますが、屋根工事はほとんどありません。とい工事はドレン金物に雨水を集め、といで雨水を地上まで導き、下水などに流す排水設備です。監理者はドレン金物の納まり、排水勾配、排水経路などの確認が必要です。
金属工事は室内の壁や天井の下地工事が、木工事から軽量鉄骨(LGS)工事に置き替えられたので、建物の主要な工事になっています。監理者は吊ボルトの位置、開口の補強、溶接部の錆止めなど、下地の不具合が発生しないように監理します。
また、金属成形板、手すり、笠木、タラップなどの金属工事では、納まり、精度や出来栄え、必要な強度などの確認があります。子供が手すりを越えて墜落する事故の可能性もありますので、金属工事では使用者を想定し安全面の確認が重要になります。
工場の製作がともなう屋根工事、金属工事の監理フローの概要は、次のようになります。
屋根工事にはいくつか種類がありますが、次に折板葺屋根工事をご紹介します。折板葺屋根工事は鉄骨造の建物の屋根に使われることが多い工法です。
溶接部分はそのままでは錆が発生するので、錆止めを塗ります。
規定の重ねしろをとりながら、折半材の山の部分で固定します。谷の部分に穴をあけると水が入り込みやすくなります。
ドレン金物へ雨水を集めて、といを経由して下水などに排水します。ドレン金物は、アスファルト防水用、塗布防水用など防水工法により種類があります。また、スラブを貫通して縦に流す方式と壁を貫通して横に流す方式があります。ドレン金物とコンクリートが一体になるように、ドレン金物は一般的にコンクリート打設時に打込みます。
軽量鉄骨(LGS)工事は躯体打設後、内部の壁と天井の下地を作成します。
LGS天井工事の標準的な方法は、吊ボルトで野縁受けをハンガーで吊り、野縁受けに野縁を取付け、野縁にプラスターボードをビス止めします。野縁受けは「チャンネル」、野縁は「シングルバー」「ダブルバー」が使われます。写真の事例は、マンションのような天井内のフトコロが小さく、スパンが狭いところで「バー」の替わりに、強度が大きな「角スタッド」を使っています。これにより狭いスパンでは吊ボルトが不要になります。
角スタッドを使うことで、スパンが短いところは吊ボルトを不要にしています。角スタッドブリッジ工法といいます。
角スタッドのピッチを確認しています。プラスターボードの割付に合わせて、303ピッチになっています。
手すりの取り付けは、躯体に手すりの柱脚の部分の穴をあけておき、柱脚を差し込んで固定する方法もありますが、次の工法は接着系注入方式アンカーを使った工法です。躯体にドリルで穴をあけ、接着剤で鉄の芯材を固定し、手すりの柱脚を固定する方法です。
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