2016/10/28
集合住宅建設における工事監理者の業務を主体とした「現場監理の達人 集合住宅編」では、全37回にわたり工種ごとの工事監理のポイントについて、専門用語の解説や事例写真を使いわかり易く解説しています。工種別のチェックリストもPDF形式でダウンロードできますので、ぜひ業務に活用ください。
カーテンウォールは材質上の仕分けでは、大きく金属系のメタルカーテンウォールと、コンクリート系のプレキャストカーテンウォール(PCカーテンウォール)に分けられます。カーテンウォールの特徴は、建築物への荷重をなるべくかけないように、カーテンと同様に空間を仕切るための部材です。また、柔構造の高層建築物では外壁の変位が大きく、変位に追随できるように設計されます。
カーテンウォール工事は、鉄骨やコンクリートなどの骨組みに外壁を取付ける非耐力壁工事で、一般の集合住宅では用いられることは少なく、ガラス張りの超高層ビルは大半がカーテンウォールで造られています。カーテンウォール工事では、建物周囲に足場を設置する必要がなく、工期の短縮や足場設置費用の削減になります。
カーテンウォール工事の監理では、製作した製品の性能を判断するのは難しいため、信頼できる基準・指針等に基づく計算書等または工法仕様、類似の製品の過去の試験成績書、類似の製品を使用した完成建物等による試験成績書、使用する部材の試験成績表などの適切な資料により確認します。また、製作所における製品検査、現場施工での受入検査を実施し、施工計画に基づく施工状況、取付け精度、出来栄えなどを確認します。
カーテンウォール工事の監理フローの概要は、次のようになります。
集合住宅では外壁面にカーテンウォールを使っている事例が少ないため、建物の一部に使われている事例を紹 介します。搬入時に部材の仕様・数量などを確認します。
製作所で組み立ててパネル状で取付けるのが一般的です。この事例は部分的に使われているので、現場組立になっています。
ガラスは重量があるので、ガスケットと呼ばれるゴム材で固定します。
製品の寸法許容差は、アルミニウム合金鋳物の場合を除き、次のようになります。
(単位:mm)
出典:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)
次の写真はカーテンウォールを構造体に取付けている取付け金物部分です。
コンクリートの躯体にカーテンウォールを固定しています。
溶接部分は防錆処置をします。
躯体付け金物は必要な強度が得られるように、あらかじめコンクリートへの打込みまたは鉄骨部材への溶接により取付けます。躯体付け金物の取付け位置の寸法許容差は、次のようになります。
(単位:mm)
出典:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)
工事中の現場におけるメタルカーテンウォールの事例です。
プレキャストカーテンウォールの工事中の事例です。
プレキャストカーテンウォール製品の寸法許容差は次のようになります。
(単位:mm)
出典:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)
次の事例は、プレキャストとメタルを組み合わせたカーテンウォールです。
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