2017/04/27
集合住宅建設における工事監理者の業務を主体とした「現場監理の達人 集合住宅編」では、全37回にわたり工種ごとの工事監理のポイントについて、専門用語の解説や事例写真を使いわかり易く解説しています。工種別の工事監理ガイドラインもPDF形式でダウンロードできますので、ぜひ業務に活用ください。
建築士が建物を設計し工事監理をしますが、建築技術の専門領域で建築士は、大きくは意匠系、構造系、設備系の3つの領域があります。監理者は工事監理で設計図書通りに現場が施工されていることを確認しますが、一般に杭の偏心や構造的な間違いなどについて、構造計算などの判断を要する場合には構造系の建築士と協議します。設備についても、特に専門的な判断が必要な場合には、設備系の建築士と協議します。大規模な集合住宅では、主となる意匠系の監理者と設備系の監理者が協力して工事監理をしています。
設備工事は、電気設備工事と機械設備工事(給排水衛生設備工事、空調換気設備工事など)の2つに分けられます。建築工事を統括する現場代理人がいますが、電気設備工事にも、電気設備工事会社の現場代理人が選任されて、電気設備工事全般を施工管理し、建築工事や他の専門工事との調整をしながら進めます。監理者は建築、電気設備、機械設備の現場代理人を集めて定例会議を開き、仕様の決定や変更事項への対応などを協議しながら工事監理をします。たとえば設備機器が変更になれば、建築工事の納まりが変わったり、電気の容量が変わったりすることがあります。建築工事、電気設備工事、機械設備工事はそれぞれに関連しているので、監理者は総合的な検討が重要になります。
監理者は電気設備工事では、施工計画・施工図、電気工事会社が行なう試験・検査の記録、実際の照明や機器の機能の有効性、盤・プレート類の取付け状態などを確認します。
内装工事では最初にLGS(軽量鉄骨)で下地を作成します。電気設備工事はLGS工事が終了後、ボード張り等でふさがれる前に、コンセントやスイッチなどのボックス付け及び配線を行います。
天井のLGSを施工する前に、大部分の配線は終わっています。天井から間仕切りのLGSへ配線を伸ばし、コンセントやスイッチのボックスに配線されています。
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