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現場監理の達人 現場監理に役立つチェック項目を、工程ごとにご紹介

集合住宅編
第32回 給排水衛生設備工事、
     空調換気設備工事-2

2017/07/31

合住宅建設における工事監理者の業務を主体とした「現場監理の達人 集合住宅編」では、全37回にわたり工種ごとの工事監理のポイントについて、専門用語の解説や事例写真を使いわかり易く解説しています。工種別の工事監理ガイドラインもPDF形式でダウンロードできますので、ぜひ業務に活用ください。

ここでの監理者の心構え

備工事は大きく電気設備工事と機械設備工事に分けられます。機械設備工事には、給水工事、排水工事、空調工事、保温工事、ガス工事、消防設備工事、衛生器具工事などが含まれます。建築工事を統括する現場代理人がいますが、設備工事会社でも現場代理人が選任されて、設備工事全般を施工管理し、建築工事や他の専門工事との調整をしながら進めます。

監理者は建築、機械設備、電気設備の各現場代理人を集めて定例会議を開き、仕様の決定や変更事項への対応などを協議しながら工事監理をします。たとえば設備機器が変更になれば、建築工事の納まりが変わったり、電気の容量が変わったりすることがあります。建築工事、電気設備工事、機械設備工事は相互に関連しているので、監理者は総合的な検討が重要になります。

監理者は機械設備工事では、施工計画・施工図、設備工事会社が行なう試験・検査の記録、実際の設備機器の機能の有効性や設備機器の取付け状態などを確認します。

3.パイプスペース(パイプシャフト)

パイプスペースは建物の各階の同じ位置にあり、設備配管、電気配線が縦につながっています。また、各住戸に1箇所ずつ設けられて、水道メータ、ガスメータ、電力メータ、場合によっては給湯器などもパイプスペース内に設置されます。
パイプスペースは住居者が普段活用する場所でないために、できるだけ寸法を小さくすることが求められます。設備業者はパイプスペースの詳細施工図を描いて、納まりを検討します。監理者はパイプスペースの検討した結果を確認します。
パイプスペースは、コンクリートやブロックで作成し扉を付ける方法や、下の写真のように鋼板で囲って扉を付ける方法などがあります。

1.パイプスペース外観
1.パイプスペース外観

写真のパイプスペースの鋼板は錆止め塗装までで、仕上げ塗装はこれからです。

2.パイプスペースの内部
2.パイプスペースの内部

パイプスペースの内部です。まだ、メータ類や給湯器は付いていません。

  • 3.竣工時のパイプスペース
  • 給湯器
  • 3.竣工時のパイプスペース/給湯器
  • パイプスペースの上部には給湯器が付いています。

  • 竣工に近い時期のパイプスペースの状況です。

4.給水設備

①給水引込と水道メータ

給水は道路に埋め込まれている給水管から敷地内に引き込みます。敷地に入ったところに給水管の仕切弁があり、給水を止めることができます。

  • 仕切弁
    仕切弁

    敷地内の配管工事は、仕切弁で給水を止めて工事をします。

  • 水道メータの箱
    水道メータの箱

    水道メータは、水道局が検診しやすい場所に設置します。

  • 水道メータ
    水道メータ

    竣工後の建物内の給水管工事は、ここの止水栓を止めて工事をします。

  • 分譲マンションの場合
    分譲マンションの場合

    分譲マンションでは、パイプスペースに各住戸の水道メータが取付けられます。

②配管工事

配管の色を変えることによって、種類が識別されています。水色は給水管、オレンジまたはピンクは給湯管、緑色は床暖房、ユニットバスの追炊きと乾燥機です。クリーム色はガス管です。

住戸内の配管工事
住戸内の配管工事
床暖房設備
床暖房設備
③給水管の圧力試験

給水管は一定時間、規定の圧力をかけて、給水管の接合部分などに漏水がないか試験をします。

給水管の圧力試験
給水管の圧力試験

5.受水槽と高架水槽

道路の給水管には圧力がかかっているので、低層の建物はその圧力だけで水を配ることができます。集合住宅のような高層になった場合には、上階では水圧が落ちて水が上がっていきません。給水にさらに圧力を加えて揚水する方法、受水槽にいったん水を貯水し、ポンプで各住戸に配る方法、ポンプで高架水槽に揚水して、高架水槽から落差を利用して各住戸に送る方法などがとられています。

①受水槽

受水槽は給水をいったん貯水しておく貯水槽です。

  • 1.受水槽の基礎工事
    1.受水槽の基礎工事
  • 2.架台組立て
    2.架台組立て
3.パネル組立て
  • 3.パネル組立て
  • 3.パネル組立て

他の事例ですが、完成した受水槽です。

受水槽の外観
受水槽の外観
受水槽の揚水ポンプ
受水槽の揚水ポンプ

受水槽から屋上にある高架水槽に揚水ポンプで水を送ります。

②高架水槽

高架水槽に貯水した水が、落差を利用して各住戸に送られます。

  • 1.高架水槽の外観
    1.高架水槽の外観
  • 2.高架水槽のオーバーフロー管
    2.高架水槽のオーバーフロー管

    オーバーフロー管で、タンクから水が溢れた場合に、屋上のドレンのところに排水できるようにしています。

  • 3.高架水槽の配管
    3.高架水槽の配管

6.配管の養生

配管が傷つけられて漏水が起こると、住生活に大きく影響を及ぼします。工事中に配管を踏んだり、物をぶつけて破損したりすることがないように、職人への注意喚起や養生を行っています。

配管への注意喚起表示
  • 配管への注意喚起表示
  • 注意書きには、「お客様の大切な財産です、傷つけないように大切にして下さい」「配管を踏まない、配管の上で作業をしない、配管の上に資材を置かない、配管の上に工具を置かない、配線に資材を立て掛けない」などの言葉が記載されています。

配管の養生
  • 配管の養生

    配管が乱れて踏まれないように、ビニールでカバーしています。

  • 配管の養生

    配管の上を直接歩かないように、板でカバーをつくり養生しています。

「給排水衛生設備工事、空調換気設備工事の確認」ができる工事監理ガイドラインをダウンロード

工事監理では、「工事と設計図書との照合及び確認」が求められていますが、具体的に何を確認するのかは明確ではありません。どのような確認事項があるのか、体系的に理解し、しっかりと確認していただけるように、工事監理ガイドラインの「確認項目及び確認方法の例示」をご提供します。工事監理にご活用ください。

PDFファイルをご覧になるには、Adobe® Reader®がインストールされている必要があります。インストールされていない場合は左のアイコンからダウンロードが可能です。

原稿協力

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